• 「ものをつくるって、楽しいよね」と話すのは、80歳のデザイナー・斉藤照子さん。テーラー勤めの経験を生かし、結婚後も注文にこたえる洋服をつくってきましたが、いまは自分が思い描く自由な服づくりに没頭中。その発想のヒントを聞きました。
    (『天然生活』2024年9月号掲載)

    憧れの「デニム」でつくる、唯一無二の服たち

    斉藤照子さんのつくるデニム素材の洋服は唯一無二、とにかく、かっこいいのです。

    自分の店を持ちたいという夢を抱きながら、2023年、自身の洋服を販売するネットショップを1年ほどかけて開設。

    ですが、日々つくることに夢中になりすぎるため、その存在もつい忘れがちになってしまう……と。

    「とにかく、何かかんか、手を動かしてつくっているのが好き」という斉藤さんのデニム好きは昔から。

    画像: 異なるデニムを組み合わせてつくったスカートは10年以上前、気の向くまま創作したもの。ふわりとした軽さと動きを出すため、縫製の仕方にも工夫が凝らしてある。コートのデザインは数パターン、いずれも人目をひくシャープなシルエットが印象的

    異なるデニムを組み合わせてつくったスカートは10年以上前、気の向くまま創作したもの。ふわりとした軽さと動きを出すため、縫製の仕方にも工夫が凝らしてある。コートのデザインは数パターン、いずれも人目をひくシャープなシルエットが印象的

    「私たちの若いころは、だれもがジーンズをはいているという時代ではなかったんです。だから憧れみたいなものがあって、それで子どもの服もデニムでつくって着せていました」

    実は斉藤さんがこれまで手掛けてきたデニム服は、30年以上前から自宅にストックしていたジーンズから制作してきたもの。

    ブルージーンズに限らず、白や黒、赤といったカラーも。

    いつか作品を創作しようという考えのもとに少しずつ買い足してきたものだったといいます。

    画像: ランダムに切った生地を型紙に合わせ、1パーツずつつなぎ合わせていく。「処分しようか悩んでいた衣類などを見ていると、ある日ふっとアイデアが浮かんできて、ミシンを踏みたくなってしまうの。だから私の場合、小さなはぎれひとつでも捨てることはないです」

    ランダムに切った生地を型紙に合わせ、1パーツずつつなぎ合わせていく。「処分しようか悩んでいた衣類などを見ていると、ある日ふっとアイデアが浮かんできて、ミシンを踏みたくなってしまうの。だから私の場合、小さなはぎれひとつでも捨てることはないです」



    〈撮影/落合由利子 構成・文/水野恵美子〉

    斉藤照子(さいとう・てるこ)
    ハンドメイドの服づくりに携わってきて半世紀以上。いまは自分のつくりたいものを自由に楽しみながら創作活動中。手にするデニムシャツは約50年前、子どもにつくったもの。編み物好きでもあり、ニット作品も多く手掛ける。SAITOSHOP

    ※記事中の情報は『天然生活』本誌掲載時のものです



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