• これからの季節は涼しい場所で、ゆったり本や映画の世界に浸ってみては? エッセイスト・柳沢小実さんに、夏にこそおすすめの本と映画8作品を教えていただきました。
    (『天然生活』2022年7月号掲載)

    柳沢小実さんが選ぶ「夏の本と映画」8作品

    ※ 記事中の情報は『天然生活』本誌掲載時のものです

    クローディアの秘密

    画像: E.L.カニグズバーグ著 松永ふみ子訳 岩波書店

    E.L.カニグズバーグ著 松永ふみ子訳 岩波書店

    クローディアと弟は家出をし、メトロポリタン美術館へ。アート作品や人と出会い、心の成長を遂げていく。

    「子どものころからの愛読書。夏といえば冒険。設定だけでもワクワクします」

    楽園のカンヴァス

    画像: 原田マハ著 新潮文庫

    原田マハ著 新潮文庫

    ニューヨーク近代美術館のキュレーターである主人公が、巨匠ルソーの名作の謎に迫るミステリー。

    「過去と現在を行き来する構成力がすごい。心が駆け出したくなる、疾走感があります」

    夏への扉

    画像: ロバート・A・ハインライン著 福島正実訳 ハヤカワ文庫SF

    ロバート・A・ハインライン著 福島正実訳 ハヤカワ文庫SF

    1970年を舞台に、主人公が2000年の世界にタイムトラベルするSFの傑作。

    「20代前半に読んでからずっと好きな作品。SFはショートトリップ感があり、夏の課題図書にもおすすめです」

    海の天辺

    画像: くらもちふさこ著 集英社 ©くらもちふさこ/集英社

    くらもちふさこ著 集英社

    ©くらもちふさこ/集英社

    中学生の少女と担任教師の、淡い恋愛を描いた漫画作品。

    「伏線の張り方と回収の仕方が秀逸。人魚姫がモチーフだったり、水族館のシーンもあったり、青春のきらめく感じを味わえます」

    タレンタイム〜優しい歌

    画像: 2009年 マレーシア 監督:ヤスミン・アフマド 発売元:ムヴィオラ/販売元:オデッサ・エンタテインメント

    2009年 マレーシア 監督:ヤスミン・アフマド 発売元:ムヴィオラ/販売元:オデッサ・エンタテインメント

    マレーシアの高校で開催される芸能コンテスト、タレンタイムまでの学生の日々を描く。

    「それぞれの家族にフォーカスしていて、家のシーンも見どころ。ごはんもおいしそうなんです」

    すれ違いのダイアリーズ

    画像: 2014年 タイ 監督:ニティワット・タラトーン 絶版 ©2014 GMM Tai Hub Co., Ltd.

    2014年 タイ 監督:ニティワット・タラトーン 絶版

    ©2014 GMM Tai Hub Co., Ltd.

    山奥の湖に浮かぶ水上小学校の先生が、前任の教師の日記を通して成長する、ふたつの実話から生まれた物語。

    「タイの僻地にある美しい風景を、旅を味わう気分で観たい作品です」

    ブータン 山の教室

    画像: 2019年 ブータン 監督:パオ・チョニン・ドルジ 発売元:ドマ/販売元:ハピネット・メディアマーケティング ©2019 ALL RIGHTS RESERVED

    2019年 ブータン 監督:パオ・チョニン・ドルジ 発売元:ドマ/販売元:ハピネット・メディアマーケティング

    ©2019 ALL RIGHTS RESERVED

    標高4,800mの僻地にある学校に赴任した教師と、子どもたちの交流を描く。

    「子どもたちのキラキラした眼が心に残ります。村の人が使うかごや身に着けるマントも気になります」

    クレイジー・リッチ!

    画像: 2018年 監督:ジョン・M・チュウ アメリカ ワーナー・ブラザース ホームエンターテイメント ©2018 WARNER BROS. ENTERTAINMENT INC. AND KIMMEL DISTRIBUTION LLC. ALL RIGHTS RESERVED.

    2018年 監督:ジョン・M・チュウ アメリカ ワーナー・ブラザース ホームエンターテイメント

    ©2018 WARNER BROS. ENTERTAINMENT INC. AND KIMMEL DISTRIBUTION LLC. ALL RIGHTS RESERVED.

    シンガポールを舞台に、主人公が不動産王の御曹司の恋人と裕福な一族との間で翻弄されるラブストーリー。

    「すべてが桁違いで素敵。同じアジア系でも、文化が違うことが興味深いです」

    旅を味わうアジア映画と冒険の本

    夏というキーワードから、冒険を連想したという柳沢小実さん。

    「ミステリーは、ハラハラ・ドキドキを一冊で味わえる極上のエンタメ。冒険的な要素があって未来への希望が描かれているSFも、夏の夜に夜更かしをして読むのにぴったり。夏は年齢や場所などが、現実とかけ離れている作品を観て楽しみたいなと思います」

    湿度が高く、一年中気候が夏のようなアジアが舞台の作品は、夏に観るとより体感できるという柳沢さん。でもアジアの映画を観るようになったのは、旅に行けなくなったここ2年のことだそう。

    「本は読んでいましたが、映画は現地に行けばいいと思っていました。でも旅では見ることのできない、家のしつらえや料理など、普通の人の暮らしが繊細に描かれているのが映像作品のよさ。考え方、家族や友人との関係性などを知ることで視野も世界も広がり、今度旅に行ったら、以前よりももっと楽しめる気がします」

    夏の本と映画のお供

    サン・フルーツのグレープフルーツゼリー

    画像: フレッシュゼリー(グレープフルーツ)/サン・フルーツ 東京ミッドタウン店 ※産地は季節で異なる

    フレッシュゼリー(グレープフルーツ)/サン・フルーツ 東京ミッドタウン店 ※産地は季節で異なる

    子どものころからずっと好きな思い出のデザート。

    「夏は冷たくプルプルしたもの。アジア映画にもよく合います」



    〈撮影/林 紘輝 取材・文/赤木真弓〉

    画像: 旅を味わうアジア映画と冒険の本

    柳沢小実(やなぎさわ・このみ)
    エッセイスト、整理収納アドバイザー。東京都生まれ。衣・食・住に造詣が深く、暮らしや台湾にまつわる著書は30冊以上。確かなもの選びの眼に定評があり、フェリシモで商品開発なども手がける。著書に『すっきり暮らすためのもの選びのコツ』『「自分ログ」で毎日が変わる 手帳のある暮らし』(ともに大和書房)など。

    ※記事中の情報は『天然生活』本誌掲載時のものです



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