• 新たな一年が喜びにあふれるように「縁起物」をお迎えしてみませんか。日々の幸せを願う皆さんの心のよりどころになってくれます。今回は、編集スタッフが見つけた暮らしに取り入れやすい「かわいい縁起物」をご紹介。全国各地の縁起物を見て、知って楽しめるイベント情報もお届けします。

    そばに置くことで幸せを呼ぶ「縁起物」

    幸福、厄よけ、商売繫盛、子どもの健やかな成長……私たちが日々抱く「願い」と強く結びついている縁起物。

    置き物やお守りを思い浮かべる方も多いと思いますが、食べ物や郷土玩具などにも、縁起物として愛されつづけてきたものがあるそう。

    自身の幸せを願って迎えてもよし、大切な人に心を込めて贈ってもよし。そばに置くことで、私たちの暮らしに幸せを運び込んでくれます。

    迎えてうれしい、贈って楽しい
    全国のかわいい縁起物8選

    最近では、日本で大切に伝えられてきた縁起物と、その物語が語り継がれるよう、暮らしに馴染みやすいデザインのものが全国各地のつくり手によって生み出されています。

    かわいいもの好きの編集スタッフが見つけた、全国のかわいい縁起物を厳選してご紹介。

    〈魔よけ・厄よけ〉吹屋の紅だるま(岡山)

    画像: 赤柚子胡椒。七転び八起きのだるまがモチーフに

    赤柚子胡椒。七転び八起きのだるまがモチーフに

    縁起のいい「ゆず」と「唐辛子」をかけ合わせた、愛らしい表情のだるまが目印の調味料。

    太陽や火を連想させることから魔よけや厄よけの象徴とされてきた唐辛子と、「融通が利く」の語呂合わせで運を呼び込むものと考えられてきたゆずを組み合わせています。

    画像: 青柚子胡椒、洋風柚子胡椒など選ぶのも楽しい

    青柚子胡椒、洋風柚子胡椒など選ぶのも楽しい

    佐藤紅商店
    岡山県高梁市で創業。地元産唐辛子やゆずを使い、無添加・手づくりにこだわった調味料を製造販売。

    〈健やかな成長〉お杉わらべ(秋田)

    画像: 秋田杉の無垢材に手描きで絵付けをしている

    秋田杉の無垢材に手描きで絵付けをしている

    わらの雪帽子をかぶった子どもの姿をモチーフにした郷土人形。穏やかな表情に、思わず笑みがこぼれます。

    昔から神木として崇められてきた「杉」は、立身出世や長寿、魔よけの象徴とされてきました。その生命力に、子どもの健やかな成長への願いを重ねています。

    大館工芸社
    曲げわっぱや秋田杉工芸品を製造。樹齢100年以上の貴重な秋田の杉にこだわり、製材から加工、仕上げまで一貫して行う。

    〈願いや祈り〉守袋(東京)

    画像: 左から福千鳥、網干、午、だるま、蛇の目

    左から福千鳥、網干、午、だるま、蛇の目

    江戸の粋人(すいじん)たちがお守り入れとして持ち歩いたという小さな袋。目標達成の象徴である「福千鳥」や、2026年の干支で時代を駆け抜ける象徴である「午(うま)」などの柄が染められています。

    当時の町人は好みの縁起物の柄を染めて、その粋を競っていたそう。現代でも持ち歩きたくなるかわいさです。

    本品堂(ほんぴんどう)
    デザイナーの大野耕作と慶應3年創業の型染め屋「更銈(さらけい)」5代目・工藤資子が設立。伝統的な型染め技法を軸に型染めや文様の魅力を発信。

    〈福を招く〉堤人形 鯛猫(宮城)

    画像: それぞれ愛らしい表情を見せる鯛猫たち

    それぞれ愛らしい表情を見せる鯛猫たち

    猫をモチーフにした縁起物といえば「招き猫」が有名ですが、こちらは「めでたい」の語呂合わせから縁起がいいとされる鯛をくわえた猫の置き物。

    日本三大土人形のひとつとして名高い、宮城の堤人形の型「鯛猫」。福を招く象徴の猫が鯛をくわえていることから「めでたく、福を招く」とされています。

    画像: 堤町では良質な粘土が採れた

    堤町では良質な粘土が採れた

    画像: 白猫は清潔、福を招く象徴

    白猫は清潔、福を招く象徴

    つつみのおひなっこや
    現代表で4代目の佐藤明彦は京陶人形師に師事後、仙台に戻り活動を開始。伝統工芸品「堤人形」の継承者。

    〈商売繁盛〉信楽焼の狸(滋賀)

    画像: 単色仕上げでかわいいSHIGA☆LUCKY

    単色仕上げでかわいいSHIGA☆LUCKY

    「他抜き」の語呂合わせから、商売繁盛の象徴とされる狸。

    その表情や持ち物を詳しく見てみると、「顔」は笑顔で愛嬌よく、「金袋」は金運に恵まれるなど、8つの縁起のいい意味が込められているそう。

    明山窯
    400年の歴史を持つ窯元。中世からの信楽焼の伝承を継承しつつ、時代に合わせた陶器や生活用品を製作する。

    〈福と縁〉いなばの白兎(鳥取)

