(『天然生活』2024年3月号掲載)
日常から深くゆるく、距離をおく
今回、元気になれる本を紹介してくれるのは、読書家の津守恵子さんです。

profile
津守恵子
編集者。2018年、古本屋「平井の本棚」を開業。
東京の東の端、JR総武線平井駅前にある古本屋「平井の本棚」。
並んでいるのは、詩集・文芸・アートから古い漫画まで、多種多様な、しかも、どれもがひとひねりあるものばかり。
今回、オーナーの津守恵子さんがセレクトした本も、やはり一筋縄ではいかないラインナップです。
「読書は“自分のなかに井戸を掘る”ような内省的な作業。あるいは、散歩がてらぶらぶらと書店へ行き、目的をもたず本棚の前で佇み、新たな一冊に出合う……。そんな読書の、または読書に至る一連の行動が、気持ちの回復の回路になる気がします」
今回選んだ本のいくつかは、ひとり旅、湯治、土いじりなどをテーマにしたもの。

『49歳、秘湯ひとり旅』(松本英子著 朝日新聞出版)
「これらの行動も、読書にどこか似ているところがあるように思います。日常からゆるやかに離れ、ひとりになって考える時間をもつ。それが、私にとっての充電行動になっているようです」
▼本を愛するあの人の“元気になれる本”はこちら
◆「本」を愛する方々による、読書の楽しみや喜びを改めて教えてくれる1冊◆
作家・角田光代さん、絵本作家・角野栄子さん、女優・中嶋朋子、作家・北杜夫さんなど、本を愛する方々の本棚を紹介。随筆家の山本ふみこさん、ミュージシャンの坂本美雨さんなど、様々な分野で活躍する方々の愛読書も掲載しています。書店のブックカバーや本の仕立て直し屋さん、ブックディレクターの幅允孝さんによる読書すごろくなど、いつもと違った角度から本を楽しめる1冊です。
〈イラスト/はまだなぎさ 取材・文/福山雅美〉
津守恵子(つもり・けいこ)
編集者。2018年に「平井の本棚」を開業する。現在は、活動の軸を、マンション内の地域交流室など、人が集まるさまざまな場所に「本棚」を作る選書ユニット「ブリコル」にシフト中。
https://hirai-shelf.tokyo/
※記事中の情報は『天然生活』本誌掲載時のものです