• 疲れた心をやさしくいやす、手づくりお菓子の店「甘堂ふわ作」さんに、秋の定番おやつ「かぼちゃプリン」の失敗しないコツと基本のレシピを教えていただきました。

    口あたりのよさの秘密は、しっかりと裏ごしすること

    画像: 口あたりのよさの秘密は、しっかりと裏ごしすること

    秋の味覚、かぼちゃのおいしさがぎゅっとつまったプリンは、みんなが喜ぶ定番おやつ。

    「口あたりがざらざらしていたり、甘すぎたり、なぜか、イメージどおりの味が出ない……」

    そんな悩みの解決策には、ちょっとしたコツや原因があるようです。

    答えてくれたのは、「甘堂ふわ作」パティシエの照井昌子さん。

    「ざらつきの一番の原因は、かぼちゃの処理。皮部分の切り落としや裏ごし作業がしっかりとできていないと、口あたりに影響してしまうんです。繊維が除ききれていなかったり、浅く剥いて皮の緑の部分が入ったりしてしまうのは避けましょう」

    自分好みをつくる楽しみ

    画像1: 自分好みをつくる楽しみ

    理想の味に近づけるには、かぼちゃの種類はもちろんのこと、カラメルを煮詰める時間や、砂糖の種類、焼き時間などでも、味に変化を加えることができるそう。

    「少し苦みのあるアクセントを入れたいときは、カラメルソースを煮詰める時間をちょっとだけ、プラスしてみる。味にコクを出したいときには、甘味にきび砂糖を使ってみる。こちらもお好みですが、のちほどご紹介するレシピでは、オーブンから出したときに、ほんのちょっとだけゆれる固さで焼き上げ、そのあと、冷蔵庫で冷やして固めていきます。もっと固めが理想なら、焼き時間を少しだけプラスしても食感は変わってくると思います」

    画像2: 自分好みをつくる楽しみ

    今回、照井さんが教えてくれたレシピは、お子さんにも楽しめる苦すぎないカラメルと、コクのある甘さがクセになる、親しみやすい基本のかぼちゃプリンです。

    ぜひ、お試しください。

    ふわ作流
    基本の「かぼちゃプリン」のつくり方

    画像: ふわ作流 基本の「かぼちゃプリン」のつくり方

    材料(直径12cmの丸型1個分)

    〈カラメルソース〉
    ・グラニュー糖60g
    ・水20mL
    ・水(後入れ用)20mL
    〈かぼちゃペースト〉
    ・かぼちゃ160g(約1/8個)
    ※裏ごし後の目安は120g
    〈プリン液〉
    ・卵(溶いた状態)77g
    ・きび糖27g
    ・牛乳84mL
    ・生クリーム84mL

    下準備

    ・かぼちゃは種、ワタ、皮を取り除く。

    ・ステンレスの型にバターを塗っておく。

    ・オーブンを160度に予熱する。

    ・湯せん焼き用の湯(80度程度)を沸かしておく。

    つくり方

     カラメルソースをつくる。小鍋にグラニュー糖と水20mLを入れて軽くなじませ、強火にかけて煮詰める。

     ちょうどいい色合いになったら、に後入れの水20mLを入れて色止めする(苦いのが苦手な方は薄茶色、苦いのが好みの方は濃い茶色を目安に)。
    ※飛び散りやすいので火傷に注意しましょう。

     バターを塗った型にを流し込む。

     かぼちゃペーストをつくる。かぼちゃは一口大に切り、耐熱ボウルに入れてラップをする。600Wの電子レンジで、3~5分を目安にやわらかくなるまで加熱する。

    画像: 竹串がすっと通るやわらかさになればOK

    竹串がすっと通るやわらかさになればOK

     別のボウルに裏返した網をセットし、をのせて木べらなどでつぶしながら漉す。

    画像: なめらかになるようしっかりと裏ごしして

    なめらかになるようしっかりと裏ごしして

     プリン液をつくる。ボウルに卵、きび砂糖、を入れて、泡立て器でよく混ぜる。

     小鍋で牛乳、生クリームを入れて、60℃くらいまで温める。

     に注ぎ入れ、よく混ぜる。

     を網で漉し、の型に流し入れる。
    ※型に流す前に30分ほど放置すると、アクが抜けます。

    10 耐熱性のバットにを置き、プリン液と同じくらいの高さまで湯せん焼き用の湯をそそぐ。アルミホイルをかぶせて、160度のオーブンで30分ほど湯せん焼きする。
    ※オーブンによって変わるので、様子を見ながら時間を調節してください。

    画像: 同じ高さまで水を張ると焼きムラがない

    同じ高さまで水を張ると焼きムラがない

    11 焼き上がったら冷蔵庫で2~3時間ほど冷やして完成。

    画像: 全体的に少し揺れるくらいが焼き上がりの合図

    全体的に少し揺れるくらいが焼き上がりの合図

    きれいに型から外すポイント

    冷蔵庫で固めたプリンを、すっときれいに型から外すためのコツを紹介します。

    STEP1
    カラメルがゆるまるように、型の底を湯せんで10秒ほど温める。スプーンを使ってプリンの周囲を型から少しはがし、崩れない程度に型ごとくるくると回したり、横にやさしく振ったりして、型から外す準備をする。

    画像: スプーンでプリンのふちを軽く押しながら少しずつはがす

    スプーンでプリンのふちを軽く押しながら少しずつはがす

    画像: 型をななめに持ってゆっくり回すと、徐々にはがれてくる

    型をななめに持ってゆっくり回すと、徐々にはがれてくる

    STEP2
    型よりもひと回り大きなサイズの平皿をかぶせて、型と皿が離れないように気をつけながらひっくり返す。型を持ち上げて皿に出す。

    画像1: きれいに型から外すポイント
    画像2: きれいに型から外すポイント
    画像3: きれいに型から外すポイント

    〈料理/甘堂ふわ作 スタイリング/池 亜希子 撮影/星 亘〉

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    甘堂ふわ作(かんどうふわさく)

    画像4: きれいに型から外すポイント

    東京・三鷹台にある小さなお菓子屋さん。オーナーは照井由利子さん、パティシエは照井昌子さんの、姉妹が営むお店。昌子さんは製菓学校で学んだあと、洋菓子店やカフェの仕事を経て、独立。マルシェやイベントなどでお菓子を販売するようになり、2019年にお姉さんの由利子さんとともに「甘堂ふわ作(かんどうふわさく)」を開店。スコーンやマフィンにプリン、そして、季節のケーキなど、素朴でやさしい味わいのお菓子にじわじわとファンが増え続け、いまではたくさんの常連さんが通う地元の人気店に。
    インスタグラム@kfuwasaku

    ●住所:東京都三鷹市井の頭2丁目7-1
    ●OPEN :水・木・土・日曜/12:30~20:00(お菓子がなくなり次第、終了)



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