• 家族が毎日、使うもの。眺めていたくなるきれいなもの。鞄デザイナーの谷ヒュンスクさんの住まいは、ディスプレイと収納が見事に調和した、心地よい空間です。今回は、ラックに飾られた白い大皿と、天井高いっぱいの大きな収納棚が目を引く、キッチンを紹介します。
    (『天然生活』2016年7月号掲載)

    「片づけが楽しい家」 谷ヒュンスクさん、「しまう」と「見せる」の気持ちいいバランス(1)「リビング・ダイニング編」より続き —

    パリの暮らしで学んだ見せるコーディネート

    15年間、パリで暮らしたヒュンスクさん。当時の体験が、いまの住まいにも生かされています。

    「そもそも、フランス人は、あまり物を買わないから、収納や片づけに関する悩みが少ないかもしれません。私も、一定量を超えると片づけが苦になるので、買いすぎないように注意しています。なかでも印象的だったのは、友達が食器でも日用品でも、バランスや色を考え抜いて物を厳選していたこと。部屋全体が、まるでギャラリーのようでしたね」

    自宅のインテリアを魅力的にコーディネートしているように、ヒュンスクさん自身、「見せる」ことに、こだわります。たとえば、キッチンのラックに飾られている、フランスのブランド「アスティエ・ド・ヴィラット」の白い大皿。

    「大皿は棚にしまっておくと、出し入れが大変なんです。こうして出しておけば、見た目もきれいだし、すぐに取り出せるでしょう」

    見て楽しくなるものは、美しく飾る。生活感を出しすぎていたりするものは、しまい込む。両者のメリハリをつけることで、居心地のよい空間がつくられています。

    キッチン
    天井高いっぱいの大きな収納棚が主役です

    5 よく使うフライパンはS字フックを活用

    画像: 出番の多いフライパンや鍋などは、使いたいときにすぐ手が届くよう、コンロまわりに吊るして収納。ステンレス製のバーは「イケア」、壁は古いタイルで装飾し、DIYで設置した

    出番の多いフライパンや鍋などは、使いたいときにすぐ手が届くよう、コンロまわりに吊るして収納。ステンレス製のバーは「イケア」、壁は古いタイルで装飾し、DIYで設置した

    6 好きなものを飾って調理中も楽しい気分に

    画像: 窓辺には、好きなお皿や絵などを飾って。「好きなものを出しておくと、料理するときも楽しいでしょう」。窓枠が細かったので、同じ高さの古いドア材を取り付けてスペースを広げている

    窓辺には、好きなお皿や絵などを飾って。「好きなものを出しておくと、料理するときも楽しいでしょう」。窓枠が細かったので、同じ高さの古いドア材を取り付けてスペースを広げている

    7 器をはじめ、利用度の高い道具はすべてここへ

    画像: 見た目をきれいにするため、器は素材や色ごとにそろえて収納。トースターなどの電化製品やレシピ本なども、この中に。「収納場所が細かく分かれているより、大きな棚に全部入っているほうが好きなんです」

    見た目をきれいにするため、器は素材や色ごとにそろえて収納。トースターなどの電化製品やレシピ本なども、この中に。「収納場所が細かく分かれているより、大きな棚に全部入っているほうが好きなんです」

    8 キッチンツール入れは空き瓶を利用

    画像: 箸や木べらなどは、引き出しに入れず、お気に入りのマスタードやジャムの空き瓶に。食べ終えたら、捨てずにとっておくそう。タワシやブラシ類は、シンクの上にフックで吊るしている

    箸や木べらなどは、引き出しに入れず、お気に入りのマスタードやジャムの空き瓶に。食べ終えたら、捨てずにとっておくそう。タワシやブラシ類は、シンクの上にフックで吊るしている

    9 にぎやかな色使いの乾物類は引き出しに

    画像: パスタや粉もの、瓶詰めなどの食材のパッケージは、色も形もバラバラなので、見えないように、引き出しの中にしまい込む。一カ所にまとめて入れておくと、必要なものを捜しやすい

    パスタや粉もの、瓶詰めなどの食材のパッケージは、色も形もバラバラなので、見えないように、引き出しの中にしまい込む。一カ所にまとめて入れておくと、必要なものを捜しやすい

    「片づけが楽しい家」 谷ヒュンスクさん、「しまう」と「見せる」の気持ちいいバランス(1)「リビング・ダイニング編」へ ⇒
    「片づけが楽しい家」 谷ヒュンスクさん、「しまう」と「見せる」の気持ちいいバランス(3)「水まわり編」へ ⇒

    <撮影/柳原久子(https://water-fish.co.jp/) 取材・文/嶌 陽子 イラスト/須山奈津希>
    画像: 9 にぎやかな色使いの乾物類は引き出しに

    谷ヒュンスク(たに・ひゅんすく)
    鞄ブランド「BOTTE」デザイナー。韓国で生まれ育ったのち、渡仏。現地でファッションを学び、アパレルの世界へ。家族とともに日本に移り住んだあと、2010年に、「BOTTE」を立ち上げる。バッグは、「オルネド・フォイユ」にて販売中。
    https://www.ornedefeuilles.com/

    ※トップの写真について
    左の特大の白い収納棚は、「イケア」のラックに古い扉を付けたもの。日中は開けっ放しにして、必要なものをさっと取り出せるようにしている。吊り棚やシンク下の扉も付け替えた

    ※記事中の情報は『天然生活』本誌掲載時のものです

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