• 生きづらさを抱えながら、自傷、自殺未遂、依存症、摂食障害、心の病と闘っていた咲セリさん。不治の病を抱える1匹の猫と出会い、その人生が少しずつ、変化していきます。生きづらい世界のなかで、猫が教えてくれたこと。猫と人がともに支えあって生きる、ひとつの物語が始まります。今回は「よく鳴く猫=おしゃべり猫」のお話です。

    「あまりによく鳴く猫」と暮らす、小さなコツ

    まずは「困った子」より、“おしゃべりな子”として見てみます

    もちろん体調確認は大切ですが、元気で食欲もあるなら、“鳴くことが得意な性格”の子もいます。人間にも、おしゃべりな人がいるように。

    私は、鳴くヨナに関西弁のおばちゃん翻訳をして遊びます。「うち、いま、ノリノリでっせー!」

    「理由探し」に疲れすぎないようにします

    毎回「何かあるのでは」と考え続けると、人間のほうがへとへとになります。とくに保護猫は、“ただ鳴きたい日”も案外あります。

    自分を責めたり、心配しすぎないのも、長くつきあっていく秘訣です。

    「全部は応えない日」もあっていい

    鳴くたび全部対応すると、人も猫も大忙しです。「はいはい、聞こえてるよ」と声だけ返すと、意外と満足することもあります。

    夜鳴く子は、就寝前に、“満足セット”を意識します

    遊ぶ、ごはん、安心できる場所。全部が揃うと、夜の大演奏会が少し短くなることがあります。

    遊ぶことに関しては、あまり直前に遊びすぎると、テンションが上がってしまいよけい鳴くこともあるため、1時間くらい前にしましょう。

    リラックス効果のあるサプリメントも

    あまりに落ちつかない猫の場合は、動物病院などで相談のうえ、心を落ち着かせる医薬品やサプリメントもあります。

    代表的なのは、リラックス効果をうながすものや、不安を和らげたり、脳の興奮を抑えたり、幸せホルモンを出したりするものがあります。

    人間の時間も守る対策を

    寝ているときの発声練習は、どれだけかわいくても、眠れない人間が疲れてしまう場合があります。
    ときには、心を鬼にして寝室に入れない日をつくったり、耳栓を使うなど、自分を守ることもよしとしましょう。

    “急に静かになる”変化だけは気にしておきます

    ずっと鳴いていた子が急に静かすぎるときは、体調の変化のこともあります。「鳴く」がその子らしさなら、その変化も大切なサインです。

     

    夜、部屋が静かになったころ、ヨナがまた突然、「アアーーー!」と鳴きました。

    思わず時計を見ると、深夜1時です。できれば、もう少し早い時間に開催してほしい。

    でも、その声を聞きながら、ふと思うのです。

    まめのように、ヨナも鳴かなくなる日がくるのかもしれない。そうしたら、このおしゃべりな時間も「もっと聞いていたかったな」と思うのでは、と。

    ......やっぱり、「少しだけ」、ですが(笑)。

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    画像: “急に静かになる”変化だけは気にしておきます

    咲セリ(さき・せり)
    1979年生まれ。大阪在住。家族療法カウンセラー。生きづらさを抱えながら生き、自傷、自殺未遂、依存症、摂食障害、心の病と闘っていたところを、不治の病を抱える猫と出会い、「命は生きているだけで愛おしい」というメッセージを受け取る。以来、NHK福祉番組に出演したり、全国で講演活動をしたり、新聞やNHK福祉サイトでコラムを連載したり、生きづらさと猫のノンフィクションを出版する。主な著書に、『死にたいままで生きています』(ポプラ社)、『それでも人を信じた猫 黒猫みつきの180日」(KADOKAWA)、精神科医・岡田尊司との共著『絆の病──境界性パーソナリティ障害の克服』(ポプラ社)、『「死にたい」の根っこには自己否定感がありました──妻と夫、この世界を生きてゆく』(ミネルヴァ書房、解説・林直樹)、『息を吸うたび、希望を吐くように──猫がつないだ命の物語』(青土社)など多数ある。

    ブログ「ちいさなチカラ」



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