• 薬膳料理研究家で「こぶな農園」を運営する小鮒ちふみさんに、暑さ対策に取り入れている5つの健康法を聞きました。夏の温活と旬の野菜を軸とした食養生で、不調知らずの体に。
    (『天然生活』2024年8月号掲載)

    夏の健康法 01
    足湯で汗をかき、体の芯を温める

    エアコンやデスクワークで、足元は冷たいけれど、頭はかっかと熱い。

    そんな冷えのぼせが起きやすい夏は、足湯で足元から温めるといいそう。

    「足湯は湯船につかるのと違ってのぼせないですし、体が芯から温まります。全身のめぐりがよくなり代謝が上がるので、疲れて足がむくんでいる夕方に行うとすっきり。睡眠の質も上がります」

    画像: 気持ちいいと感じる温度のお湯に、じわっと汗がにじむまで10〜20分ほど足を浸す。お湯が冷めたら差し湯をし、ハーブや塩を入れるとなおよい

    気持ちいいと感じる温度のお湯に、じわっと汗がにじむまで10〜20分ほど足を浸す。お湯が冷めたら差し湯をし、ハーブや塩を入れるとなおよい

    画像: お湯には発散作用のあるミントや解毒効果の高いドクダミなどを入れて

    お湯には発散作用のあるミントや解毒効果の高いドクダミなどを入れて

    画像: 足首の三陰交までつかれる「尾上製作所」のバケツが足湯におすすめ

    足首の三陰交までつかれる「尾上製作所」のバケツが足湯におすすめ

    夏の健康法 02
    夕方に、汗をかく運動をする

    夏は暑くて運動不足になりがちですが、体を動かすことは健康の基本。

    とはいえわざわざジムへ行かなくても、軽い運動で汗をかければ十分と小鮒さん。

    「私は日が落ちた頃に、夕飯に使う食材を取りに畑へ行き、ついでに散歩しています。手軽にできる有酸素運動で、足の筋肉を使うことで全身の血行が促進されます」

    画像: 年間70種以上の野菜を育てている3000坪の畑は、自宅から徒歩5分。野菜の様子を見ながら、必要に応じて摘果したり、雑草を抜いたりしているうちに、汗びっしょりに

    年間70種以上の野菜を育てている3000坪の畑は、自宅から徒歩5分。野菜の様子を見ながら、必要に応じて摘果したり、雑草を抜いたりしているうちに、汗びっしょりに

    画像: 散歩がてら、晩ごはんのおかずにするズッキーニを間引き、グリルに

    散歩がてら、晩ごはんのおかずにするズッキーニを間引き、グリルに

    夏の健康法 03
    15分昼寝をする

    食べたあとすぐに動くと、血液が胃に集中できず消化不良に。そこで食休みをして、消化力を高めます。

    「食後は15分程度、休みます。ベッドでは本格的に寝入ってしまいますし、胃がんで胃を切除したせいもあり、体を横にすると胃酸が逆流してしまうので、座りスタイルです」

    寝苦しい夏の昼寝は、睡眠不足の解消にも効果的。

    画像: 縁側で食休みをする小鮒さん。愛猫のモモも一緒にお昼寝。猫の温かさと柔らかさに、心身がゆるむ

    縁側で食休みをする小鮒さん。愛猫のモモも一緒にお昼寝。猫の温かさと柔らかさに、心身がゆるむ

    夏の健康法 04
    旬野菜で水分を取る

    夏の水分補給は、白湯や薬草などを使った養生茶、そして夏野菜が一番のおすすめと小鮒さん。

    「野菜が畑の土から吸い上げた水は、どんなに高価なミネラルウォーターよりも、体に必要なミネラルを含んでいます。体の余分な熱を冷ましてくれる働きもあるので、冷たいものを飲むよりも、旬の野菜を摂るようにしてくださいね」

    画像: 水分の多い夏野菜

    水分の多い夏野菜

    画像: 「天然の白虎湯(びゃっことう)」と呼ばれるすいかの白い部分はほてりを鎮める

    「天然の白虎湯(びゃっことう)」と呼ばれるすいかの白い部分はほてりを鎮める

    画像: はちみつを加えたココナッツミルクをすいかにかけ、体の熱を穏やかに冷ます

    はちみつを加えたココナッツミルクをすいかにかけ、体の熱を穏やかに冷ます

    夏の健康法 05
    夏風邪予防の飲みもの

    冷えは蓄積すると慢性化して病の元になるので、その日の冷えはその日のうちに解消したほうがいいのだとか。

    「息子の学校の保護者会などで、エアコンの効いた教室で長時間過ごしたときなどに、よく飲むのがしょうが黒糖茶です。ぞくぞくして風邪を引きそうだなと感じたときや冷たいものでおなかが冷えたときにも」

    画像: しょうが黒糖茶の材料は、体を温めるしょうがと大葉、血をきれいにし、貧血予防にもよい黒糖

    しょうが黒糖茶の材料は、体を温めるしょうがと大葉、血をきれいにし、貧血予防にもよい黒糖

    画像: しょうがをすりおろし、大葉はきざむ。黒糖を加えて湯を注ぐ。具は食べなくてもよく、しょうがの辛味と大葉のさわやかな風味、黒糖のコクのある甘味がおいしい

    しょうがをすりおろし、大葉はきざむ。黒糖を加えて湯を注ぐ。具は食べなくてもよく、しょうがの辛味と大葉のさわやかな風味、黒糖のコクのある甘味がおいしい



    〈撮影/星 亘 取材・文/長谷川未緒〉

    小鮒ちふみ(こぶな・ちふみ)
    薬膳料理研究家。国際中医薬膳師。「台所養生共室」主宰。20代で進行性の胃がんを患い、心のあり方や食生活が体に影響を及ぼすことに気づく。養生法を学び、東日本大震災を機に農業の道へ。栃木・那珂川町の古民家で暮らし、夫と「こぶな農園」を運営し台所担当として農食一体を軸に養生法を伝えている。http://kobuna-farm.com

    ※記事中の情報は『天然生活』本誌掲載時のものです



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