• 急な冷え込みや慌ただしさで、つい体調をくずしがちな冬。漢方家の櫻井大典さんに、冬を元気に過ごすために、立冬から冬至までの「冬の始まり」の過ごし方を教わりました。四千年以上も昔から人々の健康を支え、伝えられてきた中医学。先人たちが紡いだ知恵から、寒い冬を乗り切るヒントを学びましょう。
    (『天然生活』2024年12月号掲載)

    立冬から冬至までの、冬の始まりの過ごし方

    01 寒さを感じたら、一歩遅れて防寒対策

    画像: 01 寒さを感じたら、一歩遅れて防寒対策

    さて、寒くなったからといってすぐに厚着になるのは、ちょっと待って。

    「まず、寒さに体を慣らすことが大事。東京では、だいたい10月の2週目ぐらいから、一枚上着を羽織るというのが目安でしょうか。それまでは秋の風をしっかり肌で感じること。ただ、この時季を過ぎたらしっかり寒さ対策をしてください」

    その際は足腰の防寒もお忘れなく。「足腰というのは、“腎”という命に関わる大事な臓器が管轄する部位なので、冷えでダメージを受けないことが重要。厚手の靴下やブーツを履くなど、くるぶしまでしっかり暖かくしてください」

    02 冬の始まりは潤い補給も忘れずに

    画像: 02 冬の始まりは潤い補給も忘れずに

    「秋から続く乾燥で空気は乾いていますから、冬の始まりはとくに潤いを補給する食材も意識して摂りましょう。いかやあさり、卵、豚肉、湯葉、百合根やえのきだけ、きくらげは、体に必要な潤いに変わりやすい食材です。柿や梨、松の実、はちみつや黒糖もおすすめ。また、目の乾燥には、クコの実がよし。一度に軽くひとつかみ(約6g)をそのままどうぞ」

    ただ、温かいお茶のがぶ飲みは控えましょう。

    「飲んだときは一時的に体が温まりますが、飲みすぎは消化に負担をかけます。渇いたのどを潤すために飲む、という原則は忘れずに」

    03 起床は、部屋が十分に暖まってから

    画像: 03 起床は、部屋が十分に暖まってから

    「昔は電気がありませんでしたから、陽が昇るとともに起き、陽が沈んだら眠る、という暮らしでした。ただ、中医学の古典では、冬は遅く起きるという記載があります。これは、陽が昇ると同時に起きると、まだ大気が冷えていて寒さで体調をくずしてしまうから、太陽が昇って、周りの空気が十分に暖められてから起きましょう、ということ。現代に置き換えれば、周囲が暖かい状態になってから起床するのがよい、と捉えることができますね」

    暖房のタイマーをかけるなど、室内が十分に暖まってから起きましょう。

    04 風邪は、症状別に対策を変えます

    画像: 04 風邪は、症状別に対策を変えます

    風邪をひきやすい冬は、体のバリア機能を上げたいもの。

    「中医学で体の表面を守る“気”を衛気(えき)と呼びますが、この補給にはもち米が抜群。ただ、消化しにくく、肌荒れの原因にもなるので、胃腸の弱い方などは注意してください」

    ひいてしまった風邪には、症状別に対策を。

    「寒気がひどい冷えタイプの風邪には、ねぎやしょうが、青じそなど、寒さを発散する食材を。葛根湯もいいですね。一方、発熱や炎症によるのどの痛みを感じる熱タイプには、ハッカや菊の花、いちごや緑茶がおすすめ。はちみつを加えたりんごのすりおろしもいいですよ」



    〈監修/櫻井大典 取材・文/遊馬里江 イラスト/はしもとゆか〉

    櫻井大典(さくらい・だいすけ)
    漢方コンサルタント、国際中医相談員、日本中医薬研究会会員。中医学の知恵を、現代に取り入れやすいようにかみ砕いで発信した、SNSのユニークな投稿が人気に。電話、Skypeで漢方相談にのる日々を送る。著書に『こころゆるませ漢方養生』(扶桑社)など。
    HPhttps://yurukampo.jp/
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    ※ 記事中の情報は『天然生活』本誌掲載時のものです



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