• 「備蓄や防災グッズは必要だとは思うけれど、どこまで揃えればいいのかわからない……」そんな悩みに応えてくれるのが、国際災害レスキューナースの辻直美さん。国内外の被災地で医療支援に携わってきた経験から編み出した“代用防災術”を教えてくれました。キーワードは「PPGS」。どの家庭にもある身近な日用品が、いざというときの心強い味方になります。

    おむつにも、枕にもなる「ペットシーツ」

    ペットを飼っていない家庭では、あまりなじみのないペットシーツ。でもじつは、「わざわざ揃えてほしい超優秀な防災アイテム」なのだそう。

    「高分子ポリマーを使っているので吸水性が高く、防臭機能もあります。断水時にトイレへ行けない状況でおむつがわりになりますし、水を含ませて袋に入れれば、低反発風の枕や氷のうにもなります」

    画像: おむつにも、枕にもなる「ペットシーツ」

    辻さんがペットシーツをおすすめする理由は、日常生活でも使えることと、手軽に購入できるところにあります。

    「水をこぼしたときや、お皿が割れたときにかぶせて拭けば、手を汚さず安全に片付けられます。

    100枚1,200円ほどで、同じ高分子ポリマーをつかった介護シーツやおむつなどと比べても断然安価です。100円ショップでも8枚入りが売られているので、まずはそこから試してみるといいのでは」

    吸水タンクにも使える「ゴミ袋」

    断水時、給水所まで水をもらいに行くことを想定して、ウォーターバッグやポリタンクを備えている家は多いでしょう。「でもそれ、ゴミ袋があれば代用できます」と辻さん。

    方法は簡単で、ゴミ袋を2枚重ねてリュックにセットするだけ。

    「給水タンク」のつくり方

    画像: 二重に重ねたゴミ袋をしっかり広げ、リュックを覆うようにする

    二重に重ねたゴミ袋をしっかり広げ、リュックを覆うようにする

    画像: 内側のゴミ袋をきっちりとひとつ結びにし、水がこぼれないようにする

    内側のゴミ袋をきっちりとひとつ結びにし、水がこぼれないようにする

    「給水車は自宅前まで来てくれません。がれきが散乱し歩きにくい道を、3〜10キロの水を手に下げて持って帰ることになりますし、停電していればエレベーターは使えません。

    でも、リュックで背負えれば女性でも15キロくらいは背負えますし、両手が空くので安全なんです」

    ゴミ袋はそのほかにも、雨具や防寒具にも変身します。どの家庭にもある日用品、少し多めにストックしておくと安心です。

    本記事は『最強版プチプラ防災』(扶桑社)からの抜粋です



    〈撮影/星 亘 取材・文/鈴木靖子〉

    辻 直美(つじ・なおみ)
    国際災害レスキューナース。一般社団法人育母塾 代表理事。
    国境なき医師団の活動で上海に赴任し、医療支援を実施。帰国後、看護師として活動中に阪神・淡路大震災を経験。その後、赴任先の聖路加国際病院で地下鉄サリン事件の対応に従事し、災害医療の道へ。看護師歴35年、災害レスキューナースとしては31年活動し、被災地派遣は国内外合わせて30ヶ所以上。
    現在はフリーランスの看護師として、要請があれば被災地で活動を行うほか、防災教育にも注力。国際災害レスキューナースとして、TBS「ひるおび」、TBSラジオ「ジェーン・スー 生活は踊る」、ベイエフエム「ミラクル」、ABC「おはよう朝日です」、MBS「よんチャンTV」など数多くの媒体に出演。被災地での過酷な経験をもとに、"本当に使えた"防災の「自衛術」を多くの人に知ってほしいと、メディアを通じて啓もう活動を行うとともに、大学や小中学校で教えるだけでなく、企業や一般向けの防災講座も行なっている。

    * * *

    『最強版プチプラ防災』(辻 直美・著/扶桑社・刊)

    画像: 防災のプロに教わる「身近な日用品」で代用する“防災アイテム”の工夫。新聞紙やゴミ袋を使った簡易トイレやペットボトルランタンのつくり方/国際災害レスキューナース・辻直美さん

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    TV、ラジオ、雑誌などメディアに多数出演の国際災害レスキューナース・辻 直美さんが国内外30か所以上のレスキュー経験で得た最新の知見を一冊にまとめました。

    阪神・淡路大震災で実家が全壊し、防災に目覚めた著者・辻直美さん。2019年の大阪府北部地震では震度6弱を経験しましたが、100円ショップのアイテムを駆使して「震度6弱に耐えた家」をつくりあげていたため無傷。同じマンション・同じ間取りの隣の家は住人が大腿骨骨折の重傷を負い、部屋は壊滅。原状復帰に60万円もかかったそうです。
    こうした経験を生かし、お金をかけずに命を守る方法を余すところなく伝授します。

    「プロの備蓄品30品目リスト」、「家にあるものでできる防災リュック」、「ペットの命を守る防災術」、「生死を分ける被災時のアクション」、「在宅避難を可能にする準備」など、“あなたとあなたの家族の命を守る”最新防災情報が満載です。



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