年間50種類以上・自家消費約8割の畑が“暮らしの軸”に
私は東京郊外の住宅地で家庭菜園を楽しんでいます。市の貸し農園など、いくつかの畑を合わせると広さは全部で1.5畝(約150㎡)弱。自宅から自転車で5分ほどの場所にあります。
畑では年間50種類以上の野菜を育てています。いろいろな種類を育てるために心がけているのは、一度に植える量を少なくすること。
「少量多品目」で栽培することで、現在では自家消費する野菜の約8割をまかなえるようになりました。

そしていまでは、野菜づくりは単なる食料生産ではなく、私の暮らしの軸となり、なくてはならない存在になっています。
今回は、これから家庭菜園を始めてみたいという方、まだ迷っている方へ、その魅力についてお話ししたいと思います。
いいことだらけ! 家庭菜園のおすすめポイント4つ
まず、家庭菜園は単に「野菜をつくる」だけではありません。私が実感している家庭菜園の魅力を4つご紹介します。

畑の中にいるだけで心が落ち着く
家庭菜園のすすめ①
いい運動になる
鍬(くわ)やスコップで土を掘ったり、畝を立てたりするのは意外に力を使います。
ほかにも草を刈ったり、運んだり、かがんだりと、畑仕事は全身を使う作業がとても多く、適度ないい運動になります。
私の場合は自転車で往復するので、その分も運動になっています。
家庭菜園のすすめ②
頭をよく使う
狭い畑こそ、緻密な計画が必要です。
「そら豆を収穫したらすぐにサツマイモを植える」など、少ない面積を効率よく使うためには、何をいつどこに植えるのか、しっかり作戦を立てます。
家でも畑ノートを見ながら計画を立てるのはワクワクする時間です。
家庭菜園のすすめ③
採れたての野菜が味わえる
家庭菜園の野菜ほど採れたての新鮮な野菜はありません。ツヤツヤでみずみずしくて、本当においしい。
多くの種類を育てなくても、何か1種類でも、自分で収穫したての野菜が食卓に並ぶだけで十分満足できるものです。
家庭菜園のすすめ④
自然に寄り添い、心が豊かになる
土に触れ、植物や虫など生き物と過ごす時間は、私にとってかけがえのないもの。
私の場合は、それが家庭菜園に夢中になる一番の理由かもしれません。

自然の造形美にうっとり

採れたてがおいしい枝豆は家庭菜園ならでは
さあ、いまから始めてみましょう
ところで、「家庭菜園は老後の楽しみのひとつ」といったイメージをもつ方もいるのではないでしょうか。
しかし、先ほどお話ししたように、野菜づくりにはある程度の体力と経験が必要です。
たとえば、夏にトマトの苗を買ってきてひと夏だけ収穫を楽しむのであれば、それほど難しくありません。けれども、年間を通して限られた面積の畑でさまざまな野菜を育てようとすると話は別です。
野菜づくりは、それぞれの季節の気温や天候など、自然の変化に従いながら行うもの。畑の状態もひとつとして同じものはありません。実際に何度も経験することで、少しずつうまくできるようになるのです。

撮影/山川修一
たとえば、私がこれからあと10年野菜づくりを続けられるとしたら、トマトの栽培を経験できるのはたった10回です(夏は10回しかありません)。
季節ごとにさまざまな野菜を上手に育てられるようになるには、経験を積み重ねながら少しずつレベルアップしていくしかないのです。私自身も、いまだに失敗を繰り返しながら学び続けています。
だからこそ、始めるなら「いつか」ではなく「いま」がおすすめです。
初めは苗を買ってきて植えてみたり、ベビーリーフのように短期間で収穫できる野菜を種から育てたりするのもいいですね。キッチンハーブはおいしく、見た目も美しく、少量でも暮らしを豊かにしてくれます。

レタスなどの葉菜類も少量ずつ育てると便利
また、有機栽培にこだわりすぎる必要もありません。無理をせず、自分に合った方法や資材を選びながら徐々に自分のやり方を見つけていきましょう。
畑なら、まずは小さな一畝から。ベランダなら、まずはプランターひとつから。
少しずつ、ていねいに。野菜づくりのある暮らしを始めてみませんか。

さとうゆみこ
フラワー&グリーンスタイリスト。「green & knot」主宰。フラワーショップやインテリアショップ勤務、専門学校の講師を経て、現在はフラワーコーディネイトやグリーンアドバイザーのほか、植物にまつわる幅広いジャンルで活躍。自宅で定期的に行なうフラワーレッスンも好評。都心の家庭菜園で、小さな循環型暮らしを模索中。
インスタグラム:植物のこと @yumikosatooo 畑と土のこと @soillife





