• いざというときに備えたいけれど、何から始めればいいかわからない……そんな人はまず「ふだんの暮らしの延長でできる防災の工夫を」というのは、23年間で13回の引っ越しを経験した整理収納アドバイザー防災備蓄収納1級プランナーでもある吉開景子さん。住む場所が変わっても安心できる“もしも”に備える3つの視点を教えてくれました。

    「もしも」を考えることから、わが家の防災が始まった

    防災というと、非常食や防災グッズを準備することを思い浮かべるかもしれません。 でも私が大切にしているのは、いつもの暮らしのなかに、少しだけ「もしも」の視点を取り入れること。

    23年間で13回の引っ越しを経験し、住む場所が変わるたびに、さまざまな災害を身近に感じてきました。

    大雨で内水氾濫が起きたときには、大切なものを2階へ移したり。また別の地域では、近くのいくつかの川が氾濫しそうになり、避難場所の状況を確認して、別のところへ避難したこともあります。

    2005年に起きた福岡県西方沖地震(最大震度6弱)では、自宅マンションの9階にいて、寝室にベッド以外の家具を置いていなかったので、「ここが一番安全」と思えました。

    そんな経験から、引っ越すたびに「もしもここで災害が起きたら?」と考えながら、家具の配置や収納場所を決めるようになりました。

    また、防災のために新しいものを買い足す前に、いま、あるものでできることを考える。 わが家ではそんなふうに、暮らしのなかにあるものを活かしながら備えています。

    “もしも”の視点01
    寝る場所は、安全で安心する場所に

    画像: “もしも”の視点01 寝る場所は、安全で安心する場所に

    寝室には、できるだけ家具を置かない

    2005年に寝室で地震を経験してから、あらためて、どんな家に引っ越しても寝室には家具を増やさず、収納は造り付けを活用するよう、強く意識するようになりました。いまもあるのはベッドと、目覚まし時計などを置く小さな棚くらいです。

    以前、夜に地震があったとき、クローゼットの扉を閉め忘れていて「中のものが飛び出してきたら……」と怖く感じたことがありました。それ以来、寝る前にしっかり扉を閉めることも習慣になりました。

    画像: 置き場所にしているのは、娘が小さいころに遊んでいたおままごとキッチンの椅子。収納つきで高さもぴったりでした

    置き場所にしているのは、娘が小さいころに遊んでいたおままごとキッチンの椅子。収納つきで高さもぴったりでした

    枕元には「もしものときにあると安心なもの」を置く

    ベッドから手を伸ばせる場所には、目覚まし時計やペットボトルの水のほか、テレビつきラジオと、懐中電灯を置いています。

    下の収納部分には、もしものときに足を守るための靴も。娘がサイズアウトした上靴がまだきれいで使えたので、再利用。ベッドの反対側には夫の分も、娘の部屋にも同じセットを常備しています。

    “もしも”の視点02
    防災は日常の延長。使いたいものを、使いたい場所に

    画像: “もしも”の視点02 防災は日常の延長。使いたいものを、使いたい場所に

    日用品も防災用品も「いつ、どこで使うか」が重要

    災害が起きたとき、「防災グッズ、どこだっけ?」と探している時間はありません。

    だから私は、防災用品を1カ所に集めるより、「いつ、どこで使うか」を考えて置き場所を決めています。たとえばトイレ用の袋や凝固剤は、トイレ用品と一緒に。

    日常的に使うもののなかにも、もしものときに役立つものがあります。

    数年前、コロナ禍で仕事先に軍手やビニール手袋、消毒液、ウェットティッシュなどを持参するようになり、ふだんから使っているものが、災害時の衛生面や安全確保にも役立つことに気づきました。

    ラップやジップロック、紙皿や紙コップ、割り箸など、「これ、災害時にも使えるな」と気づいてから、いつも使うキッチン近くの引き出しに、家族が数日使えるくらいの量を常備するようになりました。

    画像: 日用品も防災用品も「いつ、どこで使うか」が重要

    外出するときは、小さな防災ポーチをバッグに

    県外に一泊で出かけたときに、「もしいまここで災害が起きたら、私は困るんじゃない?」と考えたことがきっかけでした。

    中身は、携帯トイレ、ヘッドライト、ホイッスル、薬やバンドエイド、圧縮タオル、防寒シート、財布とは別の予備の現金など、自分が「これがあったら安心」と思うものを選んでいます。

    毎日持ち歩くものだから、できるだけ軽く、コンパクトに。サイズに合わせて透明の袋に小分けにするのは、わかりやすく、取り出しやすくておすすめです。冬にはカイロを加えるなど、季節によって中身も見直しています。ほとんどは100円ショップで購入したものです。

    “もしも”の視点03
    いつもの食材+「これがあるとうれしい」も備えたい

    画像: “もしも”の視点03 いつもの食材+「これがあるとうれしい」も備えたい

    食品も、特別な非常食だけをたくさん用意するのではなく、ふだん食べているものを少し多めに常備します。

    とくにわが家にはオカメインコの“あずき”がいるので、なにかあってもなるべく自宅で過ごせるように、水や食料は、家族の人数×7日分をひとつの目安に。使ったら買い足す「ローリングストック」なら、いつもの買い物の延長で続けられます。

    画像: オカメインコの“あずき”。この子を守ることも考えて備えています

    オカメインコの“あずき”。この子を守ることも考えて備えています

    災害が起きたら、冷蔵庫にあるものから食べることも想定します。ふだんの食品ストックや長期保存できる食品と合わせて使えるように意識しています。

    そして、「これがあると嬉しい」も、じつは大切な備え。食品を選ぶときには、甘いものや好きなものも忘れません。災害時は、ふだんとは違う環境で過ごすことになります。そんなとき、食べ慣れたものや甘いものがあると、少し気持ちが落ち着くことも。

    わが家では、日もちするカルピスやゼリーなどもストックしています。

    暮らしのなかで、できることから

    あれもこれもと、変えなくても、できることはあります。 まずはいまの暮らしを見渡して、「もしも、いま、災害が起きたら?」と考えることから始めましょう。

    特別なものをたくさん揃えるより、いまあるものや、いつもの習慣を少し見直してみる。できることを、ひとつずつ増やしていけばいいと思っています。

    吉開さんの「もしも」の備え

    ☑ 寝室に家具を増やさない
    ☑ 寝る前はクローゼットの扉をしっかり閉める
    ☑ 枕元に「安心するもの」を置く
    ☑ 使うものを、使う場所の近くに置く
    ☑ ふだんの食品や日用品を少し多めに常備する
    ☑ 外出時は防災ポーチを携帯する
    ☑ 「あるとうれしいもの」も備えておく



    画像: 暮らしのなかで、できることから

    吉開 景子(よしがい けいこ)
    整理収納アドバイザー。23年間で13回の引っ越し経験を生かし、整理収納だけでなく、防災や家具配置まで含めた住まいづくりを提案している。ルームスタイリスト・プロ認定講師、防災備蓄収納1級プランナー。延べ数百件以上の家庭をサポート。
    インスタグラム:kurashiirodori.kei
    HP:home | 暮らしいろどり



    This article is a sponsored article by
    ''.