きっかけは、SNSで見た小さな命の投稿
ある日、友人の実家の庭に住みついた猫が、子猫を産んだとSNSで知りました。
「うちにも一匹、迎えられるかも」
そんな気持ちで「1匹だけ」と手を挙げたのですが、結局わたしのもとにやってきたのは、子猫2匹とお母さん猫の1匹、合計3匹一家まとめて。
もらい手が見つからなかったようで、みんな一緒にお迎えすることにしたのです。
外で暮らしていた猫ちゃんだったので、最初に保護できたのは男の子のノワでした。

来たばかりのノワ。あごのホクロがチャームポイント

子猫のうちに来たせいか、私のことを本気で「お母さん」だと思っているようです。
とにかく甘えん坊で、どこへ行くにもついてくる。
テレビを見ていると、画面の前に立って「寝よう」と訴えかけてきます。
お風呂にも入ってくるし、わたしが何をしていても、そばを離れようとしません。
2ヶ月遅れてやって来た、実の母と兄弟猫
その2ヶ月後、やっとお迎えできたのが、ノワの実のお母さんであるハウ(ハチワレ)、そして兄弟のウタ(クロ)。

左がハチワレのハウ、右がクロネコのウタ
でも驚いたことに、2匹とも実の親子であることをすっかり忘れてしまっていたようで......。
ノワはハウに甘えることもなく、ハウも子どもに対して関心を見せません。
おっぱいも吸いませんし、距離は常に一定。

親子の再会を喜んでくれるかと思ったのですが、それは叶いませんでした。
ちなみに、名前は「ハウ」ですが、私はずっと「お母さん」と呼んでいます。ややこしいので、実母のことは「お母ちゃん」と(笑)。
猫にどんどん嫌われていく......片思いの、はじまり
外猫だったウタとハウにとって、人間との暮らしはそう簡単ではなかったようです。
母には心を開いても、私と夫にはまったく。

ウタがノワに猫パンチ!
なかなか病院にも連れて行けず、ウタの去勢手術のときには、トイレで用を足している隙を狙って「いまだ!」とトイレごと抱えて、病院へ駆け込みました。
一方のハウは尿管結石で治療中。のんびり屋なので捕まえやすいのですが、皮下注射を打つのは私の役目。
つまり彼らにとって、私は「病院に連れて行く人」で「注射をする人」
どんどん嫌われていきます。
どれほどかというと……。
会社から帰る音を聞き分けて、「あいつが帰ってきた!」と言わんばかりに急いで逃げて姿を消す。

警戒しながら体勢を低くして逃げるハウ
リビングで目が合えば「しまった」という顔で後ずさり。
廊下ですれ違えば、柱にぶつかりながらもシュバッと駆け抜けていく。
特にウタは、一緒に暮らしているのに、一日中その姿を見せてくれないこともあります。

ウタの写真は私には撮れないので、母が撮りました
あぁ、片思い。
それでもいいんです。
「嫌われていても、かわいくて大好きだから、ずっと一緒にいます」
甘えん坊のノワと、ウタとハウの気配と一緒に暮らす日々。
猫たちの“気まま”に合わせて、静かに見守り続けています。
猫との関係に“正解”はないけれど

「猫に声をかけすぎない」
「撫でようとしない」
「無理をしない」
そんな距離感を大切にしています。
こちらから声をかけなければ、何も起こらない。
たとえ片思いでも、ただそばにいてくれるだけでいいんです。
それが、私と猫とのしあわせ時間です。
リコさん家の猫プロフィール
■ 3匹の名前と年齢
ハウ(ニックネームはお母さん)/推定4歳半・女の子
人間嫌い。でも動きがゆっくりだから病院には行ける。ひとり遊びが好きで、毛糸とたわむれるのが趣味。現在、尿管結石の治療中。ごはんは、病院食のカリカリ。
ウタ/3歳・男の子
とにかく人間が苦手。1日姿を見せないことも。ほかの猫とくらべて背骨が1本足りないことが判明するも元気! なかなか会えないので、病院に連れていくのも一苦労。
ノワ/3歳・男の子
リコさんを母と思っているのか、べったり。お風呂もテレビも一緒。小さな箱とぬいぐるみが好き。氷を投げて遊ぶのもお気に入り。ノワは早食いで吐きやすいため、ゆっくり食べるように“食べにくいお皿”を愛用。
■ 好きなおやつ
基本あげない派です。
飼い主・リコさんのインスタグラム:@riko_kawana
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