• 高温多湿の日本の夏。カビや虫、嫌なにおい……家のじめじめの悩みは尽きません。衣作家 ・真砂三千代さんに、使う素材や家具を見直してさわやかに過ごす「夏の家のじめじめ対策」の知恵を伺いました。
    (『天然生活』2024年8月号掲載)

    革ものは手放し、スタイルから見直し。無理せずできる方法を

    「若いときからインドやバリ島など高温多湿のアジアが好きなので、日本の夏の蒸し暑さも、苦ではないんですよ」と語るのは、衣ブランド「Afa」主宰の真砂三千代さんです。

    真砂さんが40年ほど暮らしているのは、神奈川県葉山町。近代建築の巨匠と呼ばれるアメリカの建築家、フランク・ロイド・ライトの弟子だった遠藤新が手がけた家がアトリエ兼自宅です。

    「葉山は自然とアートと暮らしが一体化していて、海が近くて開放的。出産後、3カ月ほど家族3人で過ごしたバリ島の雰囲気に似ているところが気に入りました」

    画像: 真砂さんが仕事場の次に長く過ごすダイニング。リフォームして風が抜けるようになり、涼しくなった。夫が海外で購入したラタンの椅子は30年以上愛用

    真砂さんが仕事場の次に長く過ごすダイニング。リフォームして風が抜けるようになり、涼しくなった。夫が海外で購入したラタンの椅子は30年以上愛用

    もともと避暑地のセカンドハウスという目的で建てられたこともあり、ここは、冬は寒いけれど夏は涼しい夏向きの家。とはいえ住み始めたころは、湿度のせいでずいぶん失敗したのだとか。

    「革製のバッグや靴は、1年もしまっておいたらカビだらけになってしまって。いまでは、バッグなら布ものやかご靴もスニーカーやサンダルをよく使うようになりました。もともと革製品を合わせるようなスタイルより、Afaのリラックス感のある服にはその方が合うと思っていたから」

    家具やインテリア小物も、リゾート地にあるようなバンブーラタンを愛用。和と洋がミックスされた、独特のムードがある家ともぴったりです。

    除湿には、自然素材や家電の機能も上手に活用

    家は5年ほど前にリフォームし、キッチン・ダイニングの窓を大きくとりました。庭からの涼しい風が抜けていきますが、湿度は相変わらず。

    そこで、リフォーム時に床下に敷いたという調湿機能に優れたを服や靴の湿気取りに積極的に使っています。

    木製品はしっかり乾かす、こまめに掃除するなど、生活の工夫も。

    また、自然に近い暮らしは虫にも悩まされがちなので、なるべく天然素材のもので防虫。エアコンの除湿機能や除湿器も上手に活用しています。

    「ここでの暮らしも長くなり、湿度に困ることはなくなりました。夏は海の家に行ったり、自家菜園でできる野菜をいただいたりと楽しみがたくさん。ここ数年の暑さには参るけれど、やりたい仕事をして、元気に過ごしたいですね」

    画像: カビ対策としても革の鞄を持つことは減り、もっぱら布やかご。なかでも菅岡久美子さんの帆布バッグ(手前3点)がお気に入り

    カビ対策としても革の鞄を持つことは減り、もっぱら布やかご。なかでも菅岡久美子さんの帆布バッグ(手前3点)がお気に入り



    〈撮影/小禄慎一郎 取材・文/長谷川未緒〉

    真砂三千代(まさご・みちよ)
    インドへの旅をきっかけに、アジアの衣の原点を視つめ、日本古来の結ぶ・重ねる・ひねるなどの伝統的な着付けによる衣や、現代の東洋服を提案するようになる。1986年アジアやアフリカの布を使った衣ブランド「Afa(古代日本語で太陽を意味する)」を設立。1999年にオーガニック・コットンのブランド「Life afa」を設立。

    ※ 記事中の情報は『天然生活』本誌掲載時のものです



    This article is a sponsored article by
    ''.