本をこよなく愛する本屋店主5名の、心に響いた一冊をご紹介。店主のまっすぐな言葉で本の魅力をお届けします。紹介してくれるのは、“フェミニズム”を多様な角度から提案するエトセトラブックスBOOKSHOP店主・寺島さやかさん。寺島さんの心に響いた“この一冊”、今回は『もうちょっとだけ子どもでもいよう』です。
寺島さんが選ぶ“この一冊”
『もうちょっとだけ子どもでもいよう』
心の壁にも届く本を教えてくれた、寺島さん。今回おすすめしてくれたのは、岩瀬成子著『もうちょっとだけ子どもでいよう』です。

『もうちょっとだけ子どもでいよう』(岩瀬成子著 理論社)
ローティーンの姉妹、光と咲それぞれの心の動きを細やかに、淡々と描いたヤングアダルト文学。
姉の光はラジオ番組に嘘の話を投稿することにのめりこみ、妹の咲は学校の人間関係にうんざりしている。
やや暗めのトーンでエピソードが連なるなか、「こんな陰のある大人がいたな」「こんな嫌な気持ちになったことあるな」といった記憶を、「見なかったことにしよう」と否定するのではなく、「もうちょっとだけ子どものままで見つめていよう」と、一緒に受け止めてくれる本です。
子ども時代に、自分の感情や身体が世界とつながらず、ぶつっと断ち切られているような感覚をもっていた人に読んでみてほしいです。
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天然生活2025年12月号では、「本屋店主の心に響いた、この一冊」を紹介しています。エトセトラブックスBOOKSHOP・寺島さやかさんをはじめ、魅力的なお店を営む5名に、歩みを照らしてくれた本を教えていただきました。あわせてお楽しみいただけましたら幸いです。
〈文/寺島さやか〉
寺島さやか(てらしま・さやか)
東京・下北沢の「本屋B&B」で店長を務めたのち、2021年に「フェミニストのための書店」をテーマに掲げた「エトセトラブックスBOOKSHOP」の実店舗の立ち上げに参加。以後、店長として新刊から古書まで幅広く選書し、フェミニズムへていねいに光を当てている。店頭で配布している手書きのおたよりも名物のひとつ。
HP:https://etcbooks.co.jp/bookshop/
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