• 全国のつくり手を訪ね歩き、日本の手仕事の魅力を発信する手仕事キュレーター・関根大地さんの“手仕事案内”。今回は、関根さんが暮らしのなかで愛用するかごについて。産地も素材もつくり方も違う、世界の3つのかごの魅力と使い方を紹介します。

    暮らしを彩る、世界の3つのかごと収納

    かごが好きです。外に持って出かけるバッグとして使うことも多いですが、家のなかでも、いくつかのかごを使っています。

    僕が手仕事のものを選ぶときに大切にしているのは、産地や技法の美しさだけではありません。

    いつも心がけているのは、「よいと思ったものはまずは手に取ってみる、使い方は暮らしのなかで考える」ということ。

    画像: 僕が愛用している3つのかご

    僕が愛用している3つのかご

    今回は、僕が日々愛用している3つのかごをご紹介します。

    画像: 左からガーナのエレファントグラスのかご、タイの水草のかご、日本の山葡萄かご

    左からガーナのエレファントグラスのかご、タイの水草のかご、日本の山葡萄かご

    生まれた場所も、素材も、つくり方もそれぞれ違いますが、どれも僕にとっては、暮らしのなかで“使いたくなるもの”です。

    愛用のかご01
    バッグとして、収納として使える「山葡萄かご」

    画像: 愛用している手づくりの山葡萄かご

    愛用している手づくりの山葡萄かご

    僕が山葡萄かごを制作したのは、いまから5年ほど前。社会人一年目、少ない給料のなか、山葡萄かご作家・高井先生のかご編みワークショップに思い切って参加しました。

    画像: かご編みワークショップで制作したときの様子

    かご編みワークショップで制作したときの様子

    基本的にはバッグとして使っています。外に出かけるときや、ちょっとした散歩に行くとき。季節を問わず、気がつけば手に取っているかごです。

    画像: 会津木綿とかごを合わせて

    会津木綿とかごを合わせて

    でも、家に帰ってきたあとも、クローゼットにしまうことはありません。読みかけの本やメモ帳、小物などを入れて、部屋の一角にそのまま置いています。バッグと収納の間くらいの感覚でしょうか。

    画像: 机の片隅に、山葡萄かご

    机の片隅に、山葡萄かご

    山葡萄のかごは、ものを入れていないときにも佇まいがあります。だから「収納する」というより、そこに置いて、眺めながら使っているような感覚です。

    5年使ううちに色も少しずつ深くなり、傷や艶も増えてきました。制作したばかりのころよりも、いまのほうがずっと好きです。

    画像: 左:完成したばかりのかご 右:僕が5年ほど使っているかご

    左:完成したばかりのかご 右:僕が5年ほど使っているかご

    愛用のかご02
    ざっくり入れて、ざっくり置く「タイの水草かご」

    画像: タイの水草かご

    タイの水草かご

    タイでつくられた水草のかごは、山葡萄かごとはまた違った網目の面白さがあります。その表情を眺めているだけでも楽しく、少しラフに扱えるところも気に入っています。

    画像: 網目の表情が興味深い

    網目の表情が興味深い

    家では、手ぬぐいやハンカチをまとめて入れたり、部屋のなかで一時的にものを置いておく場所として使ったりしています。

    きっちり収納するのではなく、ざっくり入れておく。そんな使い方を楽しんでいます。

    画像: 自宅では手ぬぐいを収納しています

    自宅では手ぬぐいを収納しています

    手仕事のものというと、「ていねいに扱わなくてはいけない」と思ってしまうこともあります。でも、毎日の暮らしで使う道具なら、少しくらい雑に使えるくらいがちょうどいい。

    見た目は洗練されていますが、このかごにはそんな気楽さがあります。

    画像: 岩手・一関の「縁日」さんの洋服と合わせて

    岩手・一関の「縁日」さんの洋服と合わせて

    愛用のかご03
    色や形をインテリアとして楽しむ「ガーナのボルガバスケット」

    画像: ガーナ北部のボルガ地方でつくられたボルガバスケット

    ガーナ北部のボルガ地方でつくられたボルガバスケット

    エレファントグラス(イネ科の植物)でつくられた西アフリカ・ガーナ北部のかご「ボルガバスケット」は、部屋のなかでとくに存在感があります。

    素材の自然な色や編みの表情に加えて、かごそのものの形にも惹かれます。

    画像: 取っ手は豚革。幾何学的な模様が素敵

    取っ手は豚革。幾何学的な模様が素敵

    家では、収納道具として使いながら、部屋の景色のひとつとして楽しんでいます。

    ショッピングバスケットとして、買い物に行くときに使っていたのですが、最近の使い方は、翌日の洋服の置き場所に。

    画像: 愛用のかご03 色や形をインテリアとして楽しむ「ガーナのボルガバスケット」

    朝、目が覚めて、そこにかごがある。そんな風景に安心感を覚えます。

    色や形の楽しさがあるので、部屋のなかにひとつ置くだけでも空間の印象が変わります。

    「収納するもの」と「飾るもの」の境目があまりない。それもかごの面白さだと思います。

    画像: ショッピングバッグとしても

    ショッピングバッグとしても

    3つのかごと暮らしてみて

    山葡萄かご、タイのかご、ガーナのかご。生まれた土地も、素材も、技法も違います。

    それでも、共通しているのは、どれも「使うためにつくられたもの」だということ。

    僕は手仕事のものを紹介するとき、どうしても産地や技法、つくり手のことを伝えたくなります。

    もちろん、それらを知ることは大切です。でも、その先にある「実際に使ってみる」というところまで含めて、手仕事の面白さなのだと思っています。

    画像1: 3つのかごと暮らしてみて

    かごは、ものを入れる、持ち運ぶ、置いておく。それだけの道具なのかもしれません。

    でも、素材の表情や編み方、つくられた土地の文化によって、同じ「かご」でもまったく違うものになる。そして、自分の暮らしのなかで使っていくうちに、今度はそこに自分自身の時間が重なっていきます。

    特別な日にだけ使うのではなく、毎日の生活のなかで使ってみる。そうすると、手仕事のものが少し身近になる気がします。



    画像2: 3つのかごと暮らしてみて

    関根大地(せきね・だいち)
    手仕事キュレーター。“日本の伝統産業や手仕事をより身近に”という想いのもと、全国のつくり手を訪ね歩きながら、その魅力をインスタグラムで発信する。東京・蔵前にある店舗兼ショールーム「ngumiti蔵前」を藍田留美子さんと共同運営。また、アパレルブランド「UNFOLK」の運営サポートや和紙ブランド「SIWA」とのコラボアイテム制作にも携わる。
    インスタグラム:@daichi.sekne
    ngumiti蔵前:@ngumiti_kuramae



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