一枚の鉄板が可能にする
“直火感覚”の焚き火
これまで焚き火といえば、直火か焚き火台かという二者択一だったが、週末冒険会では鉄板という“古くて新しい”道具を焚き火のベースとして活用している。
その実力やいかに?
焚き火のベースとしての「鉄板」は、ほぼフラットな形状なので薪組みの自由度が高く、使い勝手はかなり良好だ。

事実、太い丸太を2本並べて燃やすハンター型の焚き火でも、厚さ2mmの鉄の板はびくともしない。
サイズが60×40cmの鉄板なら、薪を載せるスペースの広さや形状が限られている焚き火台に比べると、ダイナミックで多彩な薪の組み方が可能だ。
しかも、値段が安いという点も見逃せない。
〈鉄板を活用した焚き火の注意点〉
地面に熱が直に伝わってしまうため、四隅に石を敷くなどして地面から離して使うこと。
焚き火の熱で熱くなった鉄板が下の草などを焦がさないように、石など使って地面から離す。
なるべく平べったい石を選び、ガタつかないようにする。

※本記事は『焚き火の教科書』(扶桑社)からの抜粋です。
〈撮影/山田耕司、山川修一 取材・文/後藤聡(エディターズ・キャンプ)〉
伊澤直人(いさわ・なおと)
週末冒険会 代表、野営家。1972年宮城県生まれ。幼少よりボーイスカウト活動に参加、18歳でスカウト活動における最高賞、「ボーイスカウト日本連盟 富士スカウト賞」を受勲し、皇太子殿下(当時)に拝謁する。その後、米国式のアウトドア・サバイバルスクールでトレーニングを積み、卒業後は運営側として個人と法人向けの研修を担当。同時期にラフティングガイドとしても活動していた。現在は、長野県八ヶ岳および首都圏を中心に全国各地の海山川で、おもに社会人を対象として年間60泊以上のキャンプツアーを開催。初心者向けキャンプスクールやソロ野営、防災サバイバルスクールも開講している。併せて法人・団体向けにアウトドアイベント、ツアーのコンサルティングやセミナー、コーディネートなども実施中。