(『天然生活』2025年8月号掲載)
暑い夏でも快眠できる、4つの方法
暑さやじめじめで寝苦しい、忙しくて睡眠不足、寝ても疲れがとれない……。そんな人に、今日からすぐに実践できる、快眠テクニックを睡眠学の権威である筑波大学教授の柳沢正史先生に教えてもらいました。
1.寝室は、帰宅してから朝までエアコンをオン

夏の日中、家を留守にすると、部屋に熱がこもりやすいもの。帰宅したらまずすべての部屋を換気して湿気や熱気を外に逃がし、リビングだけでなく寝室のエアコンをオンに。寝るまでの間に、寝室を適温に整え、朝までそのまま運転して快適な環境を保つことが大切です。
電気代がかかっても、睡眠の質を上げることを優先しましょう。室温の目安は22~26℃ですが、快適に感じる室温は個人差があるうえ、エアコンの効きは外気温に左右されます。設定温度に頼らず、デジタルの温湿度計を活用して、朝まで心地よい温度に調整してください。
2.夏でも薄手のものを1枚掛けて寝る

夏とはいえ、寝具を掛けずに寝ると、睡眠中の体温調節ができなくなり、睡眠の質が下がります。薄手の掛け布団やタオルケットなどを1枚掛けて寝るようにします。
何も掛けないのがちょうどいいのは、寝室の温度が高すぎるということ。寝具を1枚掛けた状態で快適になるように室温を整えましょう。ひんやりした感触の接触冷感素材の敷き寝具や枕カバーもおすすめです。
また、足の裏は体温調節に重要な“放熱器”として働きます。深部体温を下げてスムーズな入眠を促すためにも、靴下は履かないほうが望ましいです。
3.パジャマは涼しく、窮屈でないものを

パジャマに着替えて眠ることで、心と体が「睡眠モード」に切り替わります。パジャマは、締めつけのないゆったりしたデザインで、季節に合った素材を選ぶことがポイント。
夏は薄手の綿や麻などの、涼しく、通気性や吸水性に優れる素材がおすすめです。パイルやガーゼなど、好みの肌触りのものを選びましょう。
おなかが冷えると目が覚めやすいので、寝相が悪い人は、トップスをズボンに入れておくと安心です。疲労回復効果があるとされるリカバリーウエアを着用する場合は、肌に密着しないゆるさがあり、熱がこもりにくい夏用のものを。
4.起きる時間まで寝室を暗く保つ

日の出の早い夏は、4時ごろから外が明るくなり始めます。明るい光には覚醒を促す作用があり、日の出とともに部屋が明るくなると、目が覚めてしまったり、起きる直前のレム睡眠の質が下がったりしてしまいます。
そうならないように、遮光カーテンを使って、起きる時間まで寝室を暗く保ちましょう。カーテンを替えられない場合は、アイマスクなどで光が入らない工夫を。
起床時間になったら、朝日を十分に浴びることが大切です。太陽の光の刺激で体内時計がリセットされ、体のリズムが整い、夜もよく眠れるようになります。
〈監修/柳沢正史 取材・文/熊坂麻美 イラスト/芳野〉
柳沢正史(やなぎさわ・まさし)
筑波大学国際統合睡眠医科学研究機構機構長・教授、医学博士。31歳で渡米し、24年間にわたり米国で研究室を主宰。睡眠を制御する「オレキシン」の発見者。米国科学アカデミー正会員。紫綬褒章、朝日賞、文化功労者、ブレークスルー賞など受賞多数。『快眠法の前に 今さら聞けない 睡眠の超基本』(朝日新聞出版)監修。
※記事中の情報は『天然生活』本誌掲載時のものです
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