物件探しをはじめる
富山県の各市町村が、Web上で運営している空き家バンクに登録されている物件を、じっくり研究しました。
比較的築浅の家、昭和の家、土地、築100年以上の古民家も何軒か掲載されています。市町村により、いろいろ工夫されています。
10月下旬から富山にしばらく滞在し、いよいよ具体的に物件探しをはじめてみることにしました。
上市のブックマーケットで手にした古民家を自分で再生した人の本で、古民家リフォームについても勉強してみました。そして、古民家のリノベーションを自分で全てするというのは無理だなと即諦めました。
築100年以上という古い蔵を改築したカフェにも立ち寄ってみました。外観の蔵の佇まいは残しつつも、内部はとても美しく改装されていました。話を伺うと、改装には新築一軒分くらいの費用がかかるそうです。
実際に、売りに出ている築120年ぐらいの古民家の中を見せてもらったのですが、家そのものがものすごく大きく、手を入れなくてはならないところがたくさんあり、きちんと整えるのは本当に時間とお金がかなりかかりそうです。屋根を直すだけでも数百万円はかかるとか。
古民家というのはなかなか手強そうです。
土地そのものも、東京に比べるとかなり手が届きやすい価格なので、新築というのもありかなと思い始めました。
建築家隈研吾氏が設計している吹き抜けの空間が心地よい富山市の図書館で、家づくりについての本をもとに、にわか研究をしてみました。
今回の物件の希望としては、住まいと店を兼ねていること。というのが最重要項目でした。そのために、ある程度は広さが必要になります。そうなると、当然初期投資もかなり必要となり、そもそもの移転の条件、「無理なく経営できる、コストのあまりかからない、長く続けていける身の丈にあった店づくり」から外れてしまいます。
当然のことながら、素材にこだわった家づくりは、建築費も高くなります。予算内に収めるというは重要です。短期間の間にぐるぐると思考が回転しました。
移住の先輩、白雪ゲストハウスの坂口さんが、立山町の空き家バンクに載っている物件で、お勧めの、良い雰囲気の古い家があるよと教えてくれました。
立山町役場が、移住促進事業の一環として運営している空き家バンク、登録されているお家を実際に内見するときには、役場にまず申し込みをします。せっかくだったら何軒か見れたらいいかなと思い、まずは自分で外観をみてみることに。気になった2カ所の土地と3カ所の家を車で廻ってみました。
余談になりますが、富山に限らず、地方での生活には車は必須です。私は18歳の時に免許を取り、それ以来ずっと車に乗り続けているので問題なかったのですが、もしいつか地方暮らしをと考えている方は、まずは免許取得とカーシェアリングなどで日頃から運転に慣れておくことをお勧めします。
3軒廻った家の中で、実際に中をみてみたいなと思った家は、坂口さんが勧めてくれた家でした。適度な古さで、日本庭園もあり、広すぎず、狭すぎず。そんなに庭も家も荒れていなく。
立山町役場に出向き、担当の方に話を聞き、内見の申し込みをしました。
立山町では、移住定住コンシェルジュもいて、移住について相談に乗ってくれます。立山町定住支援サイト「立山暮らし」(www.town.tateyama.toyama.jp)も充実していて、いろいろ町の情報を得ることができます。
役場から家の持ち主さんに連絡をしてくれて、内見の日にちが決まりました。
中の様子の写真も見せてもらいました。まだ家財が置かれたままの写真だったので、良いのかどうかの判断が難しく、約束の日にちが待たれることに。
私の好きな富山のお店
立山の雑貨とカフェのお店 CALMET
いろいろなおかずが楽しめる週替わりのごはんや、マフィンやフォンダンショコラなど手作りのデザートがとても美味しい立山のカフェ。並べられている雑貨やビンテージの家具などが、店に馴染んでよい雰囲気。
CALMET
富山県立山町利田1311−10
12:00-18:00 定休日:月・火
(1グループ3名まで)
巣巣 岩崎 朋子(いわさき・ともこ)
世田谷の等々力で「巣巣」という家具と雑貨の店16年営み閉店。現在富山県立山町に移住して新しい店を準備中。バンド「草とten shoes」リーダー。著書に「小さな巣をつくるように暮らすこと」(SBクリエイティブ)。
<撮影/馬場わかな(プロフィール写真)>