本をこよなく愛する本屋店主5名の、心に響いた一冊をお届け。店主のまっすぐな言葉で本の魅力を紹介します。紹介してくれるのは「ゆっくりを愉しむ」がコンセプトのスロウな本屋店主・小倉みゆきさん。小倉さんの心に響いた“この一冊”、今回は『彼女たち』です。
小倉さんが選ぶ“この一冊”
『彼女たち』
背中をそっと後押ししてくれる本を選んでくれた小倉さん。今回おすすめしてくれたのは、桜木紫乃作、中川正子写真『彼女たち』です。

『彼女たち』(桜木紫乃作 中川正子写真 KADOKAWA)
20年ともに暮らした愛猫を亡くしたイチコ。子育てに仕事に息切れしそうな日々を送るモネ。どうにもならない心を抱えた彼女たちを、静かに見守る3人目の彼女。
そこにはいつも、一杯のミルクコーヒーがあった。
どこにも女性たちの姿は見えないけれど、3人の気配を、視線を、息づかいを、確かに感じる美しい写真絵本。
「だいじょうぶよ。あなたたちにはいまを乗り越える力がある」
ページを繰るうちに、本が語りかけてくる。
* * *
天然生活2025年12月号では、「本屋店主の心に響いた、この一冊」を紹介しています。スロウな本屋・小倉みゆきさんをはじめ、魅力的なお店を営む5名に、歩みを照らしてくれた本を教えていただきました。あわせてお楽しみいただけましたら幸いです。
〈文/小倉みゆき〉
小倉みゆき(おぐら・みゆき)
書店勤務を経て独立し、2015年に、岡山県岡山市に「スロウな本屋」を開店。絵本や暮らしにまつわる本、ZINEなどを取りそろえており、国内外から訪れる人が絶えない。毎月絵本を届ける「絵本便」をはじめ、読者会やイベントを積極的に開催。本との新しい出合いを提案しながら、対話を通して、本の魅力をていねいに伝えている。スロウな本屋






