猫たちのイタズラ。血がさわぐのは夏のあれ
いつもかわいい猫たち。何をしてもいとおしいけれど……たまに根をあげそうになることはありませんか?
そう。それは、いたずら。
夏になると、暑さ疲れもあるけど、人も猫もどこか開放的な気分に。熱いパワーがみなぎるようです。
夏の朝。窓の外からジジジジッと響くセミの声。うちの猫たちは、セミの声を聞くと血が騒ぐらしいのです。
普段はだるーんと踏まれそうなほど転がっている猫も、このときばかりは豹変!ズダダダダッと、全速力で家中を走り回り、勢い余ってカーテンを駆け上がります。

窓辺でセミに夢中の猫たち
家じゅうがアスレチック状態に
そして若い猫たち。彼らにとっては何もかもが刺激的な「おもちゃ」に早変わり。
片づけるのを忘れていたダンボール箱は大きな爪とぎ。エアコンの上はキャットタワー。帽子立てはジャングルジム。かけてある帽子は高級ねこじゃらし。
家中が「今日のアスレチック会場」なのです。
中でも、2歳のおしゃまな「サチ」。
普段はかわいらしいお嬢様なのに、嬉しくなってテンションが頂点に達すると壁で爪を研ぎます。
「動物病院監修」と銘打った「爪とぎ防止シート」を貼っても、今度はその隣りのわずかな隙間を見つけ出し、そこでカリカリ。私が慌ててシートを貼ると、今度は少し離れた場所で同じことを繰り返す……。
まるで「この家の模様替えはアタシにまかせて!」とでも言いたげなお顔。
在宅仕事で四六時中夫婦が家にいる我が家。部屋の中はできるだけおしゃれに、くつろげる空間に……と思っているのですが、気がつけばインテリアの一部に「猫の生活感」が溶け込んでいます。
もはや、猫と暮らす家の夏の風景は、小さな破壊音による「背筋の凍る納涼会」みたいなものなのかもしれません。

爪も研げる秘密基地

もう大きいのにエアコンに乗る
猫のイタズラの原因は?
それにしても、なぜ猫はいたずらをするのでしょう?
たとえばこんな理由があるそうです。
(1)狩猟本能
動くものや音は「獲物」と認識。生命力の活発な季節は、外の風景も格好の狩りの対象に
(2)退屈の解消
暇な時間があると、家具やカーテンが「遊び場」に昇格!
(3)テリトリー管理
爪とぎは、においと視覚で「ここは自分の場所」と示す行動
(4)刺激への反応
気温や湿度の変化、外からの音が猫のテンションを一気に引き上げる
なるほど……。
これだけいたずら心をくすぐられるなら、やめろというのも不憫なものです。

キャットタワーに夢中!
ストレスをためず、遊びをしっかり。猫のイタズラ対策
そこで、せめてちょっとした対策を。我が家ではこんなふうに、気をそらしてもらっています。
・キャットタワーなど高い遊び場所を設置。駆け上がれー!
・虫の形のものなど、おもちゃのローテーションで飽きさせない工夫を。疲れろー!
・いたずらを予測して、触られたくないものは隠して対応
・朝晩しっかり遊んで、日中に休むというメリハリを
猫との暮らしは、「完璧なインテリア」を諦めるかわりに、毎日がちいさな事件と笑いで彩られます。
いたずらし疲れた猫たちが、セミのコーラスをバックミュージックにすやすやと寝息をたてる……。思わず笑みもこぼれますよね。
暑い夏に熱いハッスル。
これはもう、猫と暮らす家にしかないいとおしい季節の風物詩なのです。

イタズラに疲れて眠る猫たち
◇ ◇◇ ◇◇

咲セリ(さき・せり)
1979年生まれ。大阪在住。家族療法カウンセラー。生きづらさを抱えながら生き、自傷、自殺未遂、依存症、摂食障害、心の病と闘っていたところを、不治の病を抱える猫と出会い、「命は生きているだけで愛おしい」というメッセージを受け取る。以来、NHK福祉番組に出演したり、全国で講演活動をしたり、新聞やNHK福祉サイトでコラムを連載したり、生きづらさと猫のノンフィクションを出版する。主な著書に、『死にたいままで生きています』(ポプラ社)、『それでも人を信じた猫 黒猫みつきの180日」(KADOKAWA)、精神科医・岡田尊司との共著『絆の病──境界性パーソナリティ障害の克服』(ポプラ社)、『「死にたい」の根っこには自己否定感がありました──妻と夫、この世界を生きてゆく』(ミネルヴァ書房、解説・林直樹)、『息を吸うたび、希望を吐くように──猫がつないだ命の物語』(青土社)など多数ある。
ブログ「ちいさなチカラ」