一度に大量に魚を手に入れたら、さばいてそのまま冷凍保存してもいいですが、料理研究家・枝元なほみさんは、漬け込んで冷蔵または冷凍保存する方法をお薦めしてくれました。タンドリー風のスパイス&ヨーグルトマリネは、カレーにするほか、炒めた野菜に加えてサブジ風に、粉をつけてフライにと使い回せます。
あじ、いわしくらいなら、どうにかさばけるけれど、初めての魚、大きな魚となると……。そう身構える方たちに、枝元なほみさんからの今回の提案は、一度にすべて調理しきろうとせず、ひとまず切り身にして「漬けておく」方法です。
粕漬けやオイル漬けのほか、お薦めはタンドリー風のマリネ。スパイスで魚のくさみが抑えられ、だしの効いた本格カレーをいつでも楽しめます。
魚のタンドリー風スパイス&ヨーグルトマリネのつくりかた
※ここでは、産地直送オンラインショップ「ポケットマルシェ」で購入した未利用魚セットに入っていた、「フサギンポ」を使っています。
魚のタンドリー風スパイス&ヨーグルトマリネの材料
● 魚 | 三枚におろした正味400g |
● A | |
・塩 | 小さじ2/3 |
・プレーンヨーグルト | 130〜150ml |
・カレー粉 | 大さじ1と1/2 |
・ケチャップ・サラダ油 | 各大さじ1 |
・にんにく・しょうが(すりおろし) | 各大さじ1 |
・はちみつ・レモン汁 | 各小さじ1~2 |
・好みでカイエンヌペッパー、ガラムマサラなど | 各適量 |
魚のタンドリー風スパイス&ヨーグルトマリネを使ったカレーの材料
● たまねぎ | 小1個(みじん切り) |
● じゃがいも | 3個(一口大に切る) |
● 植物油 | 大さじ2 |
● あればクミンシード・マスタードシード | 各少々 |
● カレー粉 | 小さじ2 |
● 塩・こしょう | 各適量 |
つくり方
1 魚は適当な大きさの切り身にしてポリ袋に入れ、Aを加えてもみ込む(口をしっかり閉じ、冷蔵庫で3日、冷凍庫3週間ほど保存可能)
2 フライパンに油、あればクミンシード、マスタードシードを入れて中火で熱する。香りがたったらたまねぎを加え、透明感が出るまで炒める。じゃがいもを加えて炒め合わせ、カレー粉をふり入れて混ぜ、湯2と1/2カップ(分量外)を注ぐ。
3 煮立ったら火を弱めて5分ほど煮て、1をマリネ液ごと加えて混ぜる。8〜10分煮て、味をみて塩、こしょうでととのえる。
4 温かいごはん(分量外)にかけて食べる。
<撮影/山川修一 取材・文/保田さえ子>
枝元なほみ(えだもと・なほみ)
料理研究家。食の生産現場に深い関心を持つ。近著に『枝元なほみの 今夜はおでん』(技術評論社)など。三重県尾鷲市の漁業集落を訪ねた際に出合った未利用魚、ギラのおいしさが忘れられない。
※『天然生活』2020年7月号には、水産学者・勝川俊雄先生と枝元なほみさんが、日本の海産物の問題を考えた「食卓から考える海と魚の話」の記事を掲載しています。ぜひご一読ください。