母に影響を受けて、子どものためにリメイクも

「私の母はリメイクが得意で、私自身も親になったらいろいろとつくりたいと思っていました。
待ちに待った子どもだったこともあり、大変といわれることの多い産後でも、時間をみつけてワクワクしながら手づくりしていました」と良原さん。
息子さんのために服やバッグをつくったり、お気に入りだった服を子ども用にリメイクしたり、充実した手づくり時間を過ごしていたそう。
息子さんが成長し、手づくり以外も着るようになって、最近は自分の思い出の品である毛布のリメイクを進めています。

大切な毛布を、大切な布でパッチワーク
「幼いころから使っていた古びた毛布がとうとう破れたので、思い出がつまった、でも使わなくなった布をパッチワークして毛布の再生をしています」

パッチワーク用の布は、例えば、祖母のツーピース、息子さんが絵を描いた布や使っていたランチョンマット、お気に入りだった洋服など。
「この毛布、実は絹100%なんです。そんな良質なものを子どものころから使わせてくれた両親の思いを感じて、大切にリメイクしています」

シンプルなアイテムも、リメイクすると長く大切に使えるものに

「来客用に300円ショップでたくさん購入した」というスリッパ。
せっかくなら「はぎれを縫いつけてみよう!」と縫いはじめたら、そのかわいさに愛着がわき、ますます大切に使うようになったそう。
帽子もすれてしまったところにはぎれを縫いつけてリメイクしています。
「夫とお酒を飲む時間を楽しみながら手仕事をしていたら、こんなにかわいくなりました。
サイズアウトした息子の洋服や、父や夫のシャツなど着られなくなった洋服をカットしてつくっています」

あったか靴下のリメイクは、息子さんのお気に入りのアームウォーマーに
良原さんが使っていた厚手の靴下は、端を編みとめてアームウォーマーにしました。
親指が出せる穴もつくって仕上げたところ、息子さんのお気に入りに。

「今は中学1年生に成長してサイズ的に入らなくなってしまいましたが、これは幼稚園生のときから小学6年生まで使ってくれました」とうれしそうに話してくれた良原さん。
リメイクは、思い出やお気に入りを手放すのではなく、形を変えてまた一緒に過ごしていく方法。
良原さんの家族への想いがそこにはつまっています。
〈撮影/山田耕司 取材・文/飯作紫乃〉
良原リエ(よしはら・りえ)
アコーディオンやトイ楽器の奏者として映画やCMなどの演奏、制作に関わる。庭づくりやハンドメイドなどにも造詣が深く、植物やリメイクの講座、ワークショップも開催している。著書に『食べられる庭図鑑』『もういちど育てる庭図鑑』『たのしい手づくり子そだて』(アノニマ・スタジオ)など。
* * *
天然生活2025年10月号では「夜の手仕事の楽しみ」の記事で良原リエさんを取材しました。
1日の終わりに手を動かし、自分らしさを保つ。
ハーブのチンキや保存食づくりなど、滝口さんの心豊かな夜時間をご紹介しています。
ぜひあわせてお楽しみいただけましたら幸いです。
※ 記事中の情報は『天然生活』本誌掲載時のものです