• 子どもの成長や環境の変化など、整理の仕組みは暮らしに合わせて変わっていくもの。新しいやり方を試してやめたり取り入れたり、いまの生活にしっくり合う整理整頓法について、「CIRCUS」ディレクター引田 舞さんに聞きました。
    (『天然生活』2024年7月号掲載)

    人が集まる家だから、家族もゲストもわかりやすく

    「わが家には保育園のお迎え帰りなど、月に数回、多いときは3、4家族が遊びにやってきます。持ち寄りで食事をすることも多く、皆が自由に準備して、楽しめるように、どこに何があるかだれにでもわかる収納を心掛けています」と語るのは、ショップの商品セレクトやディレクションなどを行う引田舞さんです。

    画像: 普段使いの器を収納している日本の古い棚。棚板の間隔がほどよく狭く、取り出しやすい

    普段使いの器を収納している日本の古い棚。棚板の間隔がほどよく狭く、取り出しやすい

    ものとの出合いが多い仕事柄、作家ものの器がどんどん増えてきたこともあり、子どもが小さいころは滑り台を置いていたリビングの壁際に、最近ワイドサイズの食器棚を置きました。

    中には器をしまっています。

    「以前は作業台下の棚にしまっていましたが、出し入れがしづらく、使わなくなってしまったんです。ちょうどよい食器棚を見つけたのでここに置いたら、大皿を使う出番が増えました。ガラス戸なので中身がすぐわかることもあり、友人たちも『どれにしようかな』と楽しそうに選んでくれています」

    画像: ベランダをリフォームしたサンルームから日差しが入る引田家。およそ80㎡のワンルーム仕様

    ベランダをリフォームしたサンルームから日差しが入る引田家。およそ80㎡のワンルーム仕様

    年々増えていくものとうまくつきあいながら整える

    ご両親がきれい好きとあって、子どものころから整った空間で過ごしてきたという引田さん。

    ひとり暮らしのときも住まいにはものが少なくすっきりしていましたが、結婚、出産を経て、どんどんものが増えてきたといいます。

    「最近はものとの闘いです。とくに上の子が小学校に上がってからは、爆発的に増えました。ものが多くなったからといって家は大きくならないので(笑)、収納は試行錯誤しています。心掛けているのは、生活動線に合わせて、取り出しやすくしまうこと。先週と今週で置き場所が違うということもあるくらい、そのときの使いやすさを第一優先にしています。幸い、夫も片づけが得意なので、お互いにアイデアを出し合っていますね」

    画像: 引き出しの中も分類し、家族もゲストもわかりやすく。「ここにあるからね」で任せられる

    引き出しの中も分類し、家族もゲストもわかりやすく。「ここにあるからね」で任せられる

    ものを簡単に増やさないよう、収納ケースひとつとっても、買うときは徹底的に吟味、増えすぎたものは早めに次へと手渡していくことも意識しています。

    「毎日マメに片づけられたらいいのですが、なかなかそうはいきません。保留場所をつくって、週末にまとめて整理することも。ぐちゃぐちゃしていると生活が滞るしアイデアもわきません。うまくいかないときほど、自分を楽にするために片づけるようにしています」

    画像: おもちゃは折りたたみのコンテナでざっくり収納。子どもが自分で探せて、片づけやすい

    おもちゃは折りたたみのコンテナでざっくり収納。子どもが自分で探せて、片づけやすい



    〈撮影/山田耕司 取材・文/長谷川未緒〉

    引田 舞(ひきた・まい)
    アートディレクションやブランディング、古家具の卸しなどを行うユニット「CIRCUS」を夫の鈴木善雄さんとともに主宰。東京・新木場の「CASICA」、子ども服「tapis」のディレクションや「渋谷PARCO」で「Archives」を運営。東京・吉祥寺でギャラリー「フェブ」を営む引田かおりさん、ターセンさんはご両親。

    ※記事中の情報は『天然生活』本誌掲載時のものです



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