(『天然生活』2025年3月号掲載)
「子どもの食」をきっかけに、暮らしを見直し
環境にも人にもやさしいものを選んで使う、エシカルな暮らしを実践する梨田莉利子さん。仕事が好きで、家事はどちらかといえば苦手という梨田さんが、暮らしを見直すきっかけになったのが、子どもの食でした。
「長男が食べものに敏感で。だしをとってつくったお味噌汁は食べるのに、添加物が入ったものは口からペッと出してしまう。『なんでだろう!?』という疑問から、食について学び始めて、必然的に土のことを考えるようになりました。野菜くずはコンポストに入れたらなくなるけど、プラスチックは100年たっても土には還らない。何も考えず、無頓着にものを選んでいたことに気づきました」
中学生の長男が幼いときで、まだSDGsという言葉も知られていなかったころ。参考になる本もあまりないなか、できることから暮らしで実践していったそう。

かごの中にきれいなさらしをストック。使ったらホウロウの容器に入れて洗って煮沸消毒。空きびんに立てるのは、さらしを使って手づくりした、みつろうラップ
昔ながらの“おばあちゃんの知恵”を参考に、暮らしの実験を
「プラスチックがない時代の、昔ながらのおばあちゃんの知恵は参考になりましたね。はじめは田舎で暮らさないと無理なんじゃないかと思いましたが、街に住んでいてもできることがある。私と同じ、街から離れられない人に伝えたくてインスタグラムから発信するようになりました。おすすめは、消耗品を減らしてみること。あると思うとどんどん使うし、ないと思うと心配で買いだめしてしまう。使い捨てと買いだめをなくせば節約にもつながります」
使って試して、手放せなくなったひとつが、さらし。台所仕事にも掃除にも活躍し、コーヒーフィルターやラップ代わりにも。

「サラダスピナーは場所もとるし、ひとつのことにしか使えないから」、野菜の水切りもさらしで
「腹帯用にもらったさらしが残っていたので、ふきんとして使い始めたら、薄手なのに丈夫で使いやすかったんです。〇〇専用に縛られず、多用途で使えるものを選ぶことも節約につながりますね」

残った野菜はさらしで包んで名札を
プラスチックをゼロにするのは難しいから手元にくれば用途を見つけて再利用し、使い切ります。
「私にとって、暮らしが実験室。面倒なことは続かないから、とにかくやってみる。ずぼらな私がここまで続けられたのは、楽しいから。始めるときはひと手間かかりますが、環境にもいいと思うと、なおさら楽しいんです」

みかんの皮はカラカラに乾かしてウオツカに漬け、掃除に活用。「さらしにつけてレンジやコンロの油汚れに。香りもいいです」
〈撮影/わたなべよしこ 取材・文/宮下亜紀〉
梨田莉利子(なしだ・りりこ)
インスタグラム「エシカルなまいにち」から発信し、日常でできる、エシカルな暮らしのヒントを提案。夫と子ども3人、保護犬と、大阪暮らし。著書に『暮らしは楽しくエシカルに』(時事通信社)、『今すぐマネできる エシカルライフ118のアイデア図鑑』(日東書院本社)。
インスタグラム@ethical_ririko
※ 記事中の情報は『天然生活』本誌掲載時のものです




