(『天然生活』2016年5月号掲載)※ 記事中の情報は『天然生活』本誌掲載時のものです
朝一番に、クリアでニュートラルな自分に戻す
1歳になったばかりの柚朱(ゆず)ちゃん、基就(きづき)くん、円子(わこ)ちゃん、大雄(たお)くんの2男2女のお母さん業をこなしつつ、「くらすこと」を主宰し、東京のスタッフとの細かなやりとりにも追われる藤田さん。
やるべきことは常に山積み、つい、「あれもやらなきゃ」「これをしておかなきゃ」と、気持ちは拡散してしまいます。
「けれど、自分がいっぱいいっぱいになってしまうと、仕事で本当に大切なことを見落としてしまったり、子育てで気づかなくてはいけないことがおろそかになってしまったりします。だから、朝、いかに自分自身のベースを整えるかが、私にはとても大切なんです」
そのため、藤田さんの一日は、子どもたちが起きてくる数時間前、早朝4時から始まります。
毎朝、必ず行っている、白湯を飲み、ストレッチからグラウンディング、瞑想という一連の流れは、散漫になりがちな気を落ち着け、自分の中心に戻す儀式のようなもの。体と心、それに “スピリット(魂)” を整える作法です。
たとえ前日に気が重くなることがあったとしても、引きずらずにクリアでニュートラルな状態に戻すこと。それが、一日を快適に過ごすことすべてにつながる「段取り」なのです。
自分をきちんと整えられると、パワーは倍増。6時から7時半ごろまで、時間差で起きてくる家族たちにそれぞれ朝ごはんを食べさせ、送り出し、同時進行で家事を行って。さらには午前中から仕事を開始しても、ぶれることなく迅速にこなすことができるように。
まさに「走り抜けるよう」と話す一日も、なんとか無事、最後まで、完走することができるのです。
藤田ゆみさんの朝の時間割
4:00 起床
4:10 白湯を飲む
前日に沸かした白湯を飲む
「最近、カフェインがきつく感じるようになり、ハーブティーでも少し重いときがあって、白湯を飲むようになりました。体のめぐりも少しよくなった気がします」。朝は家族分3リットルのお茶を沸かさなくてはいけないため、白湯は前日のうちに沸かし、ポットに入れておく。
4:30 ストレッチとグラウンディング、瞑想
下半身を中心としたストレッチとグラウンディング、瞑想の3つをセットで行うのが日課。グラウンディングとは、頭から足指までを順番に意識し、体の軸を整え、自分自身を内側からしっかり感じるボディワーク。この自分自身を「整える」作業が、何よりも大切。
5:00 洗顔・歯磨き
5:10 洗濯機をまわす、お茶を沸かす、メールチェック
1回目の洗濯機をまわす
中2陸上部の基就くんを筆頭に4人の子どもを育てていると、「なんだか、一日中、洗濯しているみたい」と藤田さん。朝一番に、夜のうちに乾燥させておいた洗濯物をたたみ、1回目の洗濯機をまわす。基本的に乾燥機を活用して「洗濯物を干す」作業と時間を省略し、家事を合理化。
5:45 朝食の準備、お弁当の準備
朝食の準備は、せいろが大活躍
子どもはパン派とごはん派がいるので、おかずは、どちらにも合う蒸し野菜などが多い。パン食の子にも味噌汁をスープとして飲ませている。
炊飯器がないので、ごはんは前日に土鍋で炊き、おむすびにして、おひつで保管。パンも天然酵母のパン屋からまとめて配達してもらい、冷凍庫で保存しておく。おかずの野菜を蒸すのと同時に、おむすびとパンもせいろで蒸して出すと、炊きたて、焼きたてと同じようにホカホカ。
6:00~6:45 長男の起床・朝食・登校
7:00~7:30 長女の起床・朝食・登校
朝食の合間に、さっと掃き掃除
子どもが多い家庭ゆえ、「食べこぼし」は日常のこと。時間をおくと汚れを落とすのも手間になり面倒な気分になるため、「その場その場で対処」。さっと取り出せる位置にほうきとちりとりをセットし、気づいたときに手早く掃除を。見た目も好きな道具があると、使うのも楽しい。
7:50 夫・次男・次女と朝食
8:30 次男を保育園に送る
9:00 帰宅、台所の片づけ・掃除、乾燥した洗濯物をたたむ
オープン収納で片づけやすく
器類は引っ越しを機に多くを手放し、少数精鋭を台所のオープン棚に収納。こうしておくと、食事で選ぶ手間も省け、出し入れがしやすいので自然と片づけの時間も短縮されるように。朝食でよく使う器は、「くらすこと」でも人気の「瀬戸本業窯」やイイホシユミコさんのお皿など。
10:30 仕事開始
セージを焚いて仕事開始
家の中の掃除が終わったら、仕上げとして玄関でホワイトセージを焚く。セージはネイティブアメリカンの人々が場を清めるときに使うもので、すっきりとした香りの煙が空間を浄化してくれる。「この香りをかぐと自然に気分が切り替わり、『これから仕事』という意識になります」
11:00 仕事の合間に夕食の準備
仕事の合間にだしをとる
仕事の合間に、晩ごはんの下ごしらえも行っておく。根菜類を蒸しておいたり、昆布を水につけておいたりといった、時間はかかるけど手間がかからないものを中心に。細かくカットした野菜やきのこを鍋の中に層にして蒸した「重ね煮」にすると、野菜からもだしが出るので、合わせれば昆布の水だしでも十分にコクが出る。
藤田ゆみ(ふじた・ゆみ)
「わたし自身のものさしを見つける」をテーマに活動する「くらすこと」主宰。カフェと雑貨の店、オンラインストア、「くらすことの本」の出版などを行なっている。
※ 記事中の情報は『天然生活』本誌掲載時のものです