(『天然生活』2025年7月号掲載)
片づけに精を出すと心が自由になる
片づけに集中していると、いつの間にか頭の中が静かで空っぽになる経験をしたことがある人は多いのではないでしょうか。
片づけに精を出すことは、何かを「思い通りにしたい」という自分だけの視点(パースペクティブ)や、何かに執着する気持ちから自分を切り離してくれる効果があります。
手を動かしているうちに「いま、ここにいる」感覚が生まれ、「あるがまま」をすんなりと受け入れられるようになるのです。
これこそが、Habitatと向き合うということです。何ものにもとらわれない、本当の心の自由を手に入れ、穏やかな心地よさが広がるのを感じられるでしょう。
片づけのキーワード その1
【Habitat】
暮らしの環境。住まいや毎日乗る電車、職場や学校、買い物する街など自分が関わり、自分を形成するすべて

心豊かで自由な人生を送りたい。そのためには「いま、ここに、あるがまま」であることが大切だと、仏教では教えます。
そんな「いま、ここに、あるがまま」の姿勢は、猫の姿から学べると、光明寺僧侶の松本紹圭さんは語ります。
「猫は昨日のことを悔やんだり、明日の心配したりすることはなく、“いま自分がどうしたいか”だけを考えています。まずは猫のように目の前の暮らしをただあるがまま見つめてみてください。そして、その暮らしを小さく片づけていくと、自分がいま、どうしたいのかが、なんとなく見えてくるようになります」
片づけのキーワード その2
【猫に学ぶ】
猫は後先を考えずいまを生きている。だから心が平穏
仏教では「心が整っていれば、環境も整う」と考えます。
「仏教における片づけの目的は、場をきれいに整えることではありません。片づけは自分の『Habitat=自分の暮らすあらゆる環境』とていねいに向き合うことなのです」
人間の内と外はつながっています。片づけを「Habit=習慣」とすることで、自分のHabitatが耕され、いつの間にか心の内側が整うのを感じられるようになると、松本さんは話します。
「つまり、片づけでHabitatを整えることが、自分自身を育てることになっていくのです」
片づけのキーワード その3
【Habit】
習慣。片づけを習慣づけよう
〈監修/松本紹圭 取材・文/工藤千秋 イラスト/赤池佳江子〉
松本紹圭(まつもと・しょうけい)
浄土真宗本願寺派光明寺僧侶。武蔵野大学客員教授 カンファ・ツリー・ヴィレッジ統括プロデューサー。著書『お坊さんが教えるこころが整う掃除の本』(ディスカヴァー・トゥエンティワン)は世界20カ国語で翻訳出版。noteマガジン「松本紹圭の方丈庵」、ポッドキャスト「Temple Morning Radio」(平日毎朝朝6時配信)など。
※記事中の情報は『天然生活』本誌掲載時のものです




