日の入りが早くなって、夜時間が楽しみに。モデルの前田エマさんに、夜時間に欠かせないものを教わりました。読書や音楽など、自分の「好き」を深めるために欠かせない7つの道具を紹介いただきます。
(『天然生活』2024年10月号掲載)
読書に音楽。自分の“好き”をさらに深める欠かせない道具
天井までぎっしりと収納されている本棚のかたわらで、ひとりがけのソファに座り、ギターを抱える前田エマさん。弦に指をおいてなめらかに滑らせると、やわらかく温かな音色が部屋を満たしていきます。
「ギターは中学生のときに初めて買ってもらい、それから独学で弾いています。これはいただきものの一本で、小ぶりなところが気に入っていて。毎日ではないですが、少し早く帰れた日の夜などに弾くことが多いですね」

音楽のほかには読書も夜に欠かせないものです。本好きで、さまざまなジャンルの本を読んでいる前田さんですが、夜に読むのはエッセイや漫画などが多いのだとか。
「ふだんは小説も読みますが、一話一話が比較的短いエッセイは寝る前の時間にちょうどいいんです。なかでも、何度も繰り返し読んだものを。自分の好きな言葉や表現に、ゆったりと浸りたいときに選びます」
基本的にはどこでも寝られるし、夜のルーティンなんていう大げさなものもなくて、と笑う前田さん。
「でも、最近はどんなに暑くても湯船につかること、温かい飲み物をとることを意識しています。心と体がじんわりとゆるんで、リラックスして眠りにつけるような気がします」
前田エマさんの夜の相棒7つ
夜の相棒1
Mini Ⅱ EB-CE/コルドバ
「ひとまわり小さくて、インテリアのじゃまになりません。表面と側面がバイカラーなところもかわいいんです」
曲はフォークやJ- POPなど。何も考えず、弾くことに没頭できる時間がよいのだとか。

全長87.3cm/ヤマハミュージックジャパン
夜の相棒2
MURMURE DE LA FORET 森のささやき/東京香堂

リフィル 50本入り 長さ7cm/東京香堂
実はいままで香りのものが苦手だったという前田さんが、これならばと選んだお香。
「アトリエにおじゃまする機会があり、調香を見せてもらいました。穏やかな香りと短い長さが寝る前にちょうどいいんです」

夜の相棒3
自家製ハーブティー

ペパーミント、アップルミント
フレッシュなハーブティーを家でも飲みたくて、ベランダでペパーミントとアップルミントを育てている。
「オランダを旅行した際、はちみつを入れて飲むのにはまり、すっかりマイブームになっています」

夜の相棒4
リトリート ハンド マッサージ セラム/OSAJI

30mL/OSAJI
自然な香りと重すぎないテクスチャーが気に入っているハンド美容液。
「手がすごく乾燥するのですが、この美容液を塗ってからハンドクリームを塗ると、驚くほどしっとりします。寝る直前の習慣です」

夜の相棒5
ハーバルバスソルト/マークスアンドウェブ

ヒノキ、マンダリン、アオモジ 各240g/マークスアンドウェブ
「価格帯と質のバランスがいいのが気に入っています。温かいお湯の熱で、塩が少しずつ溶けていく様子を見るのも好き。贅沢な時間に満たされます」
3種をストックして、その日の気分で使い分けている。

夜の相棒6
『ウー・ウェンの家庭料理 8つの基本』 ウー・ウェン
『cook』 坂口恭平

右)ウー・ウェンの家庭料理 8つの基本(品切れ、電子版あり)/文藝春秋 左)cook/晶文社
ひかれるのは、食材も調味料もシンプルな料理本。背伸びしない料理を見ると、料理してみようという気分になるのだとか。
「『cook』は坂口さんの日記を読んでいるような気分になり、坂口さんが少しずつ成長していく様子に共感がもてます。ウー・ウェンさんのレシピは、とにかく簡単なところが魅力です」
夜の相棒7
『新装版 夜中の薔薇』向田邦子

講談社
大学生のとき、留学中に友人が送ってくれた本。
「こんなふうに日々を書き留めることができるのかと感動し、自分でもエッセイを書くようになりました。この本は、私にとって大事な原点になった一冊です」

〈撮影/田尾沙織 取材・文/結城 歩〉
前田エマ(まえだ・えま)
東京造形大学在学中にオーストリア ウィーン芸術アカデミーへ留学。モデル、エッセイ、写真、ペインティングなど幅広く活動。著書に『動物になる日』(ミシマ社)、『アニョハセヨ韓国』(三栄書房)、『過去の学生』(ミシマ社)がある。
インスタグラム:@emma_maeda
※ 記事中の情報は『天然生活』本誌掲載時のものです