(『天然生活』2023年9月号掲載)
柳沢小実さんの大好きな本4選

ゴージャスな世界にうっとり
『クレイジー・リッチ・アジアンズ』

ケビン・クワン著/竹書房
恋人の故郷、シンガポールを訪れた女性。そこで初めて彼がアジア屈指の名家の御曹司であることを知る。
「描かれる世界がとにかくゴージャスで、芯をもった主人公が奮闘していく様子も魅力的。映画版もすごくおすすめ」
くすっと笑えて肩の力が抜ける
『おとうさんとぼく』

e.o.プラウエン 著/岩波少年文庫
子煩悩な父親とやんちゃな息子の日常を切りとったセリフのないコマ漫画。
「小学校からの愛読書。ときどき手にとって、開いたページを読んでいます。くすっと笑えてリラックスできる、大人にこそ読んでほしい一冊です」
暮らしや社会の違いに触れる
『絶縁』

村田沙耶香、チョン・セランほか・著、福冨 渉ほか・訳/小学館
アジア9都市の9人の気鋭の作家が「絶縁」をテーマに書いた連作短編集。
「冒頭の村田沙耶香さんの作品を読んで、その才能の凄まじさに衝撃を受けました。アジアの国ごとの社会背景や暮らしの違いを知るのも面白いです」
手仕事の美しさに魅せられて
『世界の美しいモスク』

深見奈緒子 著/エクスナレッジ
世界中のモスクをそれぞれの特徴や建設秘話とともに美しい写真で紹介。
「以前にウズベキスタンを旅した際、現地のモスクを見て、ほかの国のものも見たいと思い手に入れた本。人の手がかけられた建築の美しさにひかれます」
〈撮影/星 亘 取材・文/嶌 陽子〉
柳沢小実(やなぎさわ・このみ)
エッセイスト。日本大学芸術学部写真学科卒業。衣・食・住・旅・台湾にまつわる著書は30冊以上に及ぶ。著書に『私らしい暮らしとお金の整え方』(主婦の友社)、『大人のゆったり旅』(大和書房)など。最近はアジアのドラマや音楽、文学などに夢中。整理収納アドバイザー1級の資格も持つ。
※ 記事中の情報は『天然生活』本誌掲載時のものです



