• 家庭で不機嫌になったり怒りっぽくなったりしていませんか? とくに家族は近い存在なだけに心の境界線を越えてきがちで、イライラすることも……。相手と自分は違う人間だということを頭に置き、管理しない&されないことが大切です。臨床心理士の中島美鈴さんに、家族にイライラしないための4つの習慣を教えていただきました。
    (『天然生活』2025年2月号掲載)

    家族にイライラしない4つの習慣

    人間関係においては自分と他者を区別する物理的・心理的な境界線があり、それを超えて自分の領域を侵されることは怒りの対象となります。この境界線を平気で越えてきがちなのが「家族」という存在です。

    実家に帰るたびに食生活について細かく注意してくる親、子育てに口を出してくる義理の親、家事を頼んだ通りにしてくれないパートナー、勉強してといってもなかなかしない子ども……。

    たとえ身内を心配しての言動であっても、傷ついたり、イライラさせられたりするのは、たいていの場合、「領域を侵害されている」ことに原因があります。

    「常に意識したいのは、自分の境界線も相手の境界線も守ること。相手と自分は違う人間だという基本に立ち返り、相手に管理されず、相手も管理しないことが大切です」

    とはいえ、育った環境や考え方が違う人間同士が集まったのが家族。毎日の暮らしを共にするほか、ひとつの方向へ向かわなければならない場面も出てきます。

    「どちらかがどちらかに合わせてしまうと、いずれイライラが生じてしまいます。時間も手間もかかりますが、異なる考え方をもった者同士、じっくり話し合って、家族の新しい考え方、枠組みをつくっていく必要があると思います」。

     決定権は自分にあると考える

    画像: 1 決定権は自分にあると考える

    家族がよかれと思ってかけてくる何気ない言葉を聞き流せず、正面から受け止めてイライラしてしまう人は、相手との間に境界線を引くのが苦手なことが多い。「相手がいろいろと助言してくるのは自由だが、最終的に決めるのは自分だ」と思えると、イライラや怒りから距離をとることができる。

     自分の問題と相手の問題を混同しない

    画像: 2 自分の問題と相手の問題を混同しない

    「起こしてくれなかったから遅刻した!」と子どもに責められてイライラする。「自分が消極的な性格なのは親が心配性だから」と憤る。それは、これら自分が解決すべき問題を、家族の問題だと誤解していることから生じるもの。自分の問題と相手の問題、解決する責任を仕分けてみると冷静になれる。

     子どものことは子どもに相談する

    画像: 3 子どものことは子どもに相談する

    「片づけなさい」「勉強しなさい」などと子どもにいってもまったく反応がなくてイライラするのは、子どもの問題なのに親が主導権を握ってしまっているから。「片づけるにはどうしたらいいのかな」など、子どものことを子ども自身に相談すれば、子どもに主導権を渡すことになり、お互い楽になる。

     いい嫁であることをあきらめる

    画像: 4 いい嫁であることをあきらめる

    親や子どもとやや関係性が異なるのが、義理の両親や親戚。「よく思われたいから」「いい嫁でいたいから」という意識が働き、無理をしている分イライラも募る。相手は自分とは違う価値観や考え方であり、相手に合わせて自分を変える必要はないし、相手も変えられないことをあらためて意識しよう。


    〈監修/中島美鈴 取材・文/嶌陽子 イラスト/しまむらひかり〉

    中島美鈴(なかしま・みすず)
    臨床心理士。公認心理師。心理学博士(九州大学)。中島心理相談所所長。専門は認知行動療法。カウンセリング現場での臨床経験23年。テレビ出演や新聞でのコラム連載など、多方面で活躍中。著書に『脱イライラ習慣! あなたの怒り取扱説明書』(すばる舎)、『「人の期待」に縛られないレッスン』(NHK出版)など多数。

    ※ 記事中の情報は『天然生活』本誌掲載時のものです



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