(『天然生活』2024年7月号掲載)
水谷さんの整理整頓法 01
子どもの成長に合わせて収納システムを変化させる
幼かった3人の子どもたちも、いまや全員が小学生。それぞれに自主性も芽生えてきました。
年齢に応じた片づけ力を育てるため、収納法もアップデートさせていきます。
姉弟の文具を共有する、持ち運びできるバスケット
子どもたちの文具類は、ハンドル付きボックスにひとまとめ。
テーブルや子ども部屋など自由に持ち運びして使い、終わったら後ろのオープン棚へ。

植物担当の娘と相談し、鉢植え類の置き場を決定
「毎日の水やりをもっと楽に」という要望から、移動式スタンドを導入。
水道のそばに移動すれば作業もスムーズ。じょうろの定位置もここに。

服の数は収まる量を厳選して衣類棚はそれぞれが管理
以前は姉弟3人の引き出しが一緒に並んでいたけれど、いまはそれぞれ独立。
引き出しは「IKEA」の「トロファスト」で、シールを貼って分類しやすく。
ハンガーバーは100円ショップで購入した固定パーツにバーを渡しただけ。



紙ものを自分で分類させて、子どもの分別能力を育む
学校から帰宅したら、ランドセルの中身を出し、プリント類、教科書&ノートなどを自分で分けてしまう方式に。
親へのお知らせプリントはダイニングテーブルに置くルール。


水谷さんの整理整頓法 02
水谷家の整理収納の仕組みづくりで大切なこと
家を心地よくするためには、家族全員が片づけられるような仕組みづくりが大切です。
みんなで続けるためには、負担やストレスがなるべくかからない方法を。
ストレスを軽減できるワンアクションの仕組みを
袋の形状がばらばらな乾物は、ワンタッチで開閉できる容器に収め、トレイにまとめて取り出しやすく。

最初にすべてを決めないで試しながら決めていく
当初は4ケース分だけと決めていた食材ストック。
在宅仕事が増えたり、健康のため乾物類を増やしたり。
生活の変化に合わせ少しずつ個数を増やしていった。


家族の動線を考え、負担のない流れをつくる
脱衣所が狭いため、洗濯かごは洗濯機とも距離が近いドア外正面の壁に取り付け。
比較的きれいなものは上、泥や砂まみれの汚れものは下へ。

限界までファイリング。整理どきを知らせるもの選び
ものの力を借りたり頼ったりするのも手。
クリップファイルには挟める紙の量に限界があるので、書類が落ちるようになったら、整理しどき。

向き・不向きで考える夫との役割分担
「お金の管理」が苦手な水谷さん。公共料金の支払いや資産運用など、不得意なことは夫に一任し、口出しをしない。
領収書類は中身が見える袋に。

水谷さんの整理整頓法 03
肌で感じた能登半島地震。防災アイテムを見直し
被災直後は気持ちが動転し、通常より記憶力や判断力が衰えがち。
「だれでも」「どんな状況でも」一目瞭然にしておくことが、安心につながります。
聞かれて答える場所ではなく、常に視界に入る置き場所に
ベッドの奥(チェックの布を掛けた下)を防災用品の定位置に。
「無印良品」の「再生ポリプロピレン入り 頑丈収納ボックス」を4個設置。

ベッドのすき間も活用。飲み水をキャスター収納
飲み水はふとん袋に入れ、ストッパーを付けた平台車にのせてベッド下へ。
「能登半島の震災で500mLサイズが便利と知り、補充しました」

4つのコンテナに分類し、ラベルに中身を記載
食料品、衛生用品、ランタンや電池類などをカテゴリーに分け、箱ごとに収納。見れば中身がわかるよう、ラベリング。
食料品は個数や賞味期限も明記して、半年に1回は必ず見直し、さらに適宜入れ替えを。


衛生用品にカイロを追加。情報を得て常に見直しを
冬に地震が起きたことで、寒さ対策も必要だと痛感。
使い捨てカイロを購入して、防災用品に仲間入り。

〈撮影/山田耕司 取材・文/田中のり子〉
水谷妙子(みずたに・たえこ)
整理収納アドバイザー。「無印良品」で生活雑貨の商品企画・デザインを13年間務める。手がけた商品は500点以上。2018年「家が整うと家族も整う」というコンセプトのもと「ものとかぞく」を起業し、片づけ講座や企業とのコラボ商品の開発を行う。『無印良品ではじめる新しい習慣』(扶桑社)が好評発売中。
https://taekomizutani.com/
※記事中の情報は『天然生活』本誌掲載時のものです