独特のコクがあり、うま味たっぷりな「しじみ」
貝を使ったパスタといえば、まず最初に「あさり」を使ったボンゴレを思いうかべるのではないでしょうか。しかし今回はあえて「しじみ」を使ってみます。
あさりに比べてしじみは独特のコクがあります。また、含まれる栄養素から肝機能を高めるともいわれ、お酒をたしなむ人には頼りになる食材だと思います。
砂抜き後のひと手間で、さらにおいしさがアップ!

店頭で売られているものは、すでに砂抜きされているものも多く見られますが、ご自宅で砂抜きする場合は、塩分3%を目安にした塩水に3~4時間ほど常温で漬けてください。(※3%の塩水とは、1Lの水に3gの塩をまぜたものです)
気を付けるポイントは、しじみがどっぷりと水に浸からないように半身浴程度にすること。様子を見て水分量を調節してください。
砂抜き後は、ざるにあげたまま3時間ほど常温で置くと、うま味が増えるといわれています。これは、しじみが体内でエネルギーをつくり出す課程でうま味成分も多く生み出すからです。
この時点で使いきれない場合は冷凍にしておくこともできます。
しじみの使い道はほとんど味噌汁一択かもしれませんが、たまにはあさりの代わりにパスタに使ってみるのも面白いと思います。そんなとき、冷凍庫にすぐ使えるしじみがあると便利ですね。
味噌が隠し味! しじみを味わう和風パスタ

ペペロンチーノは最もシンプルな味付けのパスタで知られています。唐辛子・にんにく・オリーブオイルなどで調理しますが、今回はしじみと相性の良い味噌を隠し味に使ってみました。
味噌の塩分によっては、これだけで調味料は十分。塩は様子を見て使ってください。
味噌はゆで汁に溶いて混ぜると、塊にならずなじみやすいでしょう。また、パサつかないようにオリーブオイルはたっぷりと使ってください。
しじみのうま味と長ねぎの甘さで、おいしいパスタの完成です。
「しじみのペペロンチーノ」のつくり方

材料(2人分)
● 乾燥パスタ | 160g |
● しじみ | 160g(砂抜きをしておく) |
● 長ネギ | 10cm分(みじん切り) |
● 鷹の爪 | 1本(種を取り除く) |
● にんにく | 1かけ |
● 味噌 | 小さじ2 |
● パスタのゆで汁 | 大さじ1.5 |
● オリーブオイル | 大さじ2 |
● 白ワイン | 大さじ2 |

つくり方
1 フライパンにオリーブオイル、つぶしたにんにく、鷹の爪を入れて中火で加熱する。

2 にんにくが色づいてきたら唐辛子を取り出し、少し火を弱めてからしじみ、長ねぎ、白ワインを加え、しじみが開くまで炒める。

3 パスタのゆで汁を分量取っておき味噌を溶かし、ゆで上がったパスタをフライパンに入れる。

4 溶いた味噌を加えて全体を絡めて器に盛る。

〈ポイント〉
*味噌の味が薄い場合は、最後に様子を見て塩を加える。
*パスタがパサつく場合は、最後にオリーブオイル追加する。
本多理恵子(ほんだ・りえこ)
料理応援家。1冊目の著書『料理が苦痛だ』(自由国民社)で2018年料理本大賞エッセイ部門を受賞。鎌倉のアトリエで「見るだけ料理教室」を主宰し、全国から累計13000人以上が参加する人気料理教室に(現在は場所が移転)。「ときには料理をやめていい」「面倒なことはしない」と、料理をメンタル面からサポートする考え方が人気を集め、各種メディアにも多く出演。著書に『ようこそ「料理が苦痛」な人の料理教室へ 』(KADOKAWA)、『おもてなしが疲れる: いつもの料理で人を招く』(平凡社)、『めんどくさいがなくなる「明日ラク」レシピ!』(清流出版)、『ごはんづくりの絶望に寄り添うレシピ』(エムディエヌコーポレーション)、『50歳からのひとりごはん』(集英社)などがある。
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