(『天然生活』2016年7月号掲載)
「片づけが楽しい家」 谷ヒュンスクさん、「しまう」と「見せる」の気持ちいいバランス(2)「キッチン編」より続き —
谷家の“きれい”を保つ日々の片づけ
アンティークや古材を使った遊び心たっぷりの収納や、美しく見せるしまい方など、随所にアイデアが光るヒュンスクさんの住まい。
とはいえ、家族3人で暮らしている以上、日々の片づけは大変なはずです。デザインの仕事をはじめ、育児に家事にと大忙しのヒュンスクさんは、どのように家の中をきれいに保っているのでしょう。
「簡単な片づけは毎朝していますが、あとは時間がある日に、一カ所だけと決めて、そこだけを徹底的にきれいにします。あまり長時間やると疲れてしまうので、小分けにするんです。『今日は、引き出し一個分』というときもありますよ。一カ所でも片づくと、気持ちがすっとします」
もうひとつは、あまりルールを厳密に決めすぎないこと。
「細かく収納場所を分けて、『これは必ずこの位置に』と決めるのは、私の性格からいって無理。逆に、片づけるのがストレスになってしまいます。食器類はこの棚、子どものものはこのコーナー、など、大まかなルールは決めていますが、あとは、あまり気にしないようにしているんです」
「片づけルール」をきっちりしすぎず、ゆるやかに、自分のペースに合わせて住まいを整える。整頓されていながらも、ほどよく力が抜けたこの家の雰囲気は、ヒュンスクさんの魅力的なおおらかさから生まれているのかもしれません。
谷家の間取り
![画像: 谷家の間取り](https://d1uzk9o9cg136f.cloudfront.net/f/16783328/rc/2019/09/10/504200fd3e9937f43f80f035af47556a0f2b1c85.jpg)
片づけの時間割
6:30 起床
リビングをサッと片づけ(15分)
7:00 朝ごはん、お弁当づくり
8:00 子どもを送り出したあとに、家事をスタート
ハンドワイパーで家具の上のほこりをきれいに(15分)
![画像1: 片づけの時間割](https://d1uzk9o9cg136f.cloudfront.net/f/16783328/rc/2019/09/10/c9152a3284673ea6b9805eeb76c4cbf9c4acfdad.jpg)
そのあと、キッチンの片づけや、ごみ捨て、植物の水やりなど。トイレや水まわりの掃除は、エコ洗剤で
![画像2: 片づけの時間割](https://d1uzk9o9cg136f.cloudfront.net/f/16783328/rc/2019/09/10/bf814aa23155c9308a6d7f50b0b153d7101818f5.jpg)
部屋に毛が落ちないように、ベランダで愛猫ケイトをブラッシング(10分)。ケイトも気持ちよくて大喜び
![画像3: 片づけの時間割](https://d1uzk9o9cg136f.cloudfront.net/f/16783328/rc/2019/09/10/2a40794b91d645a50ba6d78a15bdb0568e93ad29.jpg)
8:30 仕事
16:00 子どもの帰宅
19:00 夕飯
23:00 就寝
水まわり
トランクや木箱を壁に取り付けた、楽しい収納棚
10 古いトランクが扉付きの棚に変身
![画像: フランスの蚤の市で見つけたトランクを、ビスで壁に取り付けて個性的な戸棚を制作。ヒュンスクさんが好きなオーガニックの石けんや、ヘアケア用品などのストック置き場に](https://d1uzk9o9cg136f.cloudfront.net/f/16783328/rc/2019/09/10/b2335b74719e985657fbe8c887b446e32cadd28d.jpg)
フランスの蚤の市で見つけたトランクを、ビスで壁に取り付けて個性的な戸棚を制作。ヒュンスクさんが好きなオーガニックの石けんや、ヘアケア用品などのストック置き場に
11 ブロカントのトレイが新たな役割を担う
![画像: 鏡の枠に取り付けたブラシ入れも、卓さんがフランスの蚤の市で見つけた。元は何の道具だったかは不明。いわゆる「収納用品」にとらわれず、自由な発想で古い道具を使いこなすのが楽しい](https://d1uzk9o9cg136f.cloudfront.net/f/16783328/rc/2019/09/10/045d26f8aba580bb07bd7f919d4cd36fb80f17ea.jpg)
鏡の枠に取り付けたブラシ入れも、卓さんがフランスの蚤の市で見つけた。元は何の道具だったかは不明。いわゆる「収納用品」にとらわれず、自由な発想で古い道具を使いこなすのが楽しい
12 壁に取り付けた棚は元ポテトボックス
![画像: こちらもフランスの古道具。元は、農家で使われていた、野菜を運搬するための箱。壁に取り付けて、フェイスタオルを収納している。「家族が上から順番に取っていきます」](https://d1uzk9o9cg136f.cloudfront.net/f/16783328/rc/2019/09/10/bdbf4bae1d5a5388deca379e2103c429b886ff79.jpg)
こちらもフランスの古道具。元は、農家で使われていた、野菜を運搬するための箱。壁に取り付けて、フェイスタオルを収納している。「家族が上から順番に取っていきます」
13 掃除道具はまとめて洗面台の下へ
