(『修道院のお菓子』より)
牛乳を使わず卵黄と砂糖、シロップ(水と砂糖)だけでつくるプリンです。
大変濃厚で、その口当たりが豚の脂身のようなので「天の豚脂」と呼ばれています。
小さな型でつくり、その濃厚な味を楽しみます。
このお菓子は南部の、シェリー酒で有名な地域、へレス・デ・ラ・フロンテラにあるエスピリツ・サント修道院で14世紀につくられたのが初めといわれています。
いまではスペイン全土で親しまれている代表的なお菓子です。
Tocino de cielo(トシーノ・デ・シエロ)のつくり方
材料(直径4.7×高さ2.2cmのマフィン型 8個分)
● 卵黄 | 4個分 |
● 卵 | 1個 |
● A | |
・グラニュー糖 | 60g |
・レモンの皮 | 1/4個分 |
〈キャラメルソース〉 | |
・グラニュー糖 | 大さじ2 |
つくり方
1 オーブンを150℃に温める。
2 キャラメルソースをつくる。鍋にグラニュー糖、水大さじ2(分量外)を入れて弱火にかけてキャラメル色になるまで煮る。水大さじ1(分量外)を加えて煮詰め、熱いうちに型に入れる。
3 鍋にAと水125ml(分量外)を入れて中火にかける。グラニュー糖が溶けて、50mlになり、とろりとするまで煮る。レモンの皮を取り出し、粗熱をとる。
4 ボウルに卵黄、全卵を混ぜ合わせ、3を少しずつ加えながら泡立て器でさらによく混ぜる。2の型に入れる。
5 天板に4を入れて湯を張り、150℃のオーブンの下段に入れて湯せんで20分焼く。
6 オーブンから取り出して型から外し、冷蔵庫で冷やす。
<撮影/清水奈緒 スタイリング/大谷マキ>
丸山久美(まるやま・くみ)
料理家。東京生まれ。スペイン家庭料理教室「Mi Mesa」主宰。アメリカ留学後、ツアーコンダクターとして世界各地をまわる。1986年からスペインのマドリードに14年滞在。現地の料理教室に通いながら、家庭料理を学ぶ。この間に、修道院めぐりを始める。帰国後、スペインの家庭料理をベースにしたレシピを紹介。著書に『家庭でつくれるスペイン料理』(河出書房新社)、『週末はパエリャ名人』(文化出版局)、『ひんやりスープ』(誠文堂新光社)など。2020年2月に『修道院のお菓子』が扶桑社より復刊。
https://www.k-maruyama.com/