「今」の自分に似合う色にアップサイクル
デザインや質感は気に入っているけれど、色味に違和感を覚えるようになった服をどうしようか。
誰もがきっと考えたことがある、年齢と服の違和感のお悩み。
そんなとき、桐野さんは「染める」というアイディアが浮かんだそう。

「年齢的にいままで着ていた服が似合わなくなったと感じることがありました。たとえば、ベージュは顔まわりがぼやけて見えていまいちに。逆に、ピンクや黄色などの明るい色の服がしっくりくるようになりました。きれいな色は気分も明るくなりますよね」

濃淡や柄、一期一会の染め具合も楽しんで
「染料はAmazonで購入しています。値段は600円ほどと手ごろです。染めはじめは濃く、染めていくうちに色が落ち着いてくるその変化や、思いがけず柄が出ることもある意外性も楽しいところ。自分で染めると愛着が湧くし、一期一会の染め具合にもわくわくします」

お気に入りの染料は、みやこ染のイエロー、オリーブグリン、パールピンク
明るい色味に染めるだけでなく、同じ色で染めて新品のような色合いにすることもできるそう。
「色あせが目立つ黒や紺の洋服にも、染め直しは便利ですよ」
小物や布巾も好きな色に染めて気分アップ
洋服だけでなく、バッグや小物も染めて楽しんでいる桐野さん。
また、暮らしでおっくうになりがちな家事も「染め」で楽しく解決しています。
「100円ショップで購入した布巾も、オリーブグリーンに染めています。掃除があまり好きではないので、使う道具の色を好みにすることで、少しでも気持ちが上がるように工夫しているんです」


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雑誌『天然生活』2025年9月号では、小さな生活道具店「ecru」桐野恵美さんの掃除しやすい家の工夫を紹介しています。ぜひあわせてお楽しみいただけましたら幸いです。
〈撮影/山川修一 取材・文/飯作紫乃〉
桐野恵美(きりの・えみ)
小さな生活道具店「ecru」主宰。アメリカの大学でインテリアを学んだのち帰国。2019年に「小さな生活道具店 ecru」をオープン。現在は「自分を見つめるretreat」、「暮らしとごはん菜食料理教室」、コラボワークショップを開催。また、空間貸し出しやディレクションも行う。
インスタグラム@ecruhomesupply