本をこよなく愛する本屋店主5名の、心に響いた一冊をお届け。店主のまっすぐな言葉で本の魅力を紹介します。紹介してくれるのは「ゆっくりを愉しむ」がコンセプトのスロウな本屋店主・小倉みゆきさん。小倉さんの心に響いた“この一冊”、今回は『空はみんなのもの』です。
小倉さんが選ぶ“この一冊”
『空はみんなのもの』
背中をそっと後押ししてくれる本を選んでくれた小倉さん。今回おすすめしてくれたのは、ジャンニ・ロダーリ作、関口英子訳、荒井良二絵『空はみんなのもの』です。

『空はみんなのもの』(ジャンニ・ロダーリ作 関口英子訳 荒井良二絵 ほるぷ出版)
どこまでも広がる空、それはみんなの空だ。
おじいさんにも、王様にも、八百屋さんにも、詩人にも、ウサギにも、ライオンにも、そしてぼくにも、同じ空が頭上に広がっている。
朝日が昇る空、星空、海辺の空、大都会の空、どこまでもつづく空。
それなのに、大地はどうして境目だらけなのだろう。人はなぜ、いがみ合うのだろう。
イタリアの宮沢賢治とも呼ばれるジャンニ・ロダーリと、絵本作家・荒井良二による、祈りのような美しい絵本。
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天然生活2025年12月号では、「本屋店主の心に響いた、この一冊」を紹介しています。スロウな本屋・小倉みゆきさんをはじめ、魅力的なお店を営む5名に、歩みを照らしてくれた本を教えていただきました。あわせてお楽しみいただけましたら幸いです。
〈文/小倉みゆき〉
小倉みゆき(おぐら・みゆき)
書店勤務を経て独立し、2015年に、岡山県岡山市に「スロウな本屋」を開店。絵本や暮らしにまつわる本、ZINEなどを取りそろえており、国内外から訪れる人が絶えない。毎月絵本を届ける「絵本便」をはじめ、読者会やイベントを積極的に開催。本との新しい出合いを提案しながら、対話を通して、本の魅力をていねいに伝えている。スロウな本屋







