(『天然生活』2025年7月号掲載)
お坊さんに聞く、心と暮らしの片づけ方
仏教では「心が整っていれば、環境も整う」と考えます。
「仏教における片づけの目的は、場をきれいに整えることではありません。片づけは自分の『Habitat=自分の暮らすあらゆる環境』とていねいに向き合うことなのです」
片づけを「Habit=習慣」とすることで、自分のHabitatが耕され、いつの間にか心の内側が整う。そんな、自分自身を育てることにつながる仏教の教えを、僧侶の松本紹圭さんに聞きました。
片づけに完璧を求めない

片づけを日常の習慣として続けられない自分に落ち込んだり、完璧に片づけようとして息切れしていたりしていませんか?
親鸞聖人は自身を「煩悩具足(ぼんのうぐそく)の凡夫」と語っています。
「煩悩具足の凡夫」とは、人間は煩悩や迷い、弱さを抱えている存在であることを意味します。つまり、人はそもそも弱いものなのだから、うまくできない日があっても、それが自然な姿だということ。
完璧にできない自分を責める必要はありません。完璧というものは観念に過ぎず、どこにもないと親鸞聖人はいっています。
片づけが続かなくても、そのたびに自分を整え直そうとまた始めること、完璧でなくても小さくコツコツ続けること。そういう姿勢こそが大切なのです。
〈監修/松本紹圭 取材・文/工藤千秋 イラスト/赤池佳江子〉
松本紹圭(まつもと・しょうけい)
浄土真宗本願寺派光明寺僧侶。武蔵野大学客員教授 カンファ・ツリー・ヴィレッジ統括プロデューサー。著書『お坊さんが教えるこころが整う掃除の本』(ディスカヴァー・トゥエンティワン)は世界20カ国語で翻訳出版。noteマガジン「松本紹圭の方丈庵」、ポッドキャスト「Temple Morning Radio」(平日毎朝朝6時配信)など。
※記事中の情報は『天然生活』本誌掲載時のものです





