• 全国のつくり手を訪ね歩き、日本の手仕事の魅力を発信する手仕事キュレーター・関根大地さんの“手仕事案内”。今回は、関根さんが訪ねた植物独創家「cafcaHANAtoKAZEnoHI(カフカハナトカゼノヒ)」さんの岡山県のアトリエを拝見。植物を使った作品で「夏の涼」を暮らしの中に取り入れる工夫を学びます。

    風と音を楽しむ“夏の涼”を、暮らしの中に

    夏になると、つい冷房の温度を下げたり、冷たい飲み物を飲んだりして暑さをしのぎたくなりますよね。

    でも、日本には昔から、風の通り道をつくったり、木漏れ日の揺らぎを眺めたり、涼やかな音に耳を澄ませたりと、五感で「涼」を楽しむ暮らしがありました。

    暑さをなくそうとするのではなく、その季節ならではの心地よさを味わう。そんな夏の過ごし方です。

    画像: 僕がcafcaさんのアトリエにお伺いしたときの1枚です

    僕がcafcaさんのアトリエにお伺いしたときの1枚です

    今回訪ねたのは、植物を使った手仕事を続ける「cafcaHANAtoKAZEnoHI(カフカハナトカゼノヒ)」さんの岡山県倉敷市児島に構えるアトリエ。

    cafcaさんは自然の素材をみずから採取し、その植物がもつ美しさを生かしながら作品を生み出しています。

    作品を初めて見たとき、どれも植物からつくられているのに、完成するものはひとつひとつまったく違う。その表現の幅に惹かれました。

    「この植物はどうやって手に入れているんですか?」と伺うと、「歩いていたら、その辺にあるよ〜。なんなら東京にもあったよ」と、教えてくれました。

    画像: アトリエ付近で植物を採取し、満面の笑みで歩くcafcaさん

    アトリエ付近で植物を採取し、満面の笑みで歩くcafcaさん

    その言葉を聞いてから、東京の街を歩くときも、これまで以上に植物の存在に目が向くようになりました。

    植物を見ていると、なんだか穏やかな気持ちになる。そんなことに気づかせてくれたのが、cafcaさんでした。

    画像: cafcaさんが制作している様子

    cafcaさんが制作している様子

    cafcaさんの作品には見た目の美しさだけではなく、風や光をやさしく受け止め、暮らしの中にそっと涼を運んでくれる魅力があるように感じています。

    ここからは、そんなcafcaさんのものづくりと、僕が実際に暮らしの中で取り入れている作品を紹介します。

    自然の造形を生かす「cafcaHANAtoKAZEnoHI」さんのものづくり

    画像: 落ち葉のモビールとジュズダマの装身具

    落ち葉のモビールとジュズダマの装身具

    「cafcaHANAtoKAZEnoHI」さんは、四季折々の植物を使い、装身具やオブジェなどを制作されています。

    アトリエ付近の山や道端を歩き、ご自身で採取した植物をドライにして吊るしているなど、暮らしのあちこちに植物があふれている作家さんです。

    「植物は、自然が何年もかけて生み出した完成された造形なんです」

    そう話してくださった言葉が、とても印象に残っています。

    画像: 左上:ジュズダマの装身具、左下:樹皮で編まれたブレスレットと草花のモビール、右下:拾った石×花の置物

    左上:ジュズダマの装身具、左下:樹皮で編まれたブレスレットと草花のモビール、右下:拾った石×花の置物

    だからこそ人工的な色づけはできるだけせず、その植物が本来もつ色や形を生かし、「土へ還る」ものづくりを大切にされています。

    今回、僕も「アカメガシワ」の採取から、皮をはいで乾燥させる工程まで体験させていただきました。アカメガシワは山や道端に生えている落葉樹。川沿いなどで見たことある方もいらっしゃるかもしれません。

    画像: アカメガシワを採取している様子

    アカメガシワを採取している様子

    画像: アカメガシワの樹皮を剥ぎ、丸めて乾燥させています

    アカメガシワの樹皮を剥ぎ、丸めて乾燥させています

    歩きながら素材を探し、植物と向き合い、自分の手で少しずつ形になっていく。

    その時間そのものに豊かさを感じている、とcafcaさんは話してくださいました。

    画像: アカメガシワの樹皮で編まれた作品たち

    アカメガシワの樹皮で編まれた作品たち

    作品を眺めていると、不思議と涼しい森の中にいるような気持ちになります。

    風が木々を揺らす音や、葉っぱの気配まで感じられるようで、自然と心が落ち着いていくんです。

    ここからは、僕が暮らしの中で愛用している作品を2つご紹介します。



    画像: ②音を楽しむ、ジュズダマのアクセサリー

    関根大地(せきね・だいち)
    手仕事キュレーター。“日本の伝統産業や手仕事をより身近に”という想いのもと、全国のつくり手を訪ね歩きながら、その魅力をインスタグラムで発信する。東京・蔵前にある店舗兼ショールーム「ngumiti蔵前」を藍田留美子さんと共同運営。また、アパレルブランド「UNFOLK」の運営サポートや和紙ブランド「SIWA」とのコラボアイテム制作にも携わる。
    インスタグラム:@daichi.sekne
    ngumiti蔵前:@ngumiti_kuramae



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