• 「備蓄や防災グッズは必要だとは思うけれど、どこまで揃えればいいのかわからない……」そんな悩みに応えてくれるのが、国際災害レスキューナースの辻直美さん。国内外の被災地で医療支援に携わってきた経験から編み出した“代用防災術”を教えてくれました。キーワードは「PPGS」。どの家庭にもある身近な日用品が、いざというときの心強い味方になります。

    防寒具となる「新聞紙」

    吸水性が高く、防臭効果もある新聞紙。日常生活でも掃除や野菜果物の保存などに重宝しますが、冬の被災時、新聞紙は防寒アイテムとして力を発揮します。

    「そのまま巻くよりも、くしゃくしゃにしたほうがだんぜん、あたたかくなります。繊維を断ち切ることで空気の層ができ、保温性が高まります」

    画像1: 防寒具となる「新聞紙」

    やわらかくした新聞紙を首、手首、足首、腰などに巻き、その上からレスキューシートやストール、なければ、アルミホイルを巻くと、体がしっかりあたたまるのだそう。

    「新聞紙は丸めればボールになって、子どもたちのおもちゃになりますし、揉んだり破ったりするだけで、ストレス解消にもなりますよ」

    画像2: 防寒具となる「新聞紙」

    ペットシーツ+ゴミ袋+新聞紙を使って
    災害用トイレをつくりましょう

    水と並んで、備蓄が必要なのが「災害用トイレ」

    避難所でも在宅避難でも、災害用トイレの備えは欠かせません。人は1日に平均5〜8回、多い人で12回ほどトイレに行くそうで、必要な備えは「1日12回×家族分×1か月」分——。それなりのコストがかかります。

    「市販の災害トイレは1回100〜300円ほどですが、安価なものは凝固時間が短く、元に戻ってしまうこともあります。ある程度、質も考えると結構なコストがかかります。

    そこで覚えておきたいのが、「PGS=ペットシーツ・ゴミ袋・新聞紙」を使った災害トイレのつくり方です」

    災害用トイレのつくり方

     便座を上げ、ゴミ袋を2枚重ねて便器にかぶせる。

    画像1: 災害用トイレのつくり方

     ペットシーツの吸水面が外側になるようにふたつ折りにし、便器に設置する。

    画像2: 災害用トイレのつくり方

     ちぎった新聞紙を入れて完成。

    画像3: 災害用トイレのつくり方

    〈辻さんのワンポイントアドバイス〉

    災害時のトイレは一分一秒を争います。また、使ったことがないトイレでは安心して用を足すことができません。必ず一度は実際に使ってみてください。


    本記事は『最強版プチプラ防災』(扶桑社)からの抜粋です



    〈撮影/星 亘 取材・文/鈴木靖子〉

    辻 直美(つじ・なおみ)
    国際災害レスキューナース。一般社団法人育母塾 代表理事。
    国境なき医師団の活動で上海に赴任し、医療支援を実施。帰国後、看護師として活動中に阪神・淡路大震災を経験。その後、赴任先の聖路加国際病院で地下鉄サリン事件の対応に従事し、災害医療の道へ。看護師歴35年、災害レスキューナースとしては31年活動し、被災地派遣は国内外合わせて30ヶ所以上。
    現在はフリーランスの看護師として、要請があれば被災地で活動を行うほか、防災教育にも注力。国際災害レスキューナースとして、TBS「ひるおび」、TBSラジオ「ジェーン・スー 生活は踊る」、ベイエフエム「ミラクル」、ABC「おはよう朝日です」、MBS「よんチャンTV」など数多くの媒体に出演。被災地での過酷な経験をもとに、"本当に使えた"防災の「自衛術」を多くの人に知ってほしいと、メディアを通じて啓もう活動を行うとともに、大学や小中学校で教えるだけでなく、企業や一般向けの防災講座も行なっている。

    * * *

    『最強版プチプラ防災』(辻 直美・著/扶桑社・刊)

    画像: 防災のプロに教わる「身近な日用品」で代用する“防災アイテム”の工夫。新聞紙やゴミ袋を使った簡易トイレやペットボトルランタンのつくり方/国際災害レスキューナース・辻直美さん

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    TV、ラジオ、雑誌などメディアに多数出演の国際災害レスキューナース・辻 直美さんが国内外30か所以上のレスキュー経験で得た最新の知見を一冊にまとめました。

    阪神・淡路大震災で実家が全壊し、防災に目覚めた著者・辻直美さん。2019年の大阪府北部地震では震度6弱を経験しましたが、100円ショップのアイテムを駆使して「震度6弱に耐えた家」をつくりあげていたため無傷。同じマンション・同じ間取りの隣の家は住人が大腿骨骨折の重傷を負い、部屋は壊滅。原状復帰に60万円もかかったそうです。
    こうした経験を生かし、お金をかけずに命を守る方法を余すところなく伝授します。

    「プロの備蓄品30品目リスト」、「家にあるものでできる防災リュック」、「ペットの命を守る防災術」、「生死を分ける被災時のアクション」、「在宅避難を可能にする準備」など、“あなたとあなたの家族の命を守る”最新防災情報が満載です。



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