• 生きづらさを抱えながら、自傷、自殺未遂、依存症、摂食障害、心の病と闘っていた咲セリさん。不治の病を抱える1匹の猫と出会い、その人生が少しずつ、変化していきます。生きづらい世界のなかで、猫が教えてくれたこと。猫と人がともに支えあって生きる、ひとつの物語が始まります。今回は、猫たちの梅雨支度のお話です。

    梅雨どき、猫と気持ちよく暮らす小さな工夫

    「冷やす」より、“湿気を逃がす”を意識します

    猫は冷たい風が苦手な子も多いです。冷房を強くするより、弱めの除湿のほうが落ち着くことがあります。

    風は直接当てず、“空気だけ動かす”

    サーキュレーターを壁や天井に向けると、部屋の空気がやさしく回ります。猫に風が直撃しないだけで、過ごしやすさが変わります。わが家は天井扇を逆回転しています。

    猫が選べる場所を残しておきます

    床、ラグ、段ボール、毛布。温度の違う場所があると、猫はその日の“ちょうどいい”を自分で探します。とくに段ボールは、コストもかからないのに人気スポットです。

    除湿中でも、水はいつもより多めに置いておきます

    梅雨時は湿気があるぶん、意外と水分不足に気づきにくいことがあります。冷蔵庫の上が好きなこころみたいな子のためにも、高い場所や静かな場所にも水を置くと、飲む量が少し増えることがあります。

    “ひんやりグッズ”は、使わなくても置いておきます

    アルミプレートや接触冷感マットは、「絶対乗ってください」より、“選択肢として置いておく”くらいがちょうどいいです。最初は完全に無視していたのに、ある日突然、当然の顔で使い始めることがあります。

     

    夜になると、猫たちはどんどんリビングに集まり、人間の見える場所で眠っています。

    「あのイヤな機械をつけなくても、涼しい時間になりましたよ」
    「さあ、存分に撫でましょう」

    画像: 夜になると、撫でられ待ちに

    夜になると、撫でられ待ちに

    その姿を見ていると、じめじめした梅雨の夜も、なんだか少し笑えて、悪くないなと思うのです。

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    画像: “ひんやりグッズ”は、使わなくても置いておきます

    咲セリ(さき・せり)
    1979年生まれ。大阪在住。家族療法カウンセラー。生きづらさを抱えながら生き、自傷、自殺未遂、依存症、摂食障害、心の病と闘っていたところを、不治の病を抱える猫と出会い、「命は生きているだけで愛おしい」というメッセージを受け取る。以来、NHK福祉番組に出演したり、全国で講演活動をしたり、新聞やNHK福祉サイトでコラムを連載したり、生きづらさと猫のノンフィクションを出版する。主な著書に、『死にたいままで生きています』(ポプラ社)、『それでも人を信じた猫 黒猫みつきの180日」(KADOKAWA)、精神科医・岡田尊司との共著『絆の病──境界性パーソナリティ障害の克服』(ポプラ社)、『「死にたい」の根っこには自己否定感がありました──妻と夫、この世界を生きてゆく』(ミネルヴァ書房、解説・林直樹)、『息を吸うたび、希望を吐くように──猫がつないだ命の物語』(青土社)など多数ある。

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