(『天然生活』2023年9月号掲載)
長野の郷土料理
笹寿司
さば缶のさばを混ぜた寿司飯の上に、わらびやぜんまいなど山の幸をのせてくま笹で包んだ北信地方の笹寿司。手軽で栄養たっぷりのさば缶を利用した、海のない地域の知恵が詰まったお寿司です。

笹寿司のつくり方

防腐効果が高いといわれる笹の葉。色鮮やかで栄養満点のお寿司はお弁当にも。
材料(約16個分)
| 〈寿司飯〉 | |
| ● 米(といだあと10分浸水し、15分水切りする) | 2カップ |
| ● A | |
| ・ 昆布 | 3cm角 |
| ・ 酒 | 大さじ3 |
| ・ 水 | 1と1/2カップ |
| ● B | |
| ・ 米酢 | 1/3カップ |
| ・ 三温糖 | 大さじ1と1/2 |
| ・ 塩 | 小さじ2 |
| 〈干ししいたけの含め煮〉 | |
| ● 干ししいたけ(さっと水にくぐらせ15分おく) | 2枚 |
| ● みりん | 大さじ1 |
| ● 薄口しょうゆ | 大さじ1と1/2 |
| ● C | |
| ・ 水 | 1カップ |
| ・ 酒 | 大さじ3 |
| ・ 三温糖 | 大さじ1 |
| 〈さばそぼろ〉 | |
| ● さば缶(汁を含む) | 1カップ |
| ● 薄口しょうゆ | 大さじ2 |
| ● D | |
| ・ しょうが(みじん切り) | 大さじ1 |
| ・ 酒 | 大さじ3 |
| ・ 三温糖 | 大さじ1と1/2 |
| 〈錦糸玉子〉 | |
| ● E | |
| ・ 卵 | 2個 |
| ・ 酒 | 大さじ3 |
| ・ 薄力粉 | 小さじ1 |
| ・ グレープシードオイル(またはサラダ油) | 大さじ1 |
| ● 白ごま | 大さじ3 |
| ● 梅酢漬けのしょうが | 適宜 |
| ● 笹の葉 | 約16枚 |
つくり方
1 干ししいたけの含め煮をつくる。包丁が入るくらいやわらかくなった干ししいたけの石づきをのぞき、厚みを半分にして、細い薄切りにする。鍋に入れ、Cを加えて中火で煮る。煮汁が半分以下になったらみりんを加え少し煮て、薄口しょうゆを加え汁けがなくなるまで煮詰める。
2 さばそぼろをつくる。小鍋にさば缶とDを入れ中火にかける。さばをくずしながら炒り煮にし、煮汁が半分以下になったら薄口しょうゆを加え、汁けがなくなるまでそぼろ状にする。
3 錦糸玉子をつくる。ボウルにEの材料をすべて入れて混ぜ、一度こす。玉子焼き器に油をひいて弱火で熱し、卵液を薄く流してゆっくり焼き、裏返す。皿にあけ、粗熱が取れたら細いせん切りにする。
4 寿司飯をつくる。米にAを合わせて炊き、10分蒸らし、ぬらした飯台にあけ、よく混ぜたBを回しかけ、扇ぎながら一気に切るように混ぜ合わせる。
5 4に粗熱を取った2と白ごまを加える。
6 大きな笹の葉を、表を下にして軸が左になるように横に置く。5を1/4カップ分ぐらい手に取り、軽く握って笹の葉の軸から6cmぐらいの所にのせ、1と3、梅酢漬けのしょうがをのせる。左から笹の葉をかぶせ、右側の笹の葉を右上からかぶせ三角形になるように包む。残りも同様に包む。
〈料理・スタイリング/松田美智子 撮影/山田耕司 取材・文/村上有希 イラスト/ウルバノヴィチ香苗〉
松田美智子(まつだ・みちこ)
料理研究家、テーブルコーディネーター、日本雑穀協会理事。日本料理をベースにした家庭料理教室を主宰。子ども時代から身近だった保存食づくりを基本に、いまの時代にも無理なく楽しめる季節の仕事を提案。台所道具などの商品開発も手掛ける。『季節の仕事』(扶桑社)、『家庭料理は郷土料理から始まります。』(平凡社)など。
※記事中の情報は『天然生活』本誌掲載時のものです