    画像: 和紙をシワなく張るのはまさに職人技

    和紙をシワなく張るのはまさに職人技

    ちょこんとした目と口元、白と桃色のやわらかな色合いがかわいい「因幡(いなば)の白兎」をモチーフにした張り子面。

    『古事記』に記されている日本神話のひとつ「出雲神話」に登場したことから、福と縁のシンボルとされています。

    COCOROSTORE
    山陰の民芸品を扱う。2020年にYANAGIYA REPRODUCTを始動し、郷土玩具を復刻させる。

    〈幸福・繁栄〉松竹梅スワッグ(富山)

    画像: 立体感のある透かし彫りが井波彫刻の特徴

    立体感のある透かし彫りが井波彫刻の特徴

    長寿や子孫繁栄の象徴である「松竹梅」をモチーフにした木彫りのスワッグ。年月を経たかのような、やわらかな古色仕上げに心が落ち着きます。

    松、竹、梅はどれも生命力の強さが特徴的。梅のつぼみは「これから咲いていく」という吉祥の現れでもあるそうです。

    井波木彫工芸館
    伝統的な井波彫刻師で作家でもある前川正治と地域づくりにも携わる木彫師・前川大地による工房兼ショップ。

    〈豊穣・幸福〉弘前ねぷたの牡丹絵(青森)

    画像: 津軽家の紋章をモチーフにした牡丹模様

    津軽家の紋章をモチーフにした牡丹模様

    大胆に描かれた牡丹と、華やかな色使いに目を奪われる絵。青森・弘前の夏祭り「弘前ねぷた」の台座に描かれる「牡丹」は、富と繁栄を願う縁起物とされています。

    背景の点描は「雨」を表しており、五穀豊穣の祈りを込めて描かれたもの。かわいらしさと美しさの両方を楽しめる、インテリアにも馴染みやすい作品です。

    画像: じんわりと広がるような彩色も美しい

    じんわりと広がるような彩色も美しい

    CASAICO
    津軽塗を中心に地域の工芸品、文化を伝えるギャラリーショップ。ねぷた絵の展覧会も主催し魅力を発信。

    全国の縁起物を見て、知って楽しめる
    47えんぎもの展 in 渋谷ヒカリエ

    全国各地の縁起物をもっとじっくり見たい、知りたい、お迎えしたいという方におすすめなのが、東京・渋谷で開催中の「47えんぎもの」展です。

    縁起物の歴史や分類を学び、47都道府県の個性豊かな縁起物を実際に見て、由来やつくり手の思いを知ることができます。

    画像: 型染テキスタイル作家・小野豊一さんによるアートワーク

    型染テキスタイル作家・小野豊一さんによるアートワーク

    画像: 見て、知って楽しい47都道府県の縁起物たち

    見て、知って楽しい47都道府県の縁起物たち

    今回ご紹介した8つのかわいい縁起物のほかにも、しめ縄やしゃもじといった昔ながらのもの、地元の名産品を生かしたおいしいもの、アクセサリーとして身につけられるものなど、さまざまな縁起物がずらり。

    お迎えしたい縁起物が見つかったら、会場内にあるショップで購入することもできます。
    ※一部販売がないものや、展示品とはサイズや柄が異なるもの、受注生産のものがございます。

    画像: 気になる縁起物を購入できるのがうれしい

    気になる縁起物を購入できるのがうれしい

    画像: 人に贈るときにも参考になる「繁盛」「厄除」「豊穣」「勝利」などの解説シールも

    人に贈るときにも参考になる「繁盛」「厄除」「豊穣」「勝利」などの解説シールも

    画像: 一部商品は購入特典に解説シート付き。家に帰ってからもじっくり読んで楽しめる

    一部商品は購入特典に解説シート付き。家に帰ってからもじっくり読んで楽しめる

    画像: 贈る相手に合わせた「縁起物ギフト」の提案も。ギフトボックスもおしゃれ

    贈る相手に合わせた「縁起物ギフト」の提案も。ギフトボックスもおしゃれ

    「縁起物を通じて、全国各地の個性や文化を知ることができる楽しい展覧会だと思います。地元の縁起物を興味深くご覧になっている方や、ご友人とお互いの出身地の縁起物について話されている方もいらっしゃいますよ」と、今回の展示を主催するD&DEPARTMENT PROJECT広報の清水さん。

    2026年3月まで開催中なので、年末年始は忙しくて縁起物のことを考える余裕がない……という方も、年明けでもゆっくり見られます。

    皆さんがお気に入りの縁起物に出合い、素晴らしい一年を過ごせることを願っています。

    47えんぎもの展
    会期:2025/11/14(金)〜2026/3/15(日)
    時間:12:00~20:00 (最終入館は19:30)
    場所:d47 MUSEUM(渋谷ヒカリエ 8F)
    休館日:年末年始
    ※12/31は18:00までの時短営業、1/1~1/2休業。
    問い合わせ:03-6427-2301(d47 MUSEUM)
    入館料:ドネーション形式(会場受付)
    ※自由にご入館いただけます。
    主催:D&DEPARTMENT PROJECT
    特別協賛:東急株式会社、Creative Space 8/
    展覧会の詳細はこちら:47えんぎもの展

    「声」で楽しむ音声ガイダンスも配信中!

    47えんぎもの展の縁起物にまつわるエピソードを「つくり手」本人が解説してくれる音声ガイダンスをPodcastで配信しています。

    会期中に行けない、遠方に住んでいて訪れることができないという方でも展覧会を楽しめますので、ぜひお聞きになってみてくださいね。

    音声ガイダンスはこちら:https://open.spotify.com/show/2gP1NsGrHLeYW80IZOI433

    〈取材・文/太田菜津美(編集部)〉



    This article is a sponsored article by
    ''.