長沼と成田の往復、寒暖差に体がとまどう日々
2拠点生活をスタートして、はじめて迎える冬。製造所を整えたい意図もあって、今年はほとんど千葉で過ごしました。
正月は長沼の家でゆっくりしよう。そう思って1月2日の飛行機で北海道へ。半月ほど留守にしていた家は冷え切っていて、夜になるとうっすらと寒気がしてきました。北海道はやはり、とても寒いのです。
成田の家から空港まで車で30分、新千歳空港から長沼の家も近いから、距離があるわりにすぐ移動できてしまって、体がそのスピードに追いつかないのですね。結局慣れるまでに3日ほどかかりました。

10日ほど滞在して、ふたたび成田へ帰る日は大雪でした。
友人が空港まで送ってくれて、出発は遅れたもののなんとか帰ることができたのですが、そのあとの便はすべて欠航になったそうで、その夜はホワイトアウト(強風とはげしい降雪で視界が真っ白になり、前後の距離などがわからなくなってしまうこと)が発生して大変だった模様。
長沼は平地でひらけているので吹雪いたらほんとうに大変だと皆さんが教えてくれるのですが、運がいいのか悪いのか、晴れ女のわたしはまだ経験したことがありません。

北国の雪対策と、長期不在時の小さな工夫
今年は雪が多かった。札幌に集中して降ったので、札幌にお住まいの方は除雪に追われて大変だったようです。さらに除雪した雪を捨てる場所がない状況だったようで、実家の前のコンビニも道路から見えなくなるほど、駐車場におおきな雪山ができていました。
わたしの住む長沼はもともと雪はそう多くなく、今年はやや多いくらいでしょうか。いずれにせよ、大雪が降った翌日も朝には道路は除雪されていて、日常が送れる北国のあり方はすごいなぁ、とあらためて畏敬の念を覚えた次第。

わが家は除雪を業者の方にお願いしています。交通量の多い国道に面しているので、留守の間に雪が積もったら、道路から除雪された雪が山になってしまって、敷地に入ることができなくなってしまう。それが事故につながりかねません。そもそも駐車場が必要で敷地が広いので、ここはプロにお任せしよう! という判断です。
北国の家を長期不在にする前には、必ずやらなくてはならないことがあります。それは「水落とし」。水道管の中の水を抜くのです。
わが家はレバーひとつ落とせば抜けるようにはしてもらっていますが、それでも完全ではなく、水道管が凍って破裂などしてしまうと大変なことになるので、いちばん寒い1月から2月にいちばん弱くエアコンをかけていったところ、電気代がとんでもないことになりました。痛い勉強代です…。
冬をどう過ごすかはまだまだ模索が必要そう。

冬毛のきつねが丸まっていました
厳しい寒さと冬の美しさのはざまで
北国の暮らしは大変です。除雪もあるし、暖房費もかかる。日照時間が少ないのが苦手という方もいます。

それでも、冬の美しさは格別。-10℃を下回って冷え込んだ朝の、あたらしい雪がふわっと降った白い白い世界や、樹々を氷の結晶を覆う「霧氷」の様子には寒さも忘れて見入ってしまいます。その時しかない、住んでいないと見られない美しさだなと思います。

20年ぶりにスキーもしました。楽しかった!
三寒四温が長く続くのも北国です。今年は雪解けが早く、3月の頭にはもうほとんど溶けてしまいました。
それでもまだ寒く、桜が咲く5月までストーブは必須。じわりじわりと寒暖を繰り返して、ご褒美のように爽やかな夏がやってきます。
ああ、1年ってなんてはやいのでしょうか。

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料理は、あなたのお守りになる。
東京から北海道と千葉へ。2拠点生活をはじめるまでの日常と料理。
疲れたときにも作りたくなる24篇のレシピとエッセイのほか、ふじわらの人気商品「納豆辣油」の家庭用のレシピほか、たれレシピを収録しています。

撮影/伊藤徹也
藤原 奈緒(ふじわら・なお)
料理家、エッセイスト。“料理は自分の手で自分を幸せにできるツール”という考えのもと、商品開発やディレクション、レシピ提案、教室などを手がける。「あたらしい日常料理 ふじわら」主宰。考案したびん詰め調味料が話題となり、さまざまな媒体で紹介される。共著に『機嫌よくいられる台所』(家の光協会)。著書『あたらしい日常、料理』(山と溪谷社)が好評発売中。
インスタグラム:@nichijyoryori_fujiwara
webサイト:https://nichijyoryori.com/
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