![画像: タワシやブラシ類、洗剤など、種類も多く、ごちゃごちゃしがちな掃除道具。かごにまとめて入れて、洗面台の下に隠している。別の部屋へも、かごごと持っていけるので便利](https://d1uzk9o9cg136f.cloudfront.net/f/16783328/rc/2019/09/10/7e3c249a75e58826d6d04f806068ed925ad0178c.jpg)
タワシやブラシ類、洗剤など、種類も多く、ごちゃごちゃしがちな掃除道具。かごにまとめて入れて、洗面台の下に隠している。別の部屋へも、かごごと持っていけるので便利
お手本にしたい、谷さんちのフック使いのテクニック
限られた場所の玄関は壁掛けフックが活躍
フランスの古い壁掛けフックは、家族みんなの帽子をかける場所。玄関にあれば、出かけるときに、さっと取れる。コートスタンドを置くスペースがなくても、問題なし
![画像: 玄関には、帽子のほか、外出時に羽織るものやストール、バッグなどをかけている。来客のコート掛けにも活躍](https://d1uzk9o9cg136f.cloudfront.net/f/16783328/rc/2019/09/10/5a5a429c6184b1f7b0550aff365da94e6036e4ed_xlarge.jpg)
玄関には、帽子のほか、外出時に羽織るものやストール、バッグなどをかけている。来客のコート掛けにも活躍
谷家では水栓バルブも。DIYでフックをつくる (※上の写真)
谷さんの家では、釘と組み合わせた水栓バルブや、ガス管をフック代わりに使用。まっすぐ並べず、ランダムな位置に付けるのも、遊び心が詰まったアイデア
クローゼットの収納力をドアノブのフックで向上
さまざまなデザインがあるドアノブやドアハンドル。クローゼットの扉の裏から、ネジ留めしてフックとして使っている。強度を保てば、バッグなどもかけられる
![画像: クローゼットの収納力をドアノブのフックで向上](https://d1uzk9o9cg136f.cloudfront.net/f/16783328/rc/2019/09/10/987e059b3e2f53775a047a7aac596c1e077af66c_xlarge.jpg)
金属のタイルを合わせてフックコーナーを演出 (※上の写真)
主張の強いドアノブを取り付ける場合、収納棚のテイストとのバランスが難しいもの。そこで、タイルやアンティーク調の壁紙などを張れば、より楽しいフックコーナーに
ドアの内側を利用したタオルハンガー
![画像: バスルームのドアの内側には、フランスで買ったフックタイプのハンガーラックを。ここにはバスタオルなどをかけている。ドアなどのスペースを有効活用すれば、空間も広く感じる](https://d1uzk9o9cg136f.cloudfront.net/f/16783328/rc/2019/09/10/882f686648aff012be7a26628569e600dad6da60.jpg)
バスルームのドアの内側には、フランスで買ったフックタイプのハンガーラックを。ここにはバスタオルなどをかけている。ドアなどのスペースを有効活用すれば、空間も広く感じる
ピンチのフックに挟んで、ひっかけて
![画像: 玄関にあったフック板は、実はフック代わりにピンチを古材に取り付けたリサイクルアイテム。「家や自転車の鍵、非常用ライトなどもかけています」。メモも挟める](https://d1uzk9o9cg136f.cloudfront.net/f/16783328/rc/2019/09/10/e375a089897ba70746b5c53c6258ec8beda939ee.jpg)
玄関にあったフック板は、実はフック代わりにピンチを古材に取り付けたリサイクルアイテム。「家や自転車の鍵、非常用ライトなどもかけています」。メモも挟める
S字フックはどこでも気軽に取り入れられる
![画像: ヒュンスクさんのアトリエにかけられていたS字フックは、壁の木枠や窓枠など、どんな場所でも使える優れもの。「アンティークのかごや友人にもらったオブジェなどをかけて飾っています」](https://d1uzk9o9cg136f.cloudfront.net/f/16783328/rc/2019/09/10/c554c7c3ad6074f0c56e04ba39d880345cb3b622.jpg)
ヒュンスクさんのアトリエにかけられていたS字フックは、壁の木枠や窓枠など、どんな場所でも使える優れもの。「アンティークのかごや友人にもらったオブジェなどをかけて飾っています」
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![画像: S字フックはどこでも気軽に取り入れられる](https://d1uzk9o9cg136f.cloudfront.net/f/16783328/rc/2019/09/10/ca84901fddb5317f23264af3774a0d5f95944726.jpg)
谷ヒュンスク(たに・ひゅんすく)
鞄ブランド「BOTTE」デザイナー。韓国で生まれ育ったのち、渡仏。現地でファッションを学び、アパレルの世界へ。家族とともに日本に移り住んだあと、2010年に、「BOTTE」を立ち上げる。バッグは、「オルネド・フォイユ」にて販売中。
https://www.ornedefeuilles.com/
※トップの写真について
「イケア」の洗面台や「無印良品」のラックなどに交じって、ビンテージの古道具を上手に利用した収納棚が並ぶ。ここでも、色は白とナチュラルカラーに絞っているため、美しく見える
※記事中の情報は『天然生活』本誌掲載時のものです