• 23年間で13回の引っ越しを経験した整理収納アドバイザーの吉開景子さん。ものはできるだけ増やさないようにしてきた結果、家の中は自然とスッキリ。「これって、何個くらい持つものですか?」とよく聞かれるそうですが……「家族の人数も、使う頻度も、買い物の仕方も違うので、正解はないんです」と言います。そこで、吉開さんの“もの”を増やさないコツと、それぞれの暮らしのなかで“ちょうどいい量”を知るヒントを教えていただきました。

    “わが家の”ちょうどいい量を知る

    「適正量=○個」と数字だけで決めるのは、なかなか難しいものです。家族の人数も、使う頻度も、買い物の仕方も違うから。全部1つずつがいい人もいるし、少し多めに持っていたほうがラクな人もいる。

    わが家は13回引っ越してきたので、ものはできるだけ増やさないようにしてきました。

    転勤の辞令から引っ越しまで、毎回約2週間。梱包は私ひとりでやってきました。引っ越しを重ねるなかで「持っているけど、使ってないな」と気づくものが増え、いまの「ちょうどいい量」につながっています。

    ものが少ないと掃除もラクだし、広い家もいらないから、家賃も抑えられる。駅近や学校、習い事の近くなど、住みたい場所も選びやすくなります。いいこと、けっこうあるんです。

    大切なのは「わが家は、これくらいあれば大丈夫」と思える量を知ること。今回は、私がものを増やさないように意識していることや、“ちょうどいい量”に気づいた事例をご紹介します。

    ものを増やさないコツ01
    買ったら、ひとつ入れ替える

    ものって、何もしなければ増えていきます。新しいものを買ったのに、古いものも残していたら……そりゃ、増える一方ですよね。だから私は、新しいものが増えたら、いまあるものと入れ替えることを意識しています。

    タオル : ひとり4枚

    画像: 洗面所って狭い空間なので、色味をおさえてすっきり見えるようにしています。タオルの枚数と収納用品の幅がちょうど合うので立てて収納。取り出しやすく崩れることもありません

    洗面所って狭い空間なので、色味をおさえてすっきり見えるようにしています。タオルの枚数と収納用品の幅がちょうど合うので立てて収納。取り出しやすく崩れることもありません

    わが家は3人家族で、ふだん使いのタオルはひとり4枚が基本。フェイスタオル2枚と、小さめのバスタオル2枚です。新しいタオルが増えたら、いままで使っていたものと入れ替え、古いタオルは、掃除用にするなど最後まで使い切ります。

    毎日洗濯していると、たくさんあっても使うタオルはだいたい決まっていることに気づきました。子どもが小さいころはもう少し多めでしたが、成人したいまはこれくらいが、ちょうどいい量です。

    服 : 楽しめる分だけ

    画像: 洋服は、通年で着るもの、夏に着るもの、冬に着るものの3つに分けています(写真は一部)

    洋服は、通年で着るもの、夏に着るもの、冬に着るものの3つに分けています(写真は一部)

    服も同じです。「まだ使える」「もったいない」「高かった」そう思うと、なかなか手放せないですよね。

    私も大学生の頃は、バイト代の大半を使うほど、服を買うのが好きでした。でも「高かったし、まだ着られる」と大事にとっておいても、いざ着ようとすると、似合わなくなっていたり、好みが変わっていたり。そんなことを繰り返すうちに、「ずっと着たい服って、実は一部なんだ」と気づきました。

    2〜3年前には、服の数をもっと減らしてみたこともあります。でも、少なくしすぎると、服を選ぶ楽しさがなくなってしまって。それからは、数を減らすことだけを目標にするのはやめました。

    いまは、年間では、コート5枚、半袖7枚、長袖6枚、ワンピース8枚、スカート3枚、パンツ5枚、ニット4枚など。このほかに、仕事用の服などが数枚あります。気に入っている服をたくさん着て、「もう十分着た!」と思えたら手放す。デザインだけでなく着心地も大切にしながら、私が楽しめる量を持つようにしています。

    「いままでありがとう」と、心から思える。新しいものを迎えるなら、いまあるものをひとつ入れ替える。そして、できるだけ使い切る。これだけでも、ものは増えにくくなります。

    ものを増やさないコツ02
    お気に入りほど、しまい込まない

    自分の家にあるものって、考えてみると、自分が選んで買ったものがけっこう多いですよね。だったら、そのほとんどは、「これ、いいな」と思って選んだもの。せっかく好きで選んだのなら、しまい込まずに、どんどん使いたい。

    食器 : 1種3枚、ふだん使いができる分だけ

    画像: 食器 : 1種3枚、ふだん使いができる分だけ

    服も、食器も同じです。「お気に入りだから特別な日に」「もったいないから、もう少し大事にしまっておこう」そうしているうちに、何年も使っていない……なんてことも。でも、食器って、使わなくても傷むんです。だったら、使っちゃおう。

    以前のわが家は、いただきものの食器や、来客用としてしまっている食器がけっこうありました。でもあるとき、久しぶりに出してみたらヒビが入っていたり、引っ越し後に箱を開けたら割れていたりということが。

    気に入っていたからショックでしたし、ネットで探したけれど見つからず追加で買うこともできなくて……それからは、お気に入りほどふだんから使うようになりました。いま思えば、もっと早くからそうしていれば、いつものごはんももっと優雅においしく食べられたかもしれません(笑)。

    いまわが家の食器の半分くらいは、実家からもらったものです。食器好きだった両親が選んだ思い入れのあるもののなかから「これ好きだな」「これなら使いたいな」と思うものを選び、それまでわが家で使っていた食器と入れ替えました。

    新しく食器を買うときは、3人家族なので3枚が基本ですが、実家からもらった食器は2枚、4枚、5枚のものも。数はバラバラですが、どれもちゃんと出番があります。好きなものを選んで、どんどん使う。せっかく自分のところに来てくれたものだから、使ってこそ、ものも活きると思っています。

    ものを増やさないコツ03
    いつも使っているものが、必要なもの

    以前、引っ越しのサポートに伺ったお宅では、保存容器が100個くらいありました。本体だけ、フタだけ、本体とフタが合わないものもあって、「これ、何個あるんだろう?」と、ご本人も分からないくらい。でも、実際によく使っていたのは、ほんの一部でした。よく使うものは、決まったサイズばかり。

    保存容器 :100個→20個

    整理してみると、保存容器は5分の1くらいになりました。たくさん持っているのに、実際に使っているのはほんの一部。これ、意外と身近なところにもありませんか?

    「たくさんあるけど、結局いつも使うのはこれ」というもの。結局、いつも手が伸びるのは、自分にとって使いやすいものなんですよね。

    だから私は、「何個持っているか」よりも、「ちゃんと使っているか」を大事にしています。使う場所にあったほうがラクなら、同じものをいくつか持っていてもいい。

    おたま・菜箸・トング : 各2つ

    画像: おたま・菜箸・トング : 各2つ

    わが家は、キッチンのおたまや菜箸、トングはふたつずつ持っています。形が違うので、そのとき使いやすいほうを使っています。同じものが複数あっても、ちゃんと使っているなら、それもわが家に必要な量。

    反対に、たくさん持っていても、ほとんど使っていないものなら「これ、本当に全部必要かな?」と、ちゃんと使えているかどうか考えてみる。そうすると自分にとってのちょうどいい量が見えてきます。

    「ちょうどいい量」は、暮らしのなかにヒントがある

    家族の人数も、使う頻度も、買い物の仕方も違う。だから、正解はひとつじゃありません。

    「こっちが使いやすいな」と思えるものがあるなら、それもわが家に必要な量。「自分にとって使いやすい」を基準にものを選んで、どんどん使う。たくさん使って、「もう十分使った!」と思えたら、気持ちよく手放す。

    また、暮らしが変われば、ちょうどいい量も変わります。「いまのわが家なら、どれくらいあれば足りるかな?」と、一度立ち止まって考えてみる。そんなふうに、そのときどきの暮らしに合った量を見つけていくことが大切だと思っています。

    ものは、持っているだけではなく、使ってこそ。わが家にとっての「ちょうどいい量」を、暮らしながら見つけていきたいですね。

    吉開さんの“もの”を増やさず「スッキリ」暮らす3つのコツ

    ☑ 買ったら、ひとつ入れ替える
    ☑ お気に入りほど、しまい込まない
    ☑ いつも使っているものが、必要なものと考える

    暮らしながら“わが家のちょうどいい量”を見つけて

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    画像: 「ちょうどいい量」は、暮らしのなかにヒントがある

    吉開 景子(よしがい けいこ)
    整理収納アドバイザー。23年間で13回の引っ越し経験を生かし、整理収納だけでなく、防災や家具配置まで含めた住まいづくりを提案している。ルームスタイリスト・プロ認定講師、防災備蓄収納1級プランナー。延べ数百件以上の家庭をサポート。
    インスタグラム:@kurashiirodori.kei
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