(『天然生活』2024年12月号掲載)
不調を乗りきる自然のお手当て
風邪薬はウイルスを退治して風邪を治すものではなく、風邪のさまざまな症状を緩和するもの。
ほかの感染症の薬も基本的には同じです。
結局、感染症を治したり感染症にかからないようにしたりするのは、自分の力=自然治癒力以外にないと本間先生はいいます。
「『インフルエンザが流行っているから』『ノロウイルスが流行っているから』などといって対策をその都度講じるのではなく、日常生活を通じてウイルスそのものに対する抵抗力、免疫力を高めることが一番重要です。それをしていれば、感染症の流行に一喜一憂する必要はありません。
外に出て散歩してみる、食生活をちょっと変えてみるなど、今日からでもできることはたくさんあります。それらを積み重ねていくことで『何があっても自分の体は大丈夫』という自信も少しずつ生まれてくるはず。楽しみながら、ひとつずつ実践していきましょう」

免疫力を高めれば冬の感染症は恐るるに足らずです
梅醤番茶

熱い番茶に梅干し1個としょうゆ数滴を垂らした梅醤番茶は、風邪のひき始めの際の強い味方です。
すりおろした生のしょうがを入れても。
「梅干しはミネラル豊富な食べ物。私はくしゃみが出たら天日塩でつけた酸っぱい梅干しを2粒食べます。すぐ治まりますよ」
りんごの葛ねり

体を温めるほか、喉の痛みにもきく葛とりんごを合わせた、体にやさしい一品。
本葛大さじ1とすりおろしたりんご1個分、水(りんごと合わせて1.5カップになる量)、自然塩ひとつかみ、はちみつ適量を鍋に入れて火にかけ、かきまぜながら弱火で加熱して完成です。
かりんのはちみつ漬け

喉の痛みの緩和や咳止めにきくとされるかりん。
熟したものをいちょう切りにし、種ごとはちみつにひたします。
1〜2カ月経ったら種・果肉を引き上げましょう。エキスはそのままなめてもお湯で割って飲んでも。
こんにゃく湿布

体を温め、血流を改善します。
こんにゃくを水から10分以上ゆで、乾いたタオルでしっかり包みます。
仰向けで肝臓や丹田(おへその下)、うつ伏せで腎臓に当てると効果的。当てる時間は1回につき10分ほどに。
しょうが湿布

すりおろしたしょうがを布で包み、沸騰しない程度に温めたお湯(約70℃)につけて成分を溶かし出します。
できたしょうが湯にタオルをひたして温めたい場所に当てると血行促進。
風邪のひきはじめなどにも。
<監修/本間真二郎 取材・文/嶌 陽子 イラスト/はまだなぎさ>
本間真二郎(ほんま・しんじろう)
小児科医・微生物学者。2001年より3年間、アメリカにてウイルス学、ワクチン学の研究に携わる。2009年より栃木県那須烏山市で地域医療に従事しながら、自然に沿った暮らしを実践中。2児の父。著書に『本間真二郎さんの病気にならない暮らし方』(扶桑社)、『あかちゃんからのかぞくの医学』(クレヨンハウス)など。
※記事中の情報は『天然生活』本誌掲載時のものです




