• 生きづらさを抱えながら、自傷、自殺未遂、依存症、摂食障害、心の病と闘っていた咲セリさん。不治の病を抱える1匹の猫と出会い、その人生が少しずつ、変化していきます。生きづらい世界のなかで、猫が教えてくれたこと。猫と人がともに支えあって生きる、ひとつの物語が始まります。今回は、ごはんを選り好みする猫に、おいしく食べてもらうための工夫を紹介します。

    猫がおいしくごはんを食べるために、わが家でしているちょっとした方法

    一度にたくさん盛りすぎない

    少量ずつ出したほうが、香りが飛びにくく、食べ残しも減らせます。食べたあとに少し足すと、「新しく出してもらった感」も生まれるようです。古くなったものを長時間置き続けないことも大切です。

    ウェットフードは少し温める

    冷蔵庫から出したばかりのものは、ほんのり人肌程度に温めると香りが立ちます。熱くなりすぎないよう、よく混ぜて確認すると安心です。

    器を清潔に保つ

    猫は、人が思う以上ににおいに敏感なようです。食べ残しのにおいや洗剤の香りが気になって、食べなくなることもよくありました。浅くてひげが当たりにくい器を好む子もいます。

    静かに食べられる場所を用意する

    わが家のような多頭飼いでは、ほかの猫が近くにいるだけで落ち着かない子もいます。一定の距離を保ち、少し離れた場所に置いたり、安心して背中を向けられる場所や、猫によっては高い場所に器を置きます。

    おやつを先回りして出しすぎない

    わが家の失敗。ふだんのごはんを残すたびに好物を出すと、「待てばもっとおいしいものが出てくる」と覚えてしまいました。いまは、おやつは時間や量をある程度決めています。

    食べない状態が続くときは、わがままと決めつけない

    急に食欲が落ちたときや、食べたそうなのに食べられない様子があるときは、口の痛みや体調不良が隠れていることもあります。いつもと違う状態が続く場合は、軽く考えず、動物病院へ相談しています。

     

    こちらがあれこれ工夫している横で、猫は気まぐれにひと口食べて、また立ち去ります。けれど夜が明けると、空になったお皿がある。

    「食べられるんやん」と笑いながら、その小さな完食に安心する。

    そんな毎日の繰り返しも、猫と暮らす幸せのひとつなのだと、わがまま姫と王子を眺める日々なのです。

    ◇ ◇◇ ◇◇


    画像: 食べない状態が続くときは、わがままと決めつけない

    咲セリ(さき・せり)
    1979年生まれ、大阪在住。作家、家族療法カウンセラー。夫と10匹の元保護猫と暮らす。心の病や生きづらさを抱えるなか、不治の病をもつ一匹の猫との出会いをきっかけに、「命は、生きているだけで愛おしい」ということを知る。以来、生きづらさのなかにある小さな希望を、ノンフィクションや小説、エッセイに綴りつつ、NHKの福祉番組への出演、全国での講演などでも活動。主な著書に、『死にたいままで生きています』(ポプラ社)、『それでも人を信じた猫 黒猫みつきの180日』(KADOKAWA)など。

    note:https://note.com/sakiseri

    ◆ブログ「ちいさなチカラ」

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    「ひとりきりでも、揚げたてコロッケはおいしいけれど、絶滅の前夜、恐竜たちは、誰かと何かを食べたのだろうか」
    大阪の片隅。この世界からこぼれそうな人たちが、ふっと息をつけるうらぶれた居酒屋「飛鳥」。

    ・本日のフランス料理「ちくわぶとねぎのグラタン」
    ・自動販売機の50円のカフェオレチューハイ
    ・猫も喜ぶどて焼きオムレツ
    ・裏メニュー「ぐちゃまぜ豆腐丼」

    雑であたたかなごはんと、傷を負った人々の泥臭いぬくもりを描いた、絶望のなかにあるちいさな灯りの物語(全4編)。



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