• テキスタイルアーティストのタシロユミコさんは、自身の設計で団地をフルリノベーション。壁を造作して窓まわりを軽やかに見せたり、ワンルームをゆるくゾーン分けして書斎のようなスペースを設けたり。そんなタシロさんに、団地リノベの3つの工夫と、インテリアに統一感を持たせる色選びについてお聞きしました。

    インテリアの学びを生かしたこだわりの空間

    テキスタイルアーティスト、タシロユミコさんが住むのは、フルリノベーションを施した東京郊外にある築58年の団地です。

    フルリノベーションにあたっては、以前にインテリアコーディネーターを養成する職業訓練校で学んでいたタシロさんが、自身で設計を担当。間取りから電気の配線まで、自ら設計図を作成したのだとか。

    そうして完成させた部屋は、レトロでモダン、温かみがありながらも洗練された印象です。

    家づくりのヒントがいっぱい詰まったタシロさんのお宅を訪ね、リノベーションの工夫と、インテリアを自然にまとめる色選びについてお聞きしました。

    画像: 夫と愛猫とともに暮らす1LDKの住まい。明るい陽射しがいっぱいに差し込む心地いい空間

    夫と愛猫とともに暮らす1LDKの住まい。明るい陽射しがいっぱいに差し込む心地いい空間

    リノベの工夫①
    “懐かしくて温かい”がテーマの壁と床材

    画像: 合板が貼られた温かみのある壁。壁にかかるタペストリーは、タシロさんの作品

    合板が貼られた温かみのある壁。壁にかかるタペストリーは、タシロさんの作品

    「リビングの一面と玄関の壁には、ラワン材の合板を貼っています。これは吉村順三さんという日本のモダニズム建築を代表する建築家さんがよく採用されていたもの。

    私はミッドセンチュリーデザインや昭和レトロのテイストがすごく好きで、“昭和の応接間”みたいな懐かしさと温かみを感じられる空間をつくりたかったんです。

    また、以前はずっと賃貸暮らしで部屋の壁が壁紙だったので、ペンキ塗りの暮らしに憧れていました。なので、ラワン合板を貼った以外の壁は、ペンキを塗装しています」

    画像: 残りの壁は、白ペンキで塗装しナチュラルな雰囲気に

    残りの壁は、白ペンキで塗装しナチュラルな雰囲気に

    画像: フローリングの床材には「スクールパーケット」を採用。古家具やヴィンテージの家具と相性がいい

    フローリングの床材には「スクールパーケット」を採用。古家具やヴィンテージの家具と相性がいい

    「床材は、最初から“必ずこれ”と決めていた『スクールパーケット』にしました。学校の校舎が木造だった頃によく採用されていたもので、懐かしい雰囲気が好みです」

    リノベの工夫②
    壁を造作することで「外の景色を眺める」が特別に

    画像: 角にアールを施した壁は、新たに造作したもの。家のインテリアと調和するシェードを選んだ。サッシの上部を壁で隠せるから、窓まわりが軽やかな印象に

    角にアールを施した壁は、新たに造作したもの。家のインテリアと調和するシェードを選んだ。サッシの上部を壁で隠せるから、窓まわりが軽やかな印象に

    「おイモちゃんに外の景色を見せたくて、壁に大きな工夫をしています。“壁をふかす”といって、もともとあった壁の手前にもう一枚壁を造作してあるんです。壁の厚み分、部屋は狭くなりますが、角にアール加工を施したり、下にちょっとしたベンチを設けることもできました」

    画像: 愛猫のおイモちゃんは、ベンチに座るのが大好き。窓の景色も眺めやすくなる

    愛猫のおイモちゃんは、ベンチに座るのが大好き。窓の景色も眺めやすくなる

    「サッシ(窓枠)は共用部分なので交換はできませんが、壁をふかすことでサッシを一部隠せるのもいいところですね。

    また、カーテンではなくインテリアに合わせてシェードにしました。『NORMAN』というメーカーのもので、和紙のような素材感がお気に入りです」

    リノベの工夫③
    優先は風通し。ゆるやかなゾーン分けで別室も確保

    画像: 北側の窓の前に遮る壁がなく、風通しが抜群

    北側の窓の前に遮る壁がなく、風通しが抜群

    「全体の間取りを考えるとき、夫から『北から南に風が抜けるように、ドアや壁をつくらないでほしい』とリクエストされました。だったら、いっそのことワンルームにしてしまおうということになったのですが、少しだけゾーニングはしたいと思って。

    CDが並ぶ棚の後ろの壁は、前はなかったものですが、新たに造作してもらいました。そうすることでゆるやかに空間を分けられ、壁の向こう側が別の一室のようになっています」

    画像: ゆるいゾーン分けでできた別室のような空間。デスクを置いて、タシロさんのアトリエに

    ゆるいゾーン分けでできた別室のような空間。デスクを置いて、タシロさんのアトリエに

    「建物が古くて抜けない壁があり、浴槽の規格を大きくできなかったのは残念でしたが、それ以外はとても満足しています。憧れだった要素をめいいっぱい詰め込んだ、理想の家になりました」

    テーマカラーは4色。色数をしぼることでインテリアに統一感を

    モダンなものから民族調のものまで、さまざまなテイストの家具や雑貨が混在しながらも、統一感のあるタシロさんのお住まい。その秘訣を伺うと、それは色選びにありました。

    「自分のなかでテーマカラーを決めていて。それにそって物を選ぶことで部屋が自然にまとまるようにしています」

    タシロさんのテーマカラーは4色。ベースカラーを「ベージュとブラウン」に、差し色を「グリーンとオレンジ」にしています。

    画像: 茶系の壁とプレートに、猫のオブジェのグリーンが映える

    茶系の壁とプレートに、猫のオブジェのグリーンが映える

    画像: 差し色のオレンジが入ったカゴ。隣の浅鉢は、オレンジ×グリーンで差し色2色の組み合わせが楽しい

    差し色のオレンジが入ったカゴ。隣の浅鉢は、オレンジ×グリーンで差し色2色の組み合わせが楽しい

    「基本的にはその4色から選びますが、ほかの色のものを買うことももちろんあって。そのときもテーマカラーを意識して、テーマカラーと相性のいい色を選んでいます」

    【タシロさんイベントのお知らせ】
    タシロユミコ個展 『めぐる糸と』
    タシロユミコ個展 『めぐる糸と』 会期:2026年4月24日(金)~5月11日(月)※期間中、金・土・日・月のみ開場
    営業時間:11:00~17:00

    場所:ngumiti蔵前(ヌグミティクラマエ)東京都墨田区本所1-23-3 2階
    都営大江戸線・蔵前駅から徒歩9分/都営浅草線・浅草駅から徒歩11分
    詳細はタシロさんインスタグラムから。



    〈撮影/星 亘 取材・文/諸根文奈〉

    タシロユミコ(たしろ・ゆみこ)
    “解体と再構築”をテーマに制作するテキスタイルアーティスト。9号帆布からほどいた糸、染め、手刺繍を軸に作品を展開。また、制作過程から生まれたアイデアをsyuunyaan(シューンヤーン)名義でクッションやバッグなど『暮らしの品』としてプロダクトを手がけている。
    インスタグラム@tashiroyumiko_syuunyaan



    This article is a sponsored article by
    ''.