(『天然生活』2024年4月号)
SHO Farm
心地よい景色と空間に農的暮らしの喜びを感じて
「千年続く農業」を掲げ、神奈川県横須賀市で2014年にスタートした「SHO Farm」
ここでは、土壌とともに自然環境を回復させる「不耕起再生型農業」により、年間100種類の農産物を育てているほか、80羽のニワトリの養鶏などが行われています。

野菜集配所前のテーブルは、農園を見わたせる特等席。「上に屋根もあるので、多少の雨ならここでごはんを食べます」(仲野晶子さん)
「プラスチック資材は使わない」「フードマイレージを極力抑える」「フェミニズムを芯とし、多様なバックグラウンドをもつ人が尊重されるように」など、ひとつひとつの選択に深い信念を感じるSHO Farm。
丘の上に広がる農園には、廃材で建てられた野菜集配所を中心に、さまざまな人が行き交う穏やかな光景がありました。
そんな農園の外テーブルでは週2回、援農の参加者も交えてお昼ごはんを調理。そのほかの日は、主に正社員と研修生が、ここでお弁当時間を過ごしています。
集まったのは、代表の仲野晶子さん・翔さん夫妻と正社員、研修生の4名。
「この卵、SHO Farmから引き取ったニワトリが産んでくれたよ」(山木さん)、「偶然鎌倉で出会ったパン屋さんが研修を受け入れてくれて」(柏木さん)など、話題のひとつひとつに全員が耳を傾け、たびたび爆笑の渦に。
そんな温かな雰囲気のなかにも、SHO Farmの理念が息づいていることが伝わってきます。

収穫した野菜や切り干し大根などをリユースの米袋に入れて、定期購入先にお届け。
フードマイレージに配慮し、お届けは神奈川県東部のみに限定しているものの、すでに予約待ちの状態だとか。

ニワトリにも野菜が大人気
「おいしさが違う」と人気の卵。80羽のニワトリは野菜くずや米ぬかなどを食べ、鶏ふんで土を肥沃にする不耕起再生型農業の大切な一員。
「私たちと同じ野菜を食べて育っています」(晶子さん)

鮮やかな色と柄が素敵な山木さんのお弁当袋は、手芸が得意なスタッフのお手製。
「自宅の庭に実っている梅の実をあげたら、お返しとしてこの袋をくれました。使いやすいのでお気に入りです」

直売もゼロウェイスト
メイン施設である野菜集配所の入り口には、だれでも立ち寄れる直売所を設置。
プラスチックの袋詰めは行わず、すべて量り売りにすることで、ごみを出さずに必要な分だけ求めることが可能に。

研修先の全粒粉のパンでつくった、柏木さんの即席オープンサンド。チーズと玉子の間に農園の余り野菜をはさんで完成。
「農業と同じく魅力的なパンづくり。ふたつを軸に暮らしていきたいです」

天日干しの切り干し
不ぞろいの大根などは細切りにして天日にさらし、切り干し大根に。
「これも量り売りで購入可能なほか、定期購入の方にはリユースのびんに詰めてお届けしています」(晶子さん)
<撮影/疋田千里 構成・文/玉木美企子>
SHO Farm(しょー ふぁーむ)
神奈川県横須賀市にて不耕起再生型農業を実践し、野菜や卵の生産販売を行う。環境問題などをテーマに語るポッドキャスト番組「SHO Farmの農民ラジオ」も公開中。
https://sho-farm.sunnyday.jp/
※記事中の情報は『天然生活』本誌掲載時のものです




