(『天然生活』2025年1月号掲載)

暮らしを整えてくれる3つの言葉
日々の喜びに目を向けて
暮らしに栄誉はいらない
長田 弘著『世界はうつくしいと』(みすず書房)の「窓のある物語」より
「コロナ禍に、長田弘さんの詩集をむさぼるように読み、たくさんの言葉に勇気づけられました。『暮らしに栄誉はいらない』は、本当にその通りだと、深くうなずく言葉でした。喜びは内側にあると気づかされました」
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ひとりの時間も美しく
独りを慎しむ
向田邦子著『男(お)どき女(め)どき』(新潮文庫刊)より
「ひとりでいるときでも、慎み深く行動したいという意味で使われていました。だれが見ていなくても、自分に対して誇り高くありたい、そう思わせてくれます。SNS時代、とくにこの言葉は皆で共有したいものです」
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当たり前の日々が、自分をつくる
朝が来て、昼が来て、夜が来て、それで眠って、起きて、ということが、
どんなに自分をつくっていくうえで、自分が
考えたり感じたりすることのうえで大事なことか。(中略)
当たり前と思っていることは当たり前じゃない
長田 弘 テレビ番組でのひと言(アーカイブ動画で)より
「病気をされてのひと言ですが、自然の営み、環境、人の生、仕事、すべてにいえることだと思いました。日常の当たり前の美しさみたいなことを私は届けていきたいと強く思っていて、それを改めて実感させられます」
<イラスト/平野瑞恵 取材・文/鈴木麻子>

大平一枝(おおだいら・かずえ)
市井の生活者を独自の目線で描くルポや、失われたくない物事をテーマにしたエッセイ多数。朝日新聞デジタル版で連載中の『東京の台所』は連載12年目に。近著に『こんなふうに、暮らしと人を書いてきた』(平凡社)。
※記事中の情報は『天然生活』本誌掲載時のものです




