(『別冊天然生活 榎本美沙さんの発酵のある暮らし』より)
地域やつくり手ごとに違う「調味料」の味わいと楽しみ方
自然食品店や道の駅、旅先にある醸造所などでおいしそうな調味料を見つけると、つい買ってしまいます。ひとつひとつ、味わいがまったく異なるのが面白いところ。
たとえば下の写真で紹介している料理酒のうち、〈旬味〉は比較的さっぱりしているので魚料理などによく合います。一方、〈こんにちは 料理酒〉はうま味と香りが強いので、酒蒸しなどがとびきりおいしくできるのです。

左から)●純米富士酢 500mL(飯尾醸造)https://iio-jozo.co.jp/ ●熟成ワインビネガー白 150mL(ASAYA VINEGAR /アサヤ食品)https://asayafoods.com/ ●生成り、うすくち 100mL(ミツル醤油醸造元)http://www.mitsuru-shoyu.com/ ●鶴醤 500mL(ヤマロク醤油)https://yama-roku.net/ ●秋田しょっつるハタハタ100% 130g(諸井醸造)https://moroi.base.shop/ ●鮎魚醤 100mL(まるはら)https://www.maruhara.jp/
また、みりんは食事だけでなく、スイーツに使うことも。杏仁豆腐のシロップや、ティラミスのリキュール代わりにしてもおいしいです。買ってきた調味料の味をみながら「こういう料理に合いそう」などと、あれこれ考えて試してみるのが楽しみになっています。
地域独自の調味料に出合うのも楽しいものです。秋田県の〈諸井味醸造〉のしょっつるや、大分県の〈まるはら〉の鮎魚醤はまったく臭みがなく、いろいろな料理に使えます。

左から)●料理酒 旬味 720mL(仁井田本家)https://niida1711.shop/ ●こんにちは 料理酒 720mL(大木代吉本店)https://www.daikichi-sizengo.co.jp/ ●三州三河みりん 700mL(角谷文治郎商店)https://mikawamirin.buyshop.jp/ ●古式三河仕込 愛櫻 純米本みりん 500mL(杉浦味淋)https://www.mirinya.com/
日本は発酵調味料がとても多い国。味噌やしょうゆ、酢、みりん、酒などはすべて発酵食品なので、料理に使うだけで毎日気軽に発酵食を取り入れられます。
何より料理のベースをぐっと上げることができるのが魅力です。

「再仕込み製法」でつくられる香川県小豆島のしょうゆ「鶴醤」は深いコクとまろやかさが特徴。「お刺し身や赤身肉などによく合います」

本記事は『別冊天然生活 榎本美沙さんの発酵のある暮らし』(扶桑社)からの抜粋です
〈写真/山田耕司 取材・文/嶌 陽子〉
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からだにやさしく、毎日おいしい
料理家で発酵マイスターの榎本美沙さんの発酵の力を取り入れた暮らしとレシピをご紹介します。
塩麹、甘酒などの基本の発酵調味料から、自然な甘みが人気の発酵あんこまで、手づくりの魅力と使い方を多数掲載。さらに、味噌や酒粕やヨーグルトなど、市販の発酵食品を上手に生かしたレシピも。そのほか、榎本美沙さんの日々の暮らしを特集。愛用の調味料・道具など、榎本さんのやさしくて健康的な暮らしをご紹介します。コラムでは、「発酵白菜」やスープジャーを使った「おからのひと晩発酵味噌」など、すぐに試せるレシピも紹介。今日からはじめる発酵習慣で、心も体も元気に!
榎本美沙(えのもと みさ)
料理家・発酵マイスター・国際中医薬膳師。会社員を経て調理師学校を卒業し、独立。発酵食品や季節の食材を使った、シンプルでやさしい味わいのレシピが人気。雑誌や書籍、テレビなどで幅広く活躍し、YouTube「榎本美沙の季節料理」は登録者数40万人を超える人気チャンネルに。オンラインの料理教室「榎本美沙の料理教室―発酵と季節料理―」では、発酵の知恵を暮らしに生かす方法を
ていねいに伝えている。別冊天然生活『榎本美沙さんの発酵のある暮らし』(扶桑社)が好評発売中。
インスタグラム:@misa_enomoto
YouTube:榎本美沙の季節料理





