『宮中 季節のお料理』より
年越し蕎麦|十二月三十一日 ご夕餐 御所にて

両陛下の大晦日のご夕餐には、年越し蕎麦が出ます。宮内庁の大膳課製の手打ち蕎麦で、他に揚げ物、小鉢、煮物も供されます。
また、大晦日の当直にあたった職員に両陛下から賜るのが「梅鶴(ばいかく)」というお菓子。梅の香りがする豆粒大の干菓子です。大晦日の夜に勤務しなければならない職員に対するお労いの品で、両陛下のお心づかいがあふれています。
梅鶴


コラム: 一年の終わりに
大晦日の晩に蕎麦を食べる「年越し蕎麦」の風習は、江戸時代中期に民間に定着したといわれます。蕎麦は他の麺類よりも切れやすいことから「一年の災厄を断ち切る」とする説、蕎麦は細く長いことから「延命・長寿を願う」とする説など諸説ありますが、一年の終わりに際しての縁起かつぎであることに変わりはありません。
一年の締めくくりとなるこの日、宮中では天皇陛下のためのお祓いの行事「節折(よおり)の儀」が行われます。「御小直衣(おこのうし)」のご装束をお召しになった天皇陛下が宮殿「竹の間」にお出ましになり、細い竹で陛下のお身体の丈をお計りした後、その印のところで竹を折ります。また同日、宮中三殿では皇族をはじめ国民のために行われるお祓いの行事「大祓(おおはらい)の儀」も行われます。なお、節折の儀と大祓の儀は、6月30日にも行われます。

